どんよりとした朝に楽しむのは、サーリ・ジャン・ゲヴレックの「Concertos without orchestra」(FUGA LIBERA FUG 826)です。2023年に録音されたアルバムには、バッハのほか、ロベルト・シューマン、セルゲイ・ラフマニノフの3作品を収録。ここできくのはもちろんバッハで、明快な魅力がある「イタリア協奏曲(イタリア趣味による協奏曲)」です。ゲヴレックは、1992年トルコ生まれのピアノ奏者。「イタリア協奏曲」の両端楽章では、力強さはあっても重くならい、躍動感のある演奏をきくことができます。中間楽章のアンダンテは対照的に、じつに静謐で繊細です。