元日の夕べにきくのは、ブルーノ・ターナーたちによる「Josquin des Prez: Motes」(deutsche harmonia mundi 82876 69993 2)です。アルバムは表題どおり、ジョスカン・デ・プレのモテットを6曲収録。往年の名重唱団、プロ・カンティオーネ・アンティクヮをはじめ、テルツ少年合唱団員(ソプラノ)、コレギウム・アウレウムの団員、ハンブルク古楽管楽団員が参加しての録音(1971年)で、少年と成人男性の重唱によってモテットが歌われています(楽器はすべて歌唱声部の重複[コラ・パルテ])。近年ではこういう編成での録音はまれになったので、とても貴重な録音といえます。ルネサンス期モテットの歌唱の主流は混声の重唱で、楽器の重複もありません。ちょうどいま、男声ばかりの「クリスマス・オラトリオ」をきいているので、ターナーたちのアルバムから何曲か選び、紹介がてら楽しみむことにします。有名な「アヴェ・マリア」(Ave Maria .... Virgo serena)もききましょう。