奄美 海風blog

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名瀬トン普通語 星降る夜の旅人は 気張いやんせ 

2004年12月15日 | お客さん
041215-nagahamaYさんは鹿児島の営業マンです。今月の奄美出張では、図らずも、「星降る夜の旅人」(注1)ということになりました。Yさんの名瀬での定宿にはPCがないので、昨夜、いつものようにここで船の待ち時間にインターネットを利用して帰りました。

Yさんは大の長渕剛ファンです。

名瀬トン普通語(注2)で、「Yさんは鹿児島で「普通に”気張いやんせ”(注3)ち、使うワケ?」という意味の質問を、Yさんの鹿児島弁を真似て、「・・・ち使うんケ?」と尋ねました。
(文字で書くと、ワとンの違いですが、イントネーションが大きく違います。でも、それも何回も繰り返し練習していると不思議なことに、段々似ているような気になってきます。)

Yさんはどちらかと言うと体育系風(笑)なので、「気張いナー」とか「気張いやっせナー」とか言うのだそうです。
結論は、品の良いおばあちゃんなんかに言われると「身が引き締まりそう」ということでした。

最後にYさんは「じゃ、ひとつ、良いお年を・・・気張いやんせ、ワッハッハ。」と訛らずに言って、笑顔で八時半すぎ(注4)、名瀬港に向かいました。

実直でほがらかなYさん、意外にもビールも焼酎も飲まないという。
たいやきを買っていったYさんが船の上から見ている月はどんな月、もしもデジカメ持っていたなら撮れたのに。
♪誰(だい)が悪いち言うもんか♪

(注2)名瀬トン普通語=奄美の方言と共通語の中間の言葉。トンは奄美方言でサツマイモのこと。鹿児島には「カライモ普通語」、沖縄には「ウチナーヤマトグチ」。トンにもイモにも、あまり洗練されていない、というニュアンスがあります。だれが言い始めたのかは分かっていないそうです。奄美の島々や各集落で、それぞれすこしづつ違っている方言を話している人たちが、進学や仕事などで中心地名瀬に集まって来るので、そこに共通の言語が出来た。戦前の女学生などの会話の中から生まれ、復帰後、一般にも広がった、といわれています。今では現代奄美共通語といわれるようになった、この言葉を話す人の年代層や地域もひろがっている。「あげ、あげげ、はげ」「わけ」「ワジワジ」「ボットボット」「怒られまい」などはこのブログでも時々使われる。「あんたなんか」「ちば」「ちよ」「ちょっ」「むる」「さばくる」「せんばいくね」など。
参考 倉井則雄『トン普通語処方箋』 
    島尾敏雄『名瀬だより』

(注1)
「星降る夜の旅人は」
 (作詞:岡本おさみ/作曲・編曲:吉田拓郎)
歌詞を見る

(注3)「気張いやんせ」
 (作詞 作曲 / 長渕剛)
歌詞と曲を聴く・・・音量注意

(注4)名瀬鹿児島間の定期船の旅は、毎日上下便とも夜(船中一泊)になります。名瀬は毎日21:20出港、鹿児島は毎日夕方出港。時間は船によって若干違います。
2004.10.16
超要約 全国~名瀬海路&三角浜 再