「もし、・・・もし人違いでしたら、ごめんなさいね、
もしや、あなたは、と、と・・・寅さんではございませんか?」
2時半ごろ、潮が引き、奄美各地で巨大なさんご礁が現れた。
2~3日前から、浜に出ている人の姿が目立ちだし、
きょう旧暦の3月3日 リーフでは、貝などを拾う大勢の人の姿が見られた。
ゴムぞうりに靴下の軽装でリーフの先端まであるいた。
群青色の外洋の波がゆっくりとうねり、リーフの隙間の溝から海水が音を立てながら盛り上がる。
足元に複雑に入り組んだ、その溝は、陽を受けてキラキラと輝く。
東京から毎年のように奄美を訪れているAさん(仮名)は、
「ここは、やはり別世界ですね」と目を輝かせた。
大きな岩場を越えて人の行かない遠いところまで行くか、
ボートなどで、歩いては行けない離れたリーフ ↑まで行くなどすると
獲物も、格段と違うのだろう。
↑「磯の香りと波の音だけで十分」とおっしゃるAさんの獲物
↑ 同じリーフでも、「装備」のいい、おばちゃん達の獲物は、けっこう・・・。
=====奄美の年中行事
三月節句 サングヮチサンチ
上巳(じょうし=陰暦三月最初の巳(み=へび)の日)の節句。女の節
奄美・沖縄でも、蛇にまつわる「アカマタ説話」を由来説話として伴っている。
前日に、フチダグ(蓬団子) 蓬餅(フチムチ)を作る
それらは、蓬(よもぎ)と黒糖と糯米粉(もちごめこ)こね、丸めてサネン(ゲットウ)の葉でくるんで蒸す。
また軒に蓬(よもぎ)と白百合の花をさし、病邪を除くと考えられた。当日は独特の重詰弁当を持って磯や小山や海辺に行き、節句遊びをした。
本土の花見や、沖縄の清明祭りとほとんど同じ
参考
『名瀬市誌』 3巻 民俗編
『奄美民俗文化研究』 小野重明
『奄美、トカラの伝統文化』 下野敏見