この記事は、きのうのつづきです。
夜ヒカン桜の写真はご自由にお使いください。
つれゞ草 下
第137段 花は盛りに
花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ見るものかは。
雨に向かひて月を恋ひ、垂れ込めて春の行衛(ゆくへ)知らぬも、なほあはれに情け深し。 咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ、見どころ多けれ。
歌の詞書(ことばがき)にも、
「花見にまかれりけるに、早く散り過ぎにければ。」とも、
「障(さわ)ることありて、まからで。」なども書けるは、「花を見て」と言へるに劣れることかは。花の散り、月の傾くを慕(した)ふ習ひはさる事なれど、殊(こと)にかたくななる人ぞ、
「この枝、かの枝、散りにけり。今は見所なし。」などは言ふめる。
よろづのことも、始め終はりこそをかしけれ
↑ これは、2008年2月 1日 (金曜日)
今日も本茶峠の桜 つれづれ折節 花は盛りに から抜粋