長崎を識らずして江戸を語るなかれ (平凡社新書) [新書]
松尾 龍之介 (著)
内容(「BOOK」データベースより)
江戸幕府が、オランダ人を長崎の出島に強制移住させてから、日米和親条約が締結されるまで約二〇〇年間続いた鎖国時代。唯一、西欧との取引が許された長崎には、各藩から、数多くの志のある者たちが最新の知識や情報を求めてやって来た。平和な時代が長く続いた江戸期に花開いた数々の文化は、彼らが長崎遊学を果たし、各藩に持ち帰ったものだったのだ。江戸が、いかに長崎の影響を受けたのか。地方別「長崎遊学者名簿一覧」付き。
登録情報
新書: 216ページ
出版社: 平凡社 (2011/1/15)
発売日: 2011/1/15
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長崎のかわりに沖縄としたら?という思いがよぎり書店で買った。
鎖国時代の日本の「窓」ではなく、玄関として外国はなぜ長崎を選んだのか、いまひとつよく理解できなかったが、黒潮の流れや地図を見ていると納得できた気がした。
江戸がいかに長崎の影響を受けていたのか、本書は説く。
P194蘭学は長崎で起こり江戸へと伝播していった。この当たり前の史実が当たり前ではないのである。結果的に勝者となった江戸蘭学の人々は、自らのルーツを長崎蘭学に求めようとはしなかった。それは江戸で起こったのだと主張する。
教科書にも蘭学は新井白石によって研究の道が開かれたと書かれているらしい。
通訳のことを考えると白石より先に長崎では?と考えられるのだが。
新井白石を描いた歴史小説
このブログ 2010年12月16日 (木曜日)
『 市塵 』 藤沢 周平 (著)========
ペリー来航五年前、長崎の座敷牢に収容されたアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドから本物の英語を学んだ長崎通詞・外交官・森山栄之助を描いた長編歴史小説
このブログ2010年12月31日 (金曜日)
『海の祭礼』吉村 昭 (著) 文藝春秋=======
著者がこの本で述べていることは、長崎の人にもよく知られているわけではない。
あとがきで、長崎の生まれ育ちの著者が、故郷長崎に関心を抱くきっかけになったのは、しばしば通った東京の神田神保町の古書街で、長崎に関する書籍の多さに驚いたことから出発したと述べている。
著者の心中に、「東京を識らずして長崎を語るなかれ」と叫ぶもう一つの声があるという。
奄美の歴史の研究も最近ではかなり進んでいるように思うのだが、長崎にしてこうだと思うとためいきが出てきそうだ。