『撹乱する島』―ジェンダー的視点 (沖縄・問いを立てる) [単行本]
佐藤 泉 (著), 新城 郁夫 (編集)
このブログ2013年5月11日 (土曜日)
“復帰”40年の『沖縄と日本』―自立の鉱脈を掘る [単行本]につづいて読んでいる。
正直、近所の島を理解するのに、こんな難解な、という思いで読み進めた。しかし本書は沖縄・問いをたてるシリーズの一冊であって、理解や答えより、問うことが先だ。それほど意味不明ではなく、なるほどこれまでの思考を解体され攪乱されもっと深く読みたいと、それぞれの章で思わされる。
必要なのは
一見プライヴェートな領域とみなされる性の問題が現実政治というマクロな権力構成と密接にかかわっていることを明るみに出していくという思考的実践であるに違いない。p24はじめに
ここでも「沖縄」は日本の問題だ。
きょう5/5日は沖縄復帰41年、折りしもきのうは、橋下徹大阪市長の従軍慰安婦発言のニュースが飛び込んできた。
それで思わず、本書書き出しの 性支配にレトリック の部分をなんども読み返してみた。
ジェンダー的思考の欠落こそ、社会、政治、文化といった沖縄をめぐるあらゆる領域が、極めて暴力的な表象によって覆われていくという事態が存在する。
それはジェンダー権力の作動が微弱だということを意味しない。
逆に、沖縄に関する言説やイメージは、暗示や隠喩といった表象の横溢によって徹底的なまでにジェンダー化されている。
参考 書評記事
攪乱する島 ジェンダー的視点 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
くわしい目次等 攪乱する島 総合書籍出版 社会評論社
本書は、 シリーズ(沖縄・問いを立てる)の第3巻です。
第1巻 沖縄に向き合う――まなざしと方法
第2巻 方言札―ことばと身体
第3巻 攪乱する島―ジェンダー的視点
第4巻 友軍とガマ―沖縄戦の記憶
第5巻 イモとハダシ―占領と現在
第6巻 反復帰と反国家―「お国は?」
amazon内容(「BOOK」データベースより)
性的比喩に依存することなく、沖縄を表象することは、それほどまでに困難なことなのか。沖縄をめぐるジェンダー規範解体の試み。
amazon登録情報
単行本: 229ページ
出版社: 社会評論社 (2008/09)
発売日: 2008/09
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撹乱する島―ジェンダー的視点 (沖縄・問いを立てる) 価格:¥ 1,890(税込) 発売日:2008-09 |