奄美 海風blog

写真。植物や本 ネットで映画感想。相撲見てツイート
04年4月~14年11月ブログ人
トップへはタイトルをクリック

『美術の力』 表現の原点を辿る – 2018/1/17

2019年05月02日 | 本と雑誌

『美術の力』 表現の原点を辿る (光文社新書)  – 2018/1/17
宮下規久朗 (著)
5つ星のうち 5.0
11件のカスタマーレビュー
 
たまった積読本を少しづづ、片づけている。
これも去年名瀬の書店で買って、積読しておいた本のひとつ。
パラパラめくったみると大部分のページに高精細のカラー図版が現れる。
それだけでも980円はお買い得だ。
超有名な絵はあまり出てこない。
体系的にまとまった構成ではなく、
解説も淡々とした筆致ながら、鋭い指摘もあり、興味深い話の展開は、初心者にも飽きさせない力がある。
引き込まれてしまう。
内容は非常に知的刺激にみちていた。
たとえば、P164「美術を見るということは、感性だけの営為ではなく、非常に知的な行為」「知識を軽視して、自分の感性や好き嫌いだけで見ても、ほとんどの美術作品は何も語りかけてくれない」P164
↑これは、表紙のカラヴァッジョの最高傑作とされる宗教画 『エマオの晩餐』の項で、ともに食事をしている相手が実は復活したキリストだと知って驚く二人の使徒の「身振り」についての知識についての解説だ。
表紙折り返し部分を拡げる
そのほか古典からの引用や借用ので作者の学識についての知識があれば、
作者の芸術にかんする天分や創意工夫といえども、時間や空間の制約の中からしか生まれないと分かれば美術鑑賞の楽しみも倍増する。これもだいたんな指摘だ。
これは、「自分の感じたままを書けばそれでよい」とする美術教育への苦言でもあるだろう。
美術だけに限らないのはないことではないだろうか。いちどの読書だけでは、・・・。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。