
途中から耳がつーんとしてきたので高い位置に来ていると思いながら走った。
二股の分かれ道に来ると、「笠荒神へ」と案内板があるので、寂しい山道だが、迷いはなかった。

此の頃は、竈がないけれど、子供の頃「へっついさん」(竈)のある台所には、荒神さんを祀る神棚があり、そのお社には、荒神の守り札が納められていたものだ。
火伏せのお守りとしていた。
我が家では、どこの荒神さんから頂いてきていたのかは知らないが、大抵立里に、お参りしていたように思う

寄進者の住所の彫を見ると、全国各地の府県名が見られる。
信者さんは、大和の人だけでないことを示していて、古い歴史を思わせる。
各家庭でも、企業でも、火に恩恵を受けている人の生活である。
昔から、荒神信仰が盛んで今に伝えられていると参道を歩きながら思う。