
生まれた町の好きな風景である。
表の店の方は紀州街道に面している。
煙突の見えるほか高い建物の無いのも、昔のままである。

道路の上で南北の棟が結ばれている。
この露地が、友人宅への近道であったり、時には探偵ごっこのエリアとして広域の遊び範囲になったりした。

板壁と白壁が、路地を一層細くしている感じがする。
反対に路地の狭まりが、この古い伝統を持つ造り酒屋の歴史の古さを象徴しているかのようだ。
表通りから少し入ると、子供の頃の世界がそのままそこにある場所が、この町には沢山ある。
発展性が無いというのでないが、残せるのもが生かされる町であって欲しいと思う。