岸壁に沿うように走ると、その高い堤防に梯子が二つ架かっている。
梯子といっても危なげな手作り梯子で足をかける間隔も広い。
ジーンズとスニーカーでないと私にはきっと登れなかっただろう。
登ってよかった。
広がる海の向こうには淡路島が見える。
時々、船がゆっくりと動いている。
遠出をしなくても、こういう埋立地の堤防の上からでも、目の前に広がる広い海原はいい。
太陽は海に近くなっているが、まだ入日には早い。
キラキラを海に光を投げかけて眩い。
関空に繋がる道路があるはずだと、おぼろげな記憶の中の道路地図を頭に描く。
海岸に沿って工業地帯らしい大きなタンクが夕日を浴びて白く際立っている。
高層のビルは関空近くのホテルだろうか。
はっきりしないがツインになって他の建物より一際高いのが目を引く。
「この夏は海を見ないで終わるかなぁ」
そう思っていたが、夏の終わりの工業地帯からの海を時期を遅らせながらUPした。