何かおかしい。変な匂いがする。聴力は少し落ちたが嗅覚はまだ確かだ。
5月の爽やかな風にのってくる匂いは、消毒薬の匂いだ。
昨年は消毒をする日には、入口の辺りに看板が立てかけてあったのに、この日は見当たらなかったというか見落としたのかもしれない。
そこでトリムコースを逸れて、池の周囲を歩くことにした。
距離は分からないので大体いつも歩く時間を目安に、この日はゆっくりのんびり、衣替えしたような池の畔を楽しみながら歩くのもいい。
休憩所のご婦人は、話が弾むのか私が歩き終わってもまだそこに座っていた。ここは憩いにもってこいの場所なのだろう。
つつじが絨毯のように咲き、水辺には、黄ショウブが涼しげだし、遊歩道の柵に沿って、昼咲月見草が優しいピンクの花を咲かせている。
時にはコースを変えて歩くのもいいものだ。