かつての西吉野村も、今では市町村合併で、五條市西吉野町と、賀名生の梅林も我が町の梅林と、
親しみを持って花の咲くのを待つようになりました。
今年は花の見ごろの頃は、この足に状態では、山に登り山を巡ることのできないのを自覚して、花の見ごろは諦めて
伝承館のお雛様を観て、南北朝時代の皇居跡の、これから咲く時期を迎えていく枝垂れ桜の枝振りを見てきました。
堀家の枝垂桜も花の季節の準備中です。
実は本当の目当ては、この枝垂れ梅だったのです。
幻の五新鉄道の敷地沿いに咲くこの紅枝垂れは、もし鉄道がだめならせめてボンネットバスの窓から
この見事な枝垂れ梅を見ながら、五條の町と十津川温泉や、新宮へと旅人を運んでいたに違いないようなことを
想像しながら、甘い香りと降るような紅色の花を、今年も暫くは眺めていたかったのです。
実家がこの近くにある友人に、訊ねたのですが、この枝垂れの咲いている地区は「屋那瀬」という地区だそうです。
合併してから昔の地区名が、その地区を昔から知っていた人でないと、分からなくなっていくこの頃ですが、
こんな機会に教えてもらえてよかったです。
何度見ても、今が1番の見ごろだと、思わずにいられません。
下の方はまるで、花簪のような優しさで地面近くまで下がってきています。
幻の五新鉄道跡の道をしばらく歩いて、振り返りますとほかにも紅枝垂れの咲いているお家がありました。
賀名生梅林の花が終って、山は寂しい色になっているこの時こそ、この屋那瀬の紅枝垂れのまってくれる
西吉野町へと訪れる大きな喜びがあります。