カフェテラス

テラスの片隅で一人心に呟くように

三人官女 珍しいお雛様

2014年03月07日 | ☆ ふるさと・大和

 

  

三人官女について、雛めぐりであちこちのお家のお雛様を見せてもらっているうちに、「銀の冠」をつけた三人官女が飾られている家に足が止まった。

官女は、果たして冠をつけているのだろうかという、素朴な疑問だったが、この家の人も、この官女たち冠をつけているのは非常に珍しいことで、そのわけは分からないとのことだった。

官女について帰ってから調べてみると、『 お内裏様とお雛様のすぐ下の段に並ぶのは三人官女。三人官女は、お姫様のおつきの女官でした。
しかも、楽器を奏で、歌を詠み、家庭教師もこなすとゆうマルチなお三方なのです。
その中でも一人だけ中央に鎮座する眉の無い女官がいます。これは、眉を剃り、お歯黒をつける既婚女性の習慣からで、おそらく年かさの官女長なのでしょう。あとの二人は若い女官です。おつきの女官にも世代のバランスが大切という事でしょうか。』 

 

 上の女官とこの女官は、綺麗な眉があるので、未婚の女官である。今まで何とはなしにお雛様を見てきたが、こんなことを知るのも面白い。

 

 しかし、私が一番知りたかった、銀の冠をつけた三人官女については、お雛様のことを書いてあるいろんなものを調べて写真でもあるかと思ったが、調べる範囲が狭かったのかもしれないが、冠をつけた三人官女は、見つけることができなかった。

この三人官女は、道路に面して屋外に並んでいた。もっとお顔がよく見えるように撮ればよかったのだが、このときは料理屋さんの塀際に並んでいたのが、可愛くて何気なく撮った1枚である。

やはり真ん中の官女は、女官長なのだろう。お歯黒は分からないが、眉は剃ってあるように見える。

三人とも冠はつけていない。真ん中の官女は眉をそっているので既婚者で、両側の官女は未婚者であることは分かった。

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お薬の町・高取の売薬さん家の土人形

2014年03月06日 | ☆ ふるさと・大和

 

 

 

 

代々使われてきたお薬用の版木の珍しいこと。お商売の歴史がよく分かる展示物だ。 

 

この鎧は実際に使われてきたそうである。ご先祖様が、高取城のお侍だったのだろう。 

 

 

 

素朴な土人形が、豪華な段飾りの隅の方ににおかれていたのが目に入った。お話を聴いて、これこそこのお家のご先祖さんが脈々と今に繋いできた売薬さんの足跡のようなものだと思ったのは、私だけかもしれない。

この土人形に気がついて、お母さんに尋ねると、売薬に行った先々のお土産人形であることを話してくれた。真ん中の人形はどじょうすくい人形とのこと、旅先での家人への思いの篭ったお土産に思わず微笑みながら、雛巡りでのコミュニケーションが弾む。                                       8515

 

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紫毛氈の段飾り 語らい ①高取町家の雛巡り

2014年03月05日 | イベント

 

「雛を公開しています」と玄関に書いてある「ひいなちゃん」の絵に招かれるように、敷居を跨いで玄関先に入れてもらって大抵のお雛さんを見せてもらった。

何処のお家も工夫を凝らして展示されているが、今年の印象的だった3つのお雛様のことを書き残しておくことにした。

  

 

和紙の柔らかい灯りが出迎えてくれた。

 

 

     

クリックすれば大きい画像になります

この家の奥様が、先に訪れていた何人かの方の話し相手をしている間に、次の土間に入らせてもらって、蛇の目傘の下に佇む可愛いお人形と、そこにある手作りの小物の数々、敷物にしているキルト作品をゆっくり見せてもらった。後で尋ねたら全てこの家の奥さんの作とのことで、雛巡りの人へのいいおもてなしだと感心した。

 

 

玄関の段飾り雛のところにいたグループの人が去ったので、見事な雛飾りをゆっくり見せてもらった。ふと気がついて「毛氈が、緋毛氈でなくて、紫毛氈なのですね。」と語りかけた私に、お嬢さんの初節句にお母様の実家からお祝いに贈ってもらった時のことを思い出語りしてくださった。

この子が20歳になるまでは、緋毛氈を敷いて20歳になったら紫の毛氈を敷くようにと2枚の毛氈を持ってきてくれたそうだ。

「今お嬢さんはおいくつですか」の問いかけに、25歳になりましたのでこのように紫の毛氈を敷いているのですが、その子もこの春に嫁ぐことになりましたので、毎年母と私と娘とで飾っていたのですが、来年からは母と私とで飾ることになります。」

「おめでとうございます。お嬢様のお幸せをお祈りしますね。」

 

 

 

外に出て振り返った家の佇まいは、連字格子、むしこまど、煙出しの小屋根が、時代を遡ったようで、城下町としての趣を残している落ち着いた感じに、先ほどまで語ってくれたお母様の娘への幸せを願う気持ちが、またその子へと繋がっていくことを思う。

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ジャンボなお雛様は地域の絆・高取町雛巡り

2014年03月04日 | イベント

 

  

今年新しく登場したジャンボなお雛様は、なかよし広場と呼ばれる場所にあった。この地区は観音寺地区とのこと。

こんなに大きなお雛様を作るには、地区の人たちの力をあわせた賜物であることがよく分かる。昨年まではジャンボなお雛様は、清水谷と上子島の老人パワーで作られた干支のお雛様と2つであったのが、今年はまた一つ増えた。

ますます高取町の結束が深まっていくようで、中心になって実行される天の川の世話人さんの働きも並大抵でないものと思う。

 

 

新人のお雛様は観音寺地区の方々の協力の証。お澄まししていてとても可愛い。 

 

綺麗な町並みを上へ上へとのぼり、ずいぶん離れた清水谷へと歩く。昨年行っているので、慣れた道である。 

      

お里澤市のお墓のある菩提所に立ち寄り、手を合わせてきた。途中屋外にも花で作った苔玉雛を今年も見ることができた。陽射しに恵まれていたのでネコちゃんが、のんびり道行く人を眺めていたりした。 

    

清水谷地区の絆広場のお雛様は、すわり雛でまろやか、ふくよかで可愛い。きっとこの地区の人たちも、何日もかけて寄り合いながら製作したのだろう。出来上がったお雛様を見ていると、それに関わった人たちの、賑やかな製作風景が目に浮かんでくるようだ。近くの氏神様の絵馬が今年もお雛様と一緒に威勢の良い馬の姿がきっと良い運気を呼び寄せてくれるだろう。 

 

最後に行ったジャンボ雛様は、今年の干支の馬雛様である。元気広場に来て、毎年元気をいっぱい頂いて帰ることができる。 

  

すっと首筋を伸ばしたち雛様である。遠くを見詰める目は、この町の一番高いところにあるジャンボさんだから、下に広がる田畑の豊作を見守っているに違いない。

ここで、お善哉を頂いて帰ろうと思っていたのだが、もう売り切れとのこと。商売繁盛もよかったねと独り言。 

この上子島から右手にいい道ができているので、壷阪寺の下まで一気に走りぬけることができる。

ジャンボ雛さんたちに貰った元気で我が家方面へと車を走らす。天候に恵まれた何よりの日だった。

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高取・第8回・「町家のひなめぐり」 一閑張りのお雛様・メイン会場

2014年03月03日 | イベント

 

 

「灯りをつけましょ ぼんぼりに    今日は楽しい雛祭り    」

雛祭りの歌が思わず口をついて出てくる、メイン会場へ先ず行った。17段約500体のお雛様が飾られている。天段のひなと呼ばれている。

今年もまた3月になるのを待ちかねて、高取町へやってきた。もう8回目である。あちこちで開催されるイベントに、「一度行ったらもういいわ。」というのと何か新しいものを見つける楽しみのあるイベントには、「今年もまた行こう。」と訪れる春を待つイベントの二通りがある。勿論私見である。

 

 

今年の新しい出会いのお雛様は、「700年の伝統の一閑張りのジャンボ雛」だ。

『一閑張(いっかんばり)とは、諸説では江戸時代に明の学者・飛来一閑が創始した漆工芸技法です。

木型や木材や土などの原型に和紙を張り重ねて型抜きし漆加工をして仕上げる工芸品です。

和紙を張り重ねた竹の籠に文字や絵を描き、柿渋を塗り固めて籠を完成させるものです。

柿渋には、防虫・防腐・防水効果があり、思いを込めて作った籠は時間とともにその風合いを増して行きます。もし破れてしまっても修復することが出来るので、是非日常の中で長く使ってあげて下さい。

壊れた籠など竹製品に和紙を張り重ね、柿渋で固めて再生する一閑張。ものを大切にしてきた先人の知恵から生まれた技術であり、工芸品です。

奈良一閑張(ならいっかんばり)は、奈良吉野の手漉き和紙や柿渋など、奈良の素材にこだわり、そこに一閑張アートを組み入れた、奈良地方固有の素材を活かした工芸品です。』

 

 

興味深く一閑張りのお雛様を見つめる私に、上のようなことを説明してくださって「このお雛様の作者は私です」と仰った北原秀郎氏にお雛様と一緒に入っていただいた記念写真である。

とてもユニークで温かみのある作品に、北原氏のお人柄が表れているように、親切に説明していただくことができた。

 

 

 

 

 

このお雛様を見て、子供たちの素直な思いのままを絵手紙のように北原氏へ送ったのが会場に公開してあって、とても好ましい気持ちで眺めた。 次の世代に引き継いでいく芽生えがこうして培われていくのだろうなぁと感心する。

 

ボランティアガイドの地元の方が、天段の雛について、また雛祭りのもろもろの歴史的なことなど、分かりやすくいい語り口調で説明していらっしゃった。説明の1段落が済むと、聴いていた人や見ていた人が「ありがとう」のお礼を言う前にさきに「ありがとうございました」と深々と頭を下げて挨拶されているのには、感動した。このようなおもてなしの心が、高取町の町興しの根底にあるように思う。

 

少し寒い日であったが、お雛様や、町をあげての歓迎の心に温もりをいっぱい頂いてきた。

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