昨日と今日とでは、空気がすっきり入れ替わったように爽やかになりました。
午前中の明日香の空は高いところの雲が、たなびいているようでここにも秋を感じます。
国営飛鳥歴史公園石舞台地区を、ぶらりと歩いてみたい気持ちにかられて、車を置いて外に出ました。今までは暑さと湿気で、なかなか外に出てみようという気にならなかったのですが、今日は気持ちも外に向かっていました。
ススキの向こうに、石舞台前広場の舞台が見えます。
いい風が吹き抜けていきますので、この木の舞台で寛いだり、寝転んだろ、すっかりお昼寝状態の人もいます。
明日からこの舞台や、明日香の各地で楽しいイベントは行われるとのことで、その準備らしい大がかりな道具のようなものが、あちこちに置いてありました。夜でなかったら出てきたいところですが、どうも夜には家を出にくくなっています。
広場の端のほうにこんもりとした萩の花の集まりがあります。傍に行きますと、こぼれんばかりに花をつけてきれいです。
この万葉の里に萩の花が多く植栽されているのは、古代の人たちは萩の花をことのほか愛でたからでしょう。
万葉集には萩の歌が、142首あって、花のうちでは1番多いそうです。
時々萩の花のことをブログに書きますので、重なるかもしれませんが、この機会に十首ほどあげてみましょう。
0120: 我妹子に恋ひつつあらずは秋萩の咲きて散りぬる花にあらましを
0231: 高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに
0233: 高円の野辺の秋萩な散りそね君が形見に見つつ偲はむ
0455: かくのみにありけるものを萩の花咲きてありやと問ひし君はも
0970: 指進の栗栖の小野の萩の花散らむ時にし行きて手向けむ
1363: 春日野に咲きたる萩は片枝はいまだふふめり言な絶えそね
1364: 見まく欲り恋ひつつ待ちし秋萩は花のみ咲きてならずかもあらむ
1365: 我妹子がやどの秋萩花よりは実になりてこそ恋ひまさりけれ
1514: 秋萩は咲くべくあらし我がやどの浅茅が花の散りゆく見れば
1530: をみなへし秋萩交る蘆城の野今日を始めて万世に見む
6461