孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

タイ・ラオス  中国によるメコン南北回廊の建設進行

2010-02-03 20:17:29 | 国際情勢


【南北回廊】
タイ北部チェンライ周辺を旅行中です。
一昨日は、チェンライ一番の定番観光コース、ゴールデントライアングルに出かけました。
タイ・ラオス・ミャンマーの3カ国がメコン川とその支流をはさんで隣接するエリアで、かつてはケシ栽培・アヘン密造による資金をバックにこのエリアを支配した人物クンサーでも有名な地域です。

そのあたりの観光の話題は別の旅行記サイトにアップするとして、冒頭の見苦しい手ぶれ写真(走る車からの望遠写真ですのでご勘弁を)は、チェンライからラオス・ミャンマー国境のチェンセーンに至る道路の拡張工事の様子です。

ゴールデントライアングルのタイ側玄関であるチェンセーンから直線距離で西へ40kmほど行くと、ラオス側フアイサイとメコン川をはさんで向き合うチェンコーンに至ります。

ラオス・フアイサイを起点として、ラオス北部の県を通る国道3号線として知られる228キロの道路は、中国との国境ボーテンまで続いていますが、従来は雨季の4か月間は閉鎖されてしまう狭くて未舗装の道路でした。
この道路を中国の資金援助で整備して、中国・昆明からラオスを縦断して、更には、タイ・バンコクへ、そして昆明からはベトナム・ハノイへ通じるメコン川流域の流通の大動脈を形成しようという、中国の南進政策・南北回廊の計画が進行しています。
写真のタイ領内の道路拡張工事も、そうした計画の一環ではないでしょうか。

現在はタイ・チェンコーンとラオス・フアイサイの間は船によっていますが、すでに橋を建設する工事が動きだしており、今年1月14日には受注業者の選定も行われたようです。
(旅行中でネット環境が不十分のため、情報がうまく検索できませんので、間違いがあったらすいません。)
今年3月にも着工と報じられていますので、陸路でバンコク・ラオス・昆明・ハノイが結ばれる日も、そう遠くはないようです。

【圧倒的な中国商品の流れ】
以前もこのブログで取り上げたように、メコン流域開発について、中国の南進・南北回廊に対し、日本はベトナム中部・ダナンからタイ中部を横断し、ミャンマー・モーラメインに至る東西回廊、更に、ベトナム南部・ホーチミンシティからカンボジア・プノンペンを経由してタイ・バンコクに至る第二東西回廊で対抗しています。
かつてのアフリカ大陸におけるイギリスの縦断政策と、フランスの横断政策の衝突をも彷彿とさせます。

しかし、中国からの物資の流れは圧倒的に見えます。
一昨日も、タイ・メーサイからミャンマー・タチレイに越境し、タチレイ側のマーケットを見学しましたが、そこで売られている商品の多くは中国製(コピー商品が多いようですが)です。

すでに、東南アジア各国で中国製品は溢れていますが、今後もこの勢いは加速することはあっても、止まることはないように見えます。
前回正月のスリランカ旅行で腕時計を失くしたため、今回旅行で私が使っているのは、日本国内の100円均一ショップで買った中国製のデジタル腕時計です。

ただ、中国もそうした低賃金労働力を背景にした安価な商品作りは、更に安価な労働力のベトナムなどの追い上げも受けており、今後は次のステップを目指す時期にも来ているようです。

コメント
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