(“flickr”より By Logan was his name-o http://www.flickr.com/photos/drlogan/5517901136/in/photostream/ )
マグニチュード(M)9.0と世界的規模に上方修正された東日本大震災による甚大な被害はいまだ膨らみ続けており、救助もままならない状況です。宮城県警察では県内だけで死者は万単位になるとの観測もされています。
あちこちの街全体が丸ごと津波に呑みこまれている状況からすると、そうした観測もやむを得ないところです。
【中国ネット世論で日本称賛】
言葉を失うような映像、被害にあわれた方々の悲痛な言葉、原発事故に関する政府の情報提供の遅れへの批判などがTV・新聞に溢れていますが、海外からは日本人の冷静な対応を称賛する声も届いています。
特に、日頃日本に対する厳しい声が多い中国ネット世論で、そうした評価が多いとか。
****東日本大震災:日本人のマナー世界一/とても感動的 中国国民、ネットで絶賛****
地震多発国で東日本大震災への関心が高い中国では12日、非常事態にもかかわらず日本人は「冷静で礼儀正しい」と絶賛する声がインターネットの書き込みなどに相次いでいる。
短文投稿サイト「ツイッター」の中国版「微博」では、ビルの中で足止めされた通勤客が階段で、通行の妨げにならないよう両脇に座り、中央に通路を確保している写真が11日夜、投稿された。「(こうしたマナーの良さは)教育の結果。(日中の順位が逆転した)国内総生産(GDP)の規模だけで得られるものではない」との説明が付いた。この「つぶやき」は7万回以上も転載。「中国は50年後でも実現できない」「とても感動的」「われわれも学ぶべきだ」との反響の声があふれた。
湖南省から東京に留学し、日本語学習中に地震に遭った瀟湘晨報の中国人記者は、日本語教師が学生を避難誘導、「教師は最後に電源を切って退避した」と落ち着いた対応を称賛。ネット上に掲載された記事には「日本人のマナーは世界一」などの書き込みが相次いだ。
「日本の学校は避難所だが、中国の学校は地獄だ」といった中国政府や中国人の対応を批判する書き込みも。2008年5月の四川大地震では、耐震性の低い校舎が多数倒壊、5000人を超える子どもが死亡。生徒を置き去りにし逃げた教師が批判された。【3月13日 毎日】
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****未曾有の大災害で見せた日本人の冷静な対応に驚きの声―中国*****
2011年3月11日、環球時報は記事「マグニチュードは日本観測史上最大=日本人の冷静な対応が世界に与えた印象」を掲載した。以下はその抄訳。
マグニチュード8.8と日本観測史上最大となった東北地方・太平洋沖地震。地震発生後、日本政府はただちに緊急災害対策本部を設置。速やかに自衛隊の出動を決めるなど迅速な対応を見せた。また一般の日本人も理性的な対応を見せている。
中国のマイクロブログで話題となったのは、日本滞在中のある中国人のつぶやき。「数百人が広場に避難していたが、その間、誰もタバコを吸うものはいなかった。毛布やお湯、ビスケットが与えられ、男性は女性を助けている。3時間後、人々は解散したが、地面にはゴミ一つ落ちていなかった。一つものだ」という内容。
パニックになりかねない大災害の中で、日本人が見せた冷静な対応は驚きをもたらした。【3月13日 Record China】
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****「日本人には道徳の血」 中国紙、市民の冷静さを称賛****
東日本大震災について、中国メディアが「日本の民衆の『落ち着き』が強い印象を与えている」(第一財経日報)「日本人はなぜこんなに冷静なのか」(新京報)といった記事を相次いで報じている。2008年の四川大地震では一部で混乱も伝えられており、市民も驚きを持って報道に注目しているようだ。
国際情報紙の環球時報は12日、「日本人の冷静さが世界に感慨を与えている」。普段は日本に厳しい論調の多い同紙だが、「(東京では)数百人が広場に避難したが、男性は女性を助け、ゴミ一つ落ちていなかった」と紹介した。
中国中央テレビは被災地に中国語の案内があることを指摘。アナウンサーは「外国人にも配慮をする日本に、とても感動します」と語った。
報道を見た北京市の女性(57)は「すごい。日本人の中には『道徳』という血が流れているのだと思う」と朝日新聞に語った。【3月13日 朝日】
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【アメリカでも】
アメリカでも、日本人の対応や、震災への備えに注目する報道が多とか。
****米各紙、日本人の「がまん」「地震への備え」に注目****
東日本大震災をめぐり、米国でも日本人の対応や、震災への備えに注目する報道が米国で相次いでいる。米ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)のコラムニストは日本人の「ガマン」を称賛する一方、ウォールストリート・ジャーナル紙(WSJ)は日本の耐震対策をたたえた。
「日本語には英語にはないガマンという言葉がある」。そう指摘したのは阪神大震災を取材したことがあるNYTの元東京支局長のニコラス・クリストフ記者だ。「日本の立ち直る力と忍耐力は立派で勇気のあるもので、来る日でも見ることができるだろう」とブログで書いた。
またWSJの12日付の社説は、地震大国の日本が「どれだけ地震に備えてきたかを忘れてはならない」と主張。NYTの12日付の1面記事も、多くの人たちが高台に逃れた点など、津波に対する住民たちの警戒心が人命を救った可能性に言及した。【3月13日 朝日】
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国民性もあるのでしょうが、危機における冷静さは社会の成熟度のひとつの指標でもあるでしょう。
今回の大きな犠牲に対する慰めにはなりませんが、こうした社会の成熟度は今後の復興・立ち直りを支えるものであることを確信しています。