孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

マレーシア・マラッカ旅行  マニアックな「ミニマレーシア&ミニASEANパーク」

2014-09-04 22:27:08 | 東南アジア

(ミニASEANパークに展示されているシンガポールの家屋 小さな写真ではわかりませんが、窓の木製鎧戸は破れていたり、はがれていたり、お化け屋敷にありそうな雰囲気です)

マレーシア・マラッカ旅行4日目

朝からうまくいきません
一昨日の朝頼んだ洗濯物がまだ戻ってきません。これでは着るものがなくなってしまいます。

本来受け取れるはずの昨日の朝、昨夜、そして今朝と尋ねているのですが、私が所定の申込書みたいなものを書いていなかったこともあってか、スムーズに流れていません。

申込書の話にしても、出すときに何も要求がなかったので知らずにそのまま手渡しただけです。

「今夜渡すから」「明日の朝できます」「今日の昼頃に」と埒があきません。
年のせいか最近“切れやすく”なっている私は、つい声が大きくなってしまいますが、興奮すればもともと拙い英語がますます出てきません。

日本的な感覚だと、たかがTシャツらパンツにしても、ホテルの信用にかかわる問題として誠意をもって対応してほしい・・・と思うのですが、いかんせんここはマレーシアです。

どうも戻ってこないような感じだ・・・と、明日着る分を簡単に洗面所で洗濯。
これで、最悪事態でもなんとか対応できます。

ようやく乗ったバスは・・・・
昨日までの3日間でマラッカ中心部の世界遺産地区内にあるスポットの多くをまわったので、今日は郊外に足をのばすことに。

とは言っても、あまりめぼしい場所はありません。
車で30分ほどの郊外に、マレーシア各地およびASEAN各国の伝統的家屋を集めた、「ミニマレーシア&ミニASEANパーク」なるところがあるので、そこに行ってみることに。

パーク内で、伝統舞踊のショーもあるとか。その手のものが結構好きなので・・・・。

まずタクシーでバス・ステーションへ。
他のアジア各国同様に、郊外行きバスが発着するステーションは、街中からかなりはなれた場所にあり、市街地中心部からバスが出る日本的感覚からすると不便でし、タクシー代もかかります。

マレーシアの物価は日本に比べれば安いですが、5分の1とか10分の1といったものではなく、半分程度といったところでしょうか。

大きなバス・ステーションは都市間移動用とローカルでターミナルが分かれており、勝手がわからない私は右往左往。

ようやくローカルバスのエリアに着いても、そのバスに乗ればいいのか・・・
なんだかんだ尋ねたあげく、45分以上待たないといけないみたい。

そのくらい待つのは仕方ないですが、教えられた発射時間と電光表示板の情報が違うような気も・・・・。
プラットホームもガイドブック情報とは違うような・・・・。

「本当にここで待てばいいのだろうか・・・」と不安を抱えて、何回も発着するバスのドライバーなどに確認しながら待ちます。

ようやくお目当てのバスに乗れたときはお昼前。
「まあ、ちょうどお昼時に着くから、現地で食事してから見物すればいいか・・・・」と思っていたのですが。

バスはエアコン完備で、道路はりっぱ。快適なバス旅です。うるさく話しかけられるタクシーよりバスが好きです。

マラッカ中心部は完全なチャイナタウンで、中国系の人間や看板ばかりです。
まるで香港か台湾のような感じも。

しかし、郊外に出ると、ヤシの木やブーゲンビリアなどの花々など、熱帯の国マレーシアののびやかな自然が広がります。

それはいいのですが、30分ほど乗っていますがまだ着きません。
乗車の際にドライバーとのやり取りで「ミニマレーシア&ミニASEANパーク」とはっきり伝えてあるので止まってくれるはずですが・・・・。ドライバーは補助者だか友人だかとのおしゃべりに夢中です。

40分過ぎてもまだ着きません。次第に不安になって、信号でバスが止まった時、ドライバーに「着いたら教えてもらえますか」と念押しすると、「ああ、ミニマレーシアだったね。忘れてた。もう過ぎちゃった。あんたがブザー鳴らさないから」

困り顔の私に「大丈夫。このバスで引き返すから」とのこと。
結局、もう10分ほど走って終点の街に到着。折り返しマラッカ行になるバスにそのまま乗って、ようやく到着。

30分程で着く場所に、1時間半かかりました。
「まあ何とか着いたのだからいいじゃないか。別に急ぐ旅でもないし・・・」と自分に言い聞かせて園内に。

照りつける日差しと対照的にうらぶれた感の園内
外のレストランにはそこそこの人がいましたが、園内は閑散としています。
もっとはっきり言えば、私外に客が見当たりません。

マレーシア各地(13か所)の伝統家屋が一堂に・・・とはいっても、どれもこれも大差なく非常に地味です。
かろうじて、ボルネオのサラワクやサバのロングハウスとの違いはわかりますが。

建物内にいろいろ展示・説明はあるのですが、肝心のその地域がマレーシアのどのあたりにあるのかを示す地図がみあたりません。

マレーシア国民にとっては言わずもがなのことなのでしょうが、外国人には困ります。

三つか四つ見れば、「まあ、こんなものかな・・・これ以上みても・・・」という感も。
なにせ暑いですから。

木々を組んで作った建物は、エコかつシンプルで、別荘にでもしたら快適そうにも思えます。
ただ、実際は床の木々の間からムカデが入ってきたり、壁と屋根根の隙間からヘビが入ってきたり・・・・自然の中で暮らすというのはそういうことでもあります。

内心ちょっと期待していた伝統舞踊ショーの方は・・・・。
ステージは百人以上は入るような大きさなのですが、観客は私を入れて2名(途中から2名増えて4名になりましたが)。

それでも予定通りに開始。(中止しないところは良心的です)
踊り手は男女各2名の4人のようです。

観客より出演者が多いというのは、観客にとっては居心地があまりよくありません。(出演者はもっと気分が悪いでしょうが)

衣装は一応民族衣装的なものですが、曲や踊りはだいぶ今風の感も。
20分あまりで5,6曲ほどを踊って終了。

観客は少なくても、最後の「観客もステージに上がって一緒に」というのとか、終了後の「踊り子さんとの記念撮影をどうそ」というのはちゃんとありました。

12年前に、クアラルンプールのレストラン「スリ・ムラユ」で観た伝統舞踊ショーみたいなものも少し期待したのですが・・・・

むこうはそれなりの金額ですし、こちらはタダです。比べる方が間違っていますし、出演者にも失礼でしょう。
(ただし、入園料が700円以上します。)

園内にダンサー9人が写ったポスターとか、ボルネオ先住民の衣装の男性の吹き矢ショーの看板などもありましたから、かつてはこのショーももう少し華やかだったのかも。

ミニマレーシアも十分マニアックですが、ミニASEANのエリアに至ってはマニアックと言うよりは、禁断のエリアに踏み込んでしまったような怪しさです。

本当に営業しているのか、もう廃屋状態になっているのか・・・・そこらも疑わしい感じです。
冒頭写真のシンガポールなどは完全に廃屋です。
シンガポールのリー首相が見たら国際問題になりそうです。

周囲の木々ではサルが飛び回っており、中に何がいるかもわからない建物の中に入る気にもなりません。
ブルネイの水上家屋もありましたが、床が抜けたら大変です。

「よくもこんなマイナーというか、マニアックなところに私も来るもんだ」と自虐的な喜びにもひたりながら、園内鑑賞を手短に終了。

いつ来るかわからないバスを待って
ここでずっと気になっていた問題が。
帰りのバスがうまくつかまるのかどうか・・・・。

マレーシアは日本同様の車社会ですから、皆自分たちの車でやってきます。
バスで来る客などほとんどいません。

係員にバス停を確認。
バスの時間など聞いてもわらないでしょうから、とにかくそのバス停でいつ来るかわからないバスを気長に待つことに。

無人島に漂着した人間が、付近を通る船を待つような心境です。

「やっぱり係員にバスの時間をダメもとで訊いておくべきだったかな・・・ でも今この場所を離れて丁度そのときバスが通過しても困るし・・・」

そんなことを考えていると、反対方向に走り去るバスが。

ここで、行きに終点まで行った経験が役立ちます。
あのバスが終点について、折り返してここへやってくるのは、およそ1時間後でしょう。

もし、この路線が2台のバスで運行されており、あのバスがマラッカを出たのと同じころに、もう1台が終点を出ていれば、あと数分でそのバスがここに着くはず・・・。

「そうはうまくいかないだろう・・・」と思っていると、実際にバスがやってきました。大当たりです。
たまにはこんなこともあります。

エアコンが効いたバスの中で、「失敗や回り道に思えることも、後々の判断に役立つものだよ」と教訓じみたことを考え、ひとり不気味な笑みを浮かべる私でした。
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