孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

ミャンマーに行ってきます。

2016-11-19 21:19:33 | 身辺雑記・その他

(パアンの聖地チャウ・カラットの幻想的な風景【http://www.pitt.jp/tour/cplan.php?tour_code=MYC-08】)

今日からミャンマー旅行です。
今日は、朝一番に鹿児島から関空へ移動、北京経由のAir Chinaでヤンゴンに入ります。到着は深夜の予定です。

ミャンマーは周遊コース、古都マンダレー、首都ヤンゴンに続いて4回目になります。
ガイドブック的な代表観光地はほぼ回ったので、今回は“最近人気が出ている”とも言われている、東部のモウラミャイン(モン州の州都)とパアン(カイン州の州都)。

当初はロヒンギャで問題となっている西部のラカイン州も考えたのですが(もちろん観光で)、交通の便がよくないこともあって、東部にしました。

最近のラカイン州の不穏な情勢を見ると、変更してよかったかも。

パアン、モウラミャインは冒頭写真のような風景に惹かれてではありますが、写真のような幻想的な光景には実際はなかなかお目にかかれないことは承知しています。

まったりとすごしたい・・・といつも思うのですが、貧乏性のため、あちこち駆け回ります。今回も・・・

(鹿児島空港にて)





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台湾  突出して親日的な台湾でも、日本の原発事故被災地からの食品輸入再開は政治問題化

2016-11-19 20:56:07 | 東アジア

(映画「湾生回家」ポスター 引き揚げの風景でしょうか)

台湾で生まれ育った「湾生」 外省人も戦争が生んだ異邦人
「湾生」(わんせい)という言葉、今まで知りませんでした。
日本統治下の台湾で生まれ育った日本人のこととかで、そういうことであれば、私の母も「湾生」です。

祖父が教員として台湾に赴任していたため、台湾で生まれ、二十歳頃まで台湾で過ごし、日本へ引き揚げてきました。

そうした「湾生」の台湾への思いを描いたドキュメンタリー映画「湾生回家(わんせいかいか)」が公開されています。昨年の台湾での公開では、若者を中心に異例の大ヒットとなったそうです。

****台湾生まれの日本人「湾生」を知っていますか****
<ドキュメンタリー映画『湾生回家』の黄銘正監督に聞く、戦後日本に引き揚げた台湾出身の日本人「湾生」に共感する台湾の人々の心情>

1895〜1945年の50年間、日本が台湾を統治していたことはよく知られている。では、その間に台湾で生まれ育った「湾生(わんせい)」と呼ばれる日本人についてはどうだろうか。

当時、公務員や駐在員、軍人のほか、開墾のために移民として多くの日本人が台湾に渡った。日本の敗戦後、日本本土へ帰還したのは約50万人。うち20万人が、台湾で生まれ育った湾生だとされる。

湾生にとっての故郷は台湾であり、わずかな荷物だけを持って未知の国・日本へと連れ戻されたときの混乱と苦労は計り知れないものがあっただろう。そんな彼らの台湾への思いを丁寧にすくい上げたのがドキュメンタリー映画「湾生回家(わんせいかいか)」だ(日本公開中)。

40人近い取材対象者の中から6人の湾生の声を中心に構成しているが、単なる老人たちの郷愁の物語ではない。彼らの人生はもちろん、日台の歴史と関係について改めて知ることも多い。

昨年公開された台湾では、若者を中心に異例の大ヒットとなったという。

監督は台湾人の黄銘正(ホアン・ミンチェン)。プロデューサーと同郷だったことから監督として声を掛けられ、「そのときに初めて湾生という言葉を知った」という黄に話を聞いた。

*******
――「湾生」という言葉を知らなかったそうだが、なぜ題材として追ってみようと思った?

以前から日本は親しみやすい国だと思っていたし、日本人に対してもそういう感情があった。台湾の中には今も日本文化の跡がたくさん残っていて、生活の中にも生きている。建築もそうだし、食べ物もそうだ。例えば台湾のオーレン(黒輪)は、日本のおでんからきている。台南地方では日本料理がとても好まれる。

私の祖父母は日本語を話す世代で、2人が内緒話をするときは日本語でしゃべっていたのを覚えている。一方で、私たちの世代は歴史をちゃんと教えてもらっていなくて、台湾にはなぜこんなに日本文化が残っていて日本語を話す人がたくさんいるのか、よく理解できていなかった。

この映画を撮ることは、自分自身の「なぜ」という謎を解くという意味もあった。

――台湾で若い観客が多かったのは、あなたのそうした思いと通じるものがあったからだろうか。

確かにそれはあったと思う。今の台湾の若者と日本の接点といえばマンガやアニメがほとんど。ゲームで日本語を覚えたりしているが、かつて日本が台湾にどんな影響を与えたかは本当には理解していない。だから僕と同じような好奇心があったと思う。

――台湾では日本に対する国民感情がいいと言われる。占領したことには変わりないが......。

50年間の日本による統治があり、台湾の人たちはその後も日本に対して懐かしい思い、親日的な思いを抱いていた。政治的、歴史的に言えば台湾人は被害者で、日本人は加害者なので不思議なことでもあるが。その背景には日本が引き揚げた後にやってきた中国の国民党が非常に高圧的な政治をしいたことがある。それと比較して日本の方が良かったということだろう。(中略)

――映画の中では「異邦人」というキーワードが出てくる。アイデンティティーについては台湾の人々も問題意識があるのだろうか?

台湾の歴史の背景というのは非常に複雑で、オランダ、スペイン、日本の植民地になり、さまざまな文化が混ざり合っている。(中略)
 
一方で、自分がいったい何者なのか分からない、「異邦人」のような状態も生まれ得る。日本の植民地時代は「日本人」とされていて、49年に国民党が台湾に来ると「中国人」になったように。

台湾にはもう1つの異邦人もいる。それは中国大陸から蒋介石とともに台湾に渡ってきた外省の人々で、彼らは大陸に二度と帰れなくなってしまった。彼らもまた湾生と同じように、戦争が生んだ異邦人だろう。【11月15日 Newsweek】
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“湾生にとっての故郷は台湾であり”・・・・私の母の場合は、台湾生まれ、台湾育ちとは言っても、日本統治下の日本人社会で日本人として生活していた訳で、“台湾”という土地や現地の方々への特別な思いはないようです。あくまでも東京や鹿児島など内地と同列のようです。

母は女学校時代に弓道に専心しており、東京で開催された当時の国体に台湾代表として参加したほどで、台湾当時の記憶というと、そうした弓道の練習に明け暮れた毎日の思い出のようです。思いは人それぞれです。型にはまった思い込みは禁物です。

ただ、所持品も殆ど許されず、すべてを置いての引き揚げは大変だったようです。

突出した日本への親近感
台湾が現在極めて親日的であることに関しては、日本人としても不思議に感じるほどです。

****加速する台湾人の「日本好き」、まるで「日本だけに好感を持っているようだ」=中国****
2011年に発生した東日本大震災の際、台湾は非常に多額の義援金を日本に送ってくれた。4月の熊本地震の時もすぐさま支援の提供を申し出ており、台湾の対日感情の良さをよく示していると言える。

実際、最近台湾で行われた対日感情に関する調査によると、台湾人の「日本好き」は今なお強く、しかも加速しているように見えるという。中国メディアの華夏経邦網はこのほど、その調査結果について分析する記事を掲載した。

これは、日本の対台湾窓口である交流協会が台湾で行った対日感情に関する調査で、台湾の56%の人が、最も好きな国として日本を選び、過去最高の数字を記録したという。

同調査は2008年から始まっており、最も好きな国として日本を選んだ人は1回目の調査から順に38%、52%、41%、43%であり、今回は56%となったという。記事は、今回の数字は高いものの、右肩上がりではないことを指摘した。

しかし、台湾の他国への好感度と比べるとその差は明白だ。2位の中国はわずか6%、3位の米国が5%、4位のシンガポールは2%と、非常に低く、まるで「台湾人は日本だけに好感を持っているようだ」と感想を述べた。

とはいえ、台湾人が皆同じように日本を好きだとは決めつけてはいけないとも指摘している。年代別の調査によると、対日感情には「温度差」があるのだという。

日本では、日本式の教育を受けた高齢者に日本好きの傾向があると認識する人もいるが、むしろ好感度が高いのは、日本文化の影響や日本への旅行で日本が大好きになった若者の世代であり、若者の世代の対日感情が台湾の日本への好感度の高さにつながっていると説明した。

今後、日本と台湾との関係はさらに緊密になることが期待される。台湾が今後親しくするべき国について、日本が最も多く選ばれたという調査もある。

また、日本人の台湾に対する感情も良好だ。日本と台湾の加速する「相思相愛」ぶりが見て取れるが、世界には台湾以上に対日感情の良い国や地域はなく、台湾はやはり日本が大切にするべきパートナーと言えそうだ。【8月17日 Searchina】
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一方で、中国と台湾の「一つの中国」「92年コンセンサス」をめぐる確執は再三取り上げているところで、独自路線を強める民進党・蔡英文政権に対し圧力を強めています。最近では、国際刑事警察機構(ICPO)年次総会からの締め出しなども話題になりました。

中国が台湾に迫るほどに、台湾は中国から離れる、結果、日本への親近感も強まる・・・・というのが、今のところの状況です。

****台湾人、どうしてそんなに日本人が好きなのか それはわれわれが敵意を抱かせているからだ=中国****
台湾で民進党の蔡英文政権が発足して以降、台湾と中国大陸とのいわゆる「両岸関係」はぎくしゃくした状態が続く。この状況に伴って、台湾と日本との交流がより盛んになっており、大陸側は絶えず蔡政権をけん制する言論を発し続けている。

 
中国メディア・台海網は18日、「台湾人はどうして日本が好きなのか」とする記事を掲載した。(中略)かくも多くの台湾人が日本に好意的な姿勢を持っている背景について「皇民史観に帰結するのは不正確。今この状況にあるのは、やはり現実的な要因があるのだ」とした。

そのうえで、「現実的な要因」として、まず日本と台湾の間では利害関係の衝突が少ない点を挙げた。(中略)次に、台湾の「脱中国化」ムードも関係していると説明。民進党にしろ現地メディアにしろ、さらに学術界までもが非中国的な歴史観の構築に努めている状況であると批判した。

さらに、礼儀正しさ、清潔さなどを含めた日本のソフトパワーの強さについても言及。この点は香港や大陸も影響を受けているが、地理的に近い台湾が受ける影響はより大きいと論じた。

記事は、蔡政権が日米の力を借りて大陸とのパワーバランスを保とうとしている一方、日本はもともと自国の利益に基づいて行動しており、決して大陸との関係を捨ててまで台湾の肩を持つようなことはないと指摘。

日台間の心理的な距離は、かなりの部分で中台社会の心理的な距離と連動しているとし、大陸が現在やるべきことは「可能な限り両岸の敵対的なムードを和らげ、台湾人に敵意や圧迫感を抱かせ続けないことだ」と伝えている。(後略)【11月19日 Searchina】
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「可能な限り両岸の敵対的なムードを和らげ、台湾人に敵意や圧迫感を抱かせ続けないことだ」・・・現実には逆行していますが。香港でも同様です。

中台間の「血のつながった骨肉の兄弟」】
もっとも、「自分は中国人」と考える台湾人の割合が増加したとの調査もあるようです。

****自分は中国人」台湾で増加=中国政府「血のつながった骨肉の兄弟****
2016年11月16日、中国政府で対台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の馬暁光(マー・シアオグアン)報道官は定例記者会見で、台湾で行われた民族アイデンティティー調査で「自分は中国人」と考えている人が増えたことについて、「両岸(中国と台湾)同胞は血のつながった骨肉の兄弟だ」と述べた。環球網が伝えた。

台湾のシンクタンク「台湾競争力フォーラム」がこのほど発表した調査結果によると、「自分は中国人」と考える台湾人は今年上半期の46.8%から52%にまで上昇した。また、86%の人が「自分は中華民族」と考えていることも分かった。(後略)【11月17日 Record china】
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“血のつながった骨肉の兄弟”というのは、やはり日台関係にはない重要なファクターです。

日本の原発事故被災地からの食品輸入再開をめぐる混乱 台北市長「私は日本人を信じている」】
上記のように台湾・日本の緊密な関係にあって、例外的に“揉めている”のが、日本の原発事故被災地からの食品輸入再開をめぐる問題。

台湾当局が日本の被災地の食品の輸入再開を進めていることに対して各方面から疑問の声が上がっており、特に、野党・国民党サイドが政権批判につなげるべく、批判を主導しています。

****日本からの食品輸入めぐり台湾が混乱、賛成派市民はどのくらい****
2016年11月15日、台湾で日本の原発事故被災地からの食品輸入再開をめぐる混乱が続く中、国民党は「市民の7割が再開に反対」とする意識調査の結果を発表した。環球時報が16日付で伝えた。

調査は国民党の立法院議員らが調査会社に委託して実施したもので、蔡英文(ツァイ・インウェン)政権が進める被災地5県からの食品輸入再開に対し、74.6%の人が「反対」と答えた。「賛成」は17.7%。

63.7%が「安全に疑問が残るのであれば輸入すべきではない」との考えを示し、「国際基準に合致しているのであれば輸入してもよい」という人は29.5%だった。

また、38.6%が「民進党が政権を握って以来、食品の安全検査基準が緩くなった」と回答しており、国民党は民進党に対して民意に背かないようにとの訴えを行っている。

台湾行政院は12日から14日にかけて輸入再開に関する公聴会を10カ所で開くことを決めたが、各地で混乱が見られた。13日に台中市の病院で開かれた公聴会は反対派がスピーチ台を占拠するなどして中断される事態に追い込まれている。【11月16日 Record china】
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こうした動きに対し、台北市の柯文哲市長は、「私は日本人を信じている」と述べたそうです。

****私は日本人を信じている」=被災地食品の輸入解禁で台北市長が発言****
2016年11月14日、台湾・東森新聞によると、台湾当局が日本の被災地の食品の輸入再開を進めていることに対して各方面から疑問の声が上がっていることについて、台北市の柯文哲(カー・ウェンジャー)市長は、「私は日本人を信じている」と述べた。

台湾で12〜14日に開かれた公聴会で、「蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が決定すれば(日本の被災地の食品を)食べるのか」と問われた柯市長は、このように回答した上で、「日本人が他国に輸出できるのであれば(問題ない)。彼らは自らを追い込むようなことはしない」と強調した。

戴錫欽(ダイ・シーチン)市議が、「日本の被災地からの輸入品を一つ一つ、あるいは細かく検査できず、ただ誠意に頼って解禁するのであれば、そのリスクは誰が負うのか?」とただすと、柯市長は「台湾には問題のある食品も多い」と回答。戴市議は「そんなロジックが通用するのか」と批判した。

柯市長は、自身は医学の専門家(外科医)であり、当局がどのような検査を行うのかを見た上で判断するとし、もし当局の基準が食品の安全を確保できないものであった場合には、市民の健康を第一に考えて対応するとしている。【11月15日 Record china】
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なんともありがたい信頼です。
ただ、国民党の抗議行動は続いています。

****台湾最大野党、日本からの「核汚染食品の輸入解禁に猛反対****
台湾・台北(Taipei)の議会で18日、最大野党の国民党(KMT)の議員らが日本からの「核汚染食品の輸入解禁に猛反対」と書かれたプラカードを掲げる行動を取った。
国民党は政府に対しこの件についての公聴会を再開し、林全行政院長(首相)が議会に報告するよう要求した。【11月19日 AFP】
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原発事故に敏感な国民感情
原発再稼働を進める日本に対し、台湾では福島第一原発事故を重く受け止め、「原発ゼロ」を進めています。
そうした原発事故・放射線障害に関する敏感な国民感情も背景にあってのことのようです。

****台湾が原発全廃へ 福島第一事故受け、25年までに停止****
台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権が2025年に「原発ゼロ」にすることを決め、行政院(内閣)は、再生エネルギー事業への民間参画を促す電気事業法の改正案を閣議決定した。

太陽光と風力発電を中心に再生エネの割合を20%まで高めることを目指す。東日本大震災後の反原発の民意を受けたもので、改正案は近く立法院(国会)で審議に入り、年内の可決を目指す。
 
世界的にはドイツが2022年までの原発全廃を決めるなど、欧州を中心に脱原発の動きがある。一方、増える電力需要に応えるため中国やインドが原発を増設させており、アジアでは台湾の取り組みは珍しい。(中略)
 
台湾では原発が発電容量の14・1%(15年)を占め、現在は第一~第三原発で計3基が稼働中。だが、東京電力福島第一原発の事故で台湾でも反原発の世論が高まり、原発ゼロを公約に5月に総統に就任した蔡氏が政策のかじを切った。稼働中の全原発は25年までに40年の稼働期間満了となる。同法改正案では25年までに全原発を停止すると明記し、期間延長の道を閉ざす。(中略)

政権は原発に代わる電力源として再生エネルギーに力を入れる。太陽光と風力発電を再生エネの柱とし、発電容量の割合を現在の4%から25年には20%に拡大することを目指す。(中略)

再生エネは天候などに左右されるため、同時に節電や蓄電にも取り組む。ただ、太陽光発電は10年で24倍にする計画で、政権の思い描く通りに進むのかどうか疑問視する声もある。電力関係者の間からは「実現のハードルは非常に高い」との指摘も出ている。【10月22日 朝日】
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明日から9日ほどミャンマー観光にでかけます。そのため、ブログ更新ができない日もあります。
あしたは移動日で、まず無理でしょう。
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