家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

いづみ園入浴

2014-12-01 07:44:28 | Weblog
お土産までいただいた小春荘をあとにして宇久須から山道に向かう。

どこもかしこも晴れ渡っているのに一部遠くの山に霧が掛かっている。

「あそこを通るのかなぁ」と思いつつ前の車に付いていく。

舗装路だが落ち葉が散乱している。

道幅が、とても狭いが対向車が、ほとんど来ないことが救いだった。

頂上付近では眼下の宇久須の町と駿河湾そして、はるか遠く対岸である静岡市まで、はっきり見えた。

今までより、これからが道幅が狭いのだと聞いてがっくりきた。

だが紅葉真っ只中を走る気分は最高だ。

色のついた葉を踏みしめて走るより、やはり紅葉は木にくっ付いているうちに見るのがいい。

ふもとで見た霧の中を、やはり走ることになった。

前の車のテールランプがありがたい。

霧は濃くなったり薄くなったり、また流れて消えたりする。

対向車が来て急ブレーキを2度ほど。

ブレーキ性能の良さを確かめると、まもなくいづみ園という風呂に着いた。

10時から会館らしいが、その前に我々を受け入れてくれた。

露天風呂は我々だけで貸し切ったようなものだ。

青空に映える紅葉。

木々は去った夏を思うより、この先の冬の準備をする。

岩に腰掛けて時折肩から湯をかける程度が気持ち良い。

寝湯に入ってみると、とても心地よい。

「棺桶のような木の枠にブルーシートを張って露天風呂作るかぁ?」と浮かんだ。

岩に頭の重さを沈め足先は石の上に置く。

腰が浮力で軽くなり、暖かさを伴って自然と体中が弛緩する。

耳元に落ちる湯の音が何も考えられなくする。

考えないことのリラックス感といったら抜群だ。

伊豆の民と話すと山のこともよく知っているし、さらに海のこともよく知っている。

私は最近になって山に行くようになり山の知識は増えたが海についてはサッパリだ。

生まれながらにして海もあり山もある伊豆の生活が、いかに豊かなものであるのか知った。

その上温泉も、至る所から湧き出しているから私が考えている以上に温泉に浸かっているのだろう。

勉強して覚えた知識じゃなく子供の頃から経験しながら身に付いたものほど説得力がある。

昨日の露天風呂とは違う今日の露天風呂。

海鮮満載の民宿。

かくして伊豆をもう少し深く知った私は、まだまだ知りたい気分になって帰宅した。

身近になった伊豆は宝の宝庫だ。