家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

水屋たんす

2018-09-10 17:39:54 | Weblog
水屋箪笥(みずやだんす)が我が家にある。

今住んでいる家を建築するにあたり、まずはこの水屋を購入した。

骨董屋さんの倉庫に置いておいてもらうことを条件に購入し建築に進んだ。

そして「この水屋に合う部屋は」というふうにデザインを進めていった。

もう30年以上前のことだ。

その後同じ水屋に出会ったことがある。

長野県小布施にある老舗の和菓子店舗だ。

入店すると真正面にドンと置かれていた。

本来なら、こういうところに置かれるべきタンスなのだなと感じた。

それも30年近く前の話だ。

ところがつい最近再び出会った。

妻の希望で北区にあるギャラリーに行った時だ。

店には服や小物、妻の好きなヤマブドウで編んだカゴなどが置かれている。

店自体が骨董の良い品で造られている。

聞けば店主が自作したところが多いらしい。

「見よう見まねでね」と謙遜する。

入口に蔵戸を使っていて、とても感じがいい。

私も自宅に蔵戸を使いたかったが骨董品というのは手に入るかどうかが分からない。

既に入手していないと設計の目処が立たない。

あきらめて現在の戸にした。

中に入ってまず目に付いたのは我が家と同じ水屋だった。

大きさはもちろん同じ素材で作りも全く同じだ。

ただ私は大枚はたいて購入したのだが店主はタダ同然で買ったという。

骨董品らしいな、と感じる。

だから「ああー。値段は言わないようにしてください」とお願いした。

いま満足しているのだが、やはりできたら安価に購入したいのは人の常。

「今この水屋は値が上がってね、○○万円くらいなんだって」というが私は、その倍くらいの値段で購入している。

店には展示の都合上2段重ねの上の部分だけ置いてあった。

私は、この大きさに惚れ込んだのだが、こちらは大きすぎて邪魔だから安かったという。

ずいぶん程度が良く開け閉めもスムーズだ。

店主は軽トラやユンボからフォークリフトも持っている。

それらを使って家のみならず庭も自作している。

何でも中途半端な自分に「それでいいさ」と言い聞かせる。