竹箕を使うことはよくある。
草取りだったり枯れ葉拾いだったり。
だが穴が空いてしまった。
持ち上げてよく見てみると修理できそうな感じだ。
材料は、いくらでもある竹だ。
道具もそろっている。
ただその竹箕自体が古い。
性が抜けてしまって脆いから修理といっても思ったようにはいかないと想像できる。
まずは作業台に竹を挟みナイフで竹の厚さを薄くする作業をする。
竹というのは素直な性格でナイフが「スッ」と刺さり、そのままずらすと「シャー」と切れていく。
ある程度春野で竹を薄く切って自宅に持って行った。
自宅ですべて作業するとゴミだらけになるし春野では細かい作業をする時間が惜しい。
自宅で竹の切りクズだらけになってもいい場所を考えると玄関が適していると思いついた。
床は御影石でできていて作業台がすんなり設置できるし掃除しやすい。
ナイフで大まかに削り、細かいところはナイフを立てて削りたい表面を滑らせれば粉状になって形が整う。
さて一枚目の差し込み部分が出来上がった。
竹箕を作業台に乗せて折れた竹の上に配置してみる。
竹ひごでできている横向き部分を微妙な力加減で持ち上げながら、その下を潜らせて通す。
通し終えたら次は、その半分ほど戻して折れた部分を通り越して補強する。
その際には新しく通す部分の竹ひごを持ち上げるのだが、同時にやっと通し終えたた部分の竹を上手に押して戻してくる必要があった。
竹ひごは骨の部分よりも、もっと性が無くなっているためボキボキ折れる。
骨部分を4本通し終わると次はひごの部分になる。
今まで骨として使っていた竹を切り裂いて細くする。
ひごを骨のここは上を通し、こちらは下を通す、と作業する。
出来上がってみると修理したとは言えない代物になっていた。
新しい竹の色が浮き出てしまうので着色してごまかすことにした。
道具を仕舞いに行っているとき偶然妻が見てしまった。
「うまくできたね」と嘘に近い誉め言葉を掛けてくれた。
汚れてくれば、もう少ししっくりくると思う。