家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

音源と反射

2022-11-16 09:00:15 | Weblog

午後3時ころ夫婦で帰宅した。

居間に入ると何かのアラームらしき音が鳴っている。

「ピピッ」「ピピッ」と。

そして時折「電池切れです」という。

音は私の使用している掘りごたつの方向からだ。

掘りごたつの上には山ほど物が積まれている。

1時間経っても音を出している物を特定できない。

電池切れを訴える何かの叫びであると聞こえるがこちらも叫びたくなるほど疲れてきた。

こうなったら、ここにある電気製品を全て隣の部屋に移動しよう。

あれもこれも運ぶ。

だがどんなに運んでもアラームは鳴り続ける。

猫の手も借りたいじゃなくてネコの耳を借りたかった。

アラームの鳴る時間をストップウォッチで測ってみた。

39秒ちょうどで鳴ることが分かった。

妻と私と別の所に立ちアラームが鳴った瞬間、どちらから鳴っているのか指で示そう、ということになった。

「あと5秒以内に鳴るからね。いくよ」と掛け声を掛けて声を潜めた。

「ピピッ」「ピピッ」

妻はコタツの上を指さし私は妻の長持を差した。

妻は「もう何年も開けていないから関係ないよ」と言うが私は確かにそちらから聞こえるので「とにかく開けてみて」と譲らない。

妻は長持を開け始めた。

出るは出るは、布が次々と出てくる。

「わぁーお宝だ。ここに在ったか」と嬉しそうだ。

妻の長持の疑いは晴れた。

ウーンと唸ってふと上を見たら火災報知器が目に入った。

「これか」

39秒待つと赤い警告ランプが点滅して音源の特定を助けてくれた。

脚立を持ってきて火災報知器をはずした。

だが電池を外すまで「電池が切れそうだから助けて」と訴え続ける。

電池のカプラーが固くて外せないのでコードを切って止め安堵した。

「ワインでも飲みながら片付けしよう」と妻からワイングラスが渡された。

もう6時を回っていた。

残り2個も、もうすぐ鳴り始めるだろう。

この際3個とも電池交換することにした。