家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

栗拾い

2023-09-28 16:19:45 | Weblog

春野に到着して雨戸だけ開けてすぐに屋外に出た。

今日は涼しくて絶好の散歩日和なのだ。

いつものコースだが日差しが柔らかく風が心地よい。

来る途中車のクーラーを効かせてきたが窓を開けてみたら「こっちのほうが涼しいじゃん」ということになった。

排気ガスや熱風が入らないように市街地ではクーラーを効かせて来る。

我が家は坂の途中にあり東坂がきつくて北坂が楽ゆるい。

当然下りは急でも良いが登りがゆるいほう東坂から出発にした。

少し下りていくと栗が落ちている。

イガは、ほとんどが開けられていてサルの仕業か人間かは分からない。 

この辺りの家は、ほぼどの家も栗の木が在るから興味はない人が多い。

遠くに一匹のサルがいた。

「はぐれ」と言われる群れから出て暮らしているオスだろう。

「こいつなのかもな」という話をしながら坂を下りきる。

前島橋を渡りながら下を見ると気田川は澄んでとうとうと流れている。

魚は見えないが遠くに釣り師が糸を垂れている。

川の反対側に出て歩くと国道なので結構なスピードで通り過ぎる車が多い。

自宅付近と違うのは、この辺りを歩いていると「自分の知り合いかも」とばかりに我々を凝視していく運転手の多いこと。

さてこの流れの対岸には我が家があるという地点まで来て流れの向う側を見てみるが木々が育ち以前見えていた所が全く見えない。

アケビやツルウメモドキやアカメガシワなどが実をつけている。

いずれも緑に溶け込んだ色の実なので探さないと分からない。

「もう少ししたら、ここに実があるよ」と言わんばかりになるから、その頃も再びここを歩きたい。

持って出たアクエリアスを少し飲んだ。

いつものペースだと、もうずいぶん飲んでいるのだが今日は涼しくて飲まなくてもいいようだ。

集落に向かう道に出て戻る。

製材業の知人が何かやっていた。

声を掛けたが製材の機械音で消されてしまって気が付かない。

少し回り込んでみると彼も気づき「ああおはようございます」と言う。

「毎年一回はこうやって一周するのですよ」と言った。

「栗、持ってきな」と言う。

そういえば目の前にザルで乾燥させている栗が置いてある。

「もうそんなに結構です」と言うが、それでも袋に詰め込んでくれた。

拾った栗よりずいぶん太った栗をたくさんいただいた。

約1時間の散歩だったが、こんなに気持ちの良い散歩は久しぶりだ。