家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

カマドの火の流れ

2021-05-02 17:18:06 | Weblog
この時期はタケノコを茹でる機会が多かった。
春野に行く途中でJAに寄り朝採りのタケノコを購入していく。
イソライト二連式カマドの両方の炉を掃除する。
炉は左側が大で右側が中だ。
釜輪というリングを設置していけば次第に小さな羽釜まで利用できる。
3個ある内の一番大きな羽釜をセットするには大の炉の内側にあるカマドを狭くする装置を取り外さなくてはいけない。
装置といっても同じくイソライトで作られた取り外し可能の物だ。
羽釜には、その大きさに合わせて、なるべく狭い炉で最大の火力を与えるための装置だ。
炉が広すぎると、やはり火力の無駄が多いのだろう。
羽釜をセットする前に、むき出しの炉に枯れた杉の葉を投入し点火する。
すると炎は煙突にかなりの量吸い込まれていく。
立ち上がる炎はいつも通りモヤモヤと真上に上がるのだが煙突に入っていく炎は、かなりの勢いを持つ。
カマドの二つの炉は穴でつながっていて片方の火力を両方に生かせる作りになっている。
今回は隣の炉にも羽釜をセットするので炎を煙突吸いに取られてしまうと効率が悪い。
で、煙突の前に開いている穴(ダンパーというらしい)に仕切り板を入れることにした。
といっても、その日はもう間に合わないので薪の使用量が増えた。
後日最後のタケノコを茹でる機会があり片方のみの羽釜で火を使うことになった。
その時煙突仕切り板を使用してみた。
仕切り板は100均のステンレストレイを切って作った。
タケノコの入っていない羽釜には水のみを入れておいた。
いつものように点火するが煙突に炎が吸い込まれることはない。
真上に上がる炎は確実に羽釜に当たり効率よく熱していく。
そして両方の炉を繋げる穴からの火力も水のみ入れてある羽釜のフタを空けてみて分かった。
かなりの火力を、こちらの炉にも伝えることができていた。
昔の人は偉かったなぁと実感した。
燃している炉のみの火力調整だけでなく隣の炉の火力も承知していたのだ。
さらに薪の位置を適度にずらして、どの位置に炎を持ってくるのがベストなのかも知っていた。
最小の薪で最大の火力を引き出し二つの羽釜を利用したのだろう。
更に空気の調整も上手に利用したに違いない。
果ては灰の利用もしたし。
一石何鳥の仕事をこなしたのだろう。

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