テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ そこに《音》は生まれる ~

2021-05-02 22:18:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ♪るるゥ~♫なつもォ~ちかづくゥ~♪」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!八十八夜です!)

 こんにちは、ネーさです。
 2021年の八十八夜は、5月1日でした。
 美味しい新茶がお店に並ぶのも
 もうすぐね~♪と期待しながら、
 GW真っ只中の読書タイムですよ。
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
      ―― 国道16号線 ――



 著者は柳瀬博一(やなせ・ひろいち)さん、
 2020年11月に発行されました。
 『《日本》を創った道』と副題が付されています。

「えッ? じゅうろくごうゥせんッ?」
「ぐるがるるぐる!」(←訳:それ目の前だよ!)

 国道16号線――ROUTE 16。

 ええ、そうなんです。
 東京都の八王子市に住む私たちにとって、
 ”最も親しみがある国道“は、
 16号線と、20号線。

 特に16号線は、
 我が家の目と鼻の先にありますので、
 親しみを越えて、日常の風景です。

 その16号線が……日本を創った、ですって?

「むむゥ! しんじられェませんッ!」
「ぐるるがるぅ?」(←訳:ホントかなぁ?)

 関東以外にお住まいの方々には、
 国道16号線と聞いても
 ピンと来ないでしょうけれど、
 いわゆる都心部――東京23区の外側の、
 郊外エリアをぐる~っとつなぐ道路、
 といったらイメージしやすいかしら。

 千葉県の富津市から、
 市原市や千葉市を通って北上、
 埼玉県の春日部市から西へ向かって
 川越市や入間市を通り、
 羽村市、福生市、八王子……と都内を南下し、
 神奈川県の相模原市と横浜市を経て、
 ゴール地点は横須賀市の横須賀駅。

 それが、国道16号線です。

「こうつうりょうゥ、おおいィのでス!」
「がるるぐる!」(←訳:物流のキモ!)

 20世紀には軍用道路として、
 現代では流通の要路として、
 頻繁に利用されている16号線は、
 著者・柳瀬さんいわく。

 《日本最強の郊外道路》。

 現代だけではありません。
 江戸末期から維新の時代には、
 産業の発展と国力の増強に
 大いに役立った街道が
 武州(武蔵野)の町村を
 結んでいたのでした。

 そして、
 ヒトの行き来があれば、
 そこには”文化“も生まれてゆきます。

「それはァ、きッとォ~…!」
「ぐる!」(←訳:音楽!)

 矢沢永吉さんと、
 ユーミンさんを育てた《道》。

 戦後日本の音楽のゆりかごは
 他ならぬ国道16号線であったと、
 著者・柳瀬さんは説きます。

 えええっ?
 と驚かされる珍説……に見えて、
 しかし、読み進んでゆくとこれがまた、
 うんうんそうかぁ、と
 頷いてしまうんですね。

「あれやこれやァ、ぜェ~んぶゥ?」
「がるるるぐるるがる?」(←訳:16号線エリアから?)

 文化の誕生過程を追いつつ、
 “江戸はむかし僻村だった”という通説を
 ひっくり返してゆくくだりは痛快です。

 そして、

    16号線は絵になる。詩になる。

 という語りから始まる
 本文129ページの文章は
 とりわけ印象的でした。
 
「みらいのォ、ぶんかもォ!」
「ぐるるがるるるぐる!」(←訳:たぶん16号線から!)

 歌が、文化が流れゆく《道》。

 関西や東北、九州の方々からは、
 ちょっと待った!
 と盛大にツッコミが入りそうではありますが、 
 ともかくも先ずは一読してみてくださいね。
 ぷふっとふき出したり、
 あるある~と納得したりの
 楽しい《16号線》文明論、
 連休の読書リストにおすすめです~♪


コメント
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