テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 白壁を登れ ~

2021-05-20 23:51:08 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こうふんッ、いまだァさめやらずゥ~!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!見出しを独占!)

 こんにちは、ネーさです。
 SNSのトレンド、新聞、TV……と、
 今日も新垣結衣さん&星野源さんの祝ニュースは
 えらいこっちゃ状態でしたね♪
 ならば本日の読書タイムも
 ド迫力の大作をご紹介いたしますよ。
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
      ―― エヴェレスト ――



 著者は夢枕獏(ゆめまくら・ばく)さん、
 単行本は1997年に、
 画像の文庫合本版は2015年10月に発行されました。
 『EVERREST』と英語題名が、
 『神々の山嶺(かみがみのいただき)』と
 日本語副題が付されています。

「どッしりィ~!」
「ぐるる!」(←訳:分厚い!)

 重厚で長大な物語の主役は、
 人間でしょうか、
 それとも、
 山でしょうか。

 英語ではエヴェレスト、
 チベット語ではチョモランマ、
 ネパール語ではサガルマータ。

 標高8848メートル(2020年計測時)、
 世界最高峰の山として
 山岳家さんたちの憧憬を集める
 唯一無二の嶺(みね)は、
 本来でしたら、ちょうど今頃――
 5月中旬~下旬が
 登山のトップシーズンだそうですが……。

「ことしはァ、さみしィ~…?」
「がるるぐるがるぐる?」(←訳:歴史に残る閑散ぶり?)

 歴史に残るといえば、
 およそ100年前にも
 エヴェレストの、いえ、
 登山史上に残る大事件が
 起こっています。

 1924年6月のこと。
 
 世界初のエヴェレスト登頂を目指していたのは、
 英国の登山家、
 ジョージ・ハーバート・リー・マロリーさん。

   なぜあなたはエヴェレストに登りたかったの?
   そこにエヴェレストがあるから。

 という問いと答えで有名なマロリーさんは、
 登頂付近で行方不明となったのでした。

「いまもォ、なぞォなのでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:謎多き遭難!)

 マロリーさんと
 同行者のアーヴィンさんは
 エヴェレスト登頂に成功したのか。
 遭難したのは、
 登頂の前か、後なのか。

 現在も論争つきぬ遭難の謎を解く、
 その鍵となるのは……

 マロリーさん愛用のカメラ?

「ちいさいィけれどォ!」
「がるるぐっるる!」(←訳:情報はいっぱい!)

 1993年、ネパールのカトマンドゥ。

 写真家の深町誠(ふかまち・まこと)さんは
 裏路地の登山道具店で
 古いカメラを見つけました。

 レンズにヒビが入った
 コダック社製のカメラを検分し、
 深町さんの手は震えます。

 これは……もしかしたら……?

「もしやッ!」
「ぐるる!」(←訳:まさか!)

 登山の歴史を変えるかもしれないカメラ。
 しかし、あっさりと、というべきか、
 やはり、というべきか、
 計り知れぬ価値を有するカメラは、
 奪われて、行方不明となってしまいました。。

 深町さんはカメラの謎に憑かれ、
 そしてまた、
 山の魔力、
 エヴェレストの魔力からも逃れられず、
 首までどっぷり浸かることに。

「だッてェ、とくべつゥでスからッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:天の山なんだ!)

 マロリーさんを、
 深町さんの心を、
 つかんで離さない天の山。
 
 登りついたはてに、
 何があるのか、
 何を見るのか。

 山岳小説の金字塔とされる
 夢枕獏さんの代表作は、
 山岳小説好きな方はもちろん、
 ミステリ&サスペンス好きな方々、
 歴史好きな活字マニアさんにも
 おすすめですよ。
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪
 

 
コメント
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