テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 哲学もエンタする ~

2021-05-03 22:55:46 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ほわわッ? もうゥ~しんせんぐみィ??」
「がるる!ぐるる~!」(←訳:虎です!早過ぎ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 大河ドラマ《青天を衝け》、
 次回は新選組の土方歳三さんが登場?
 もうすぐ江戸幕府は終っちゃうのかしら?
 展開の速さにオロオロしつつも、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



 ―― むかしむかしあるところに、哲学者がやってきた。 ――



 著者は小川仁志(おがわ・ひとし)さん、
 イラストは おほしんたろう さん、
 昔話脚色は谷口崇(たにぐち・たかし)さん、
 2021年1月に発行されました。
 『7つの昔話で学ぶ日本一おもしろい哲学入門』
 と副題が付されています。

「てッ、てててッ?」
「ぐるぅ~…!」(←訳:哲学ぅ~…!)

 どうしよう、
 のんびりのほほんとしたいGWなのに、
 とんでもないモノに手を出しちゃったわ……
 あら、でも、これって……

 マンガ?

「ふァ?」
「がるっ?」

 全編全ページがマンガなのではなく、
 解説文が併載されていて、
 イラストもあって、
 とにかく分かりやすい~!
 おかげで、
 
  幕末の複雑さにもついてゆけないってのに、
  哲学なんていう奇々怪々な学問に
  ついてゆけるのかなぁ……

 と凹みかけていた読書欲が
 シャキーンと回復いたしましたよ。

「じゃァ、さッそくゥ!」
「ぐるるがる!」(←訳:桃太郎から!)

 本文では、
 7つの昔話をテキストに、
 古今の哲学者さんたちが
 持論を展開&応用してゆきます。

 第一章『桃太郎』
 第二章『浦島太郎』
 第三章『弦の恩返し』
 第四章『おむすびころりん』
 第五章『わらしべ長者』
 第六章『かぐや姫』
 第七章『さるかに合戦』

 の各章では、例えば――

「もものォ、しょゆうけんはァ?」
「がるるるるるるぐるる?」(←訳:浦島太郎さんの本心は?)

 どんぶらこ、と川を流れてきた桃は誰のものか。

 かぐや姫を連れ去ろうとする
 月の使者に抵抗する方法とは。

 さるかに合戦のサルに
 戦わずして復讐するには。

 などの命題と解答が示されています。

 それらの中で、
 私ネーさが気になったのは、
 『桃太郎』に見る『君主論』!

 桃太郎さんは、
 犬・猿・雉をお供にして、
 つまり部下を率いて適地へと赴く
 指揮官(=君主)です。

 君主とは、どうあるべきか。

 ニッコロ・マキアヴェッリさんは
 考えました――

  リーダーは愛されるよりも
  恐れられる方がいい。
  ただ同時に、
  憎まれてはいけない。

  獅子のごとく強くあれ。
  狐の狡猾さをも持て。

  それこそが、君主。

「らいおんとォ、きつねッ!」
「ぐるがる~…」(←訳:至難だね~…)

 マンガという形式を択ることによって、
 抽象的にならず、
 難解にもならず、
 くすくす笑いながら
 サルトルさんの実存主義を知り、
 ボーヴォワールさんの功績を学ぶ。

 エンタ路線の哲学入門書は、
 老若男女問わず
 全活字マニアさんにおすすめですよ。
 ぜひ、軽~い気持ちで、
 哲学の世界を覗き見してみてくださいね~♪
 
 

 
コメント
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