テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 最高の音を、響きを ~

2021-05-04 23:43:00 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 しんりょくゥ~めきめきィ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!まさに緑の日!)

 こんにちは、ネーさです。
 今日5月4日は『みどりの日』、
 明日5日は立夏、とあってか、
 スーパーマーケットの売り場に冷し中華が!
 夏が来ちゃうのねえ~と
 夕暮れの空を見上げつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
       ―― 響きをみがく ――



 著者は石合力(いしあい・つとむ)さん、
 2021年3月に発行されました。
 『音響設計家 豊田泰久の仕事』と
 副題が付されています。

 トヨタ――といえば、
 思い浮かべるのは自動車会社のTOYOTAでしょうか。

 けれども、
 音楽に携わるお仕事をしている方々が
 思い浮かべるのは自動車ではなく、
 この御方――

 豊田泰久(とよた・やすひさ)さん。

 なぜなら、
 豊田さんこそ
 ”最高の音の創り手”なのですから。

「おとをォ~でざいんッ!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:バランスを構成!)

 豊田さんは
 世界中で活躍する
 音響設計家(アコースティックデザイナー)です。

 コンサートホールを設計建築するのではなく、
 ホールの音響を設計(デザイン)し、
 より良い音、
 より良い響きを、
 空間に、演奏者に、聴衆にもたらす。

 その偉業の第一歩は、
 サントリーホールから始まりました。

「にほんでェさいしょォ、だッたのでス!」
「がるるっるぐるがーる!」(←訳:クラシック専門ホール!)

 クラシック音楽を専門とする
 サントリーホールのプロジェクトは
 1981年に始動し、
 豊田さんはホール音響の主担当として
 この大事業に参加することになりました。

 当時サントリーの社長であった
 佐治敬三さんの注文は、
 《ワールドクラスのコンサートホールを》
 というただ一言。

 《帝王》カラヤンさんのアドヴァイスにより、
 客席がステージを360度囲む
 『ヴィンヤード型』(ぶどう畑の意)の、
 その頃の日本では珍しい設計のホールが 
 1986年10月に開館します。

 しかし……?

「こくひょうゥ?」
「ぐる?」(←訳:絶賛?)

 国内のオーケストラからは
 大ブーイング。

 反対に、
 海外のオーケストラや指揮者さんは、
 大絶賛。

「うううゥ? いッたいィ、どッちィ?」
「がるるるるぐる?」(←訳:正しいのはだれ?)

 答えは、
 ホール完成後30年を経た現在、
 国内外のオーケストラに
 サントリーホールが大人気!
 という事実からも明らかですね。

 豊田さんの音響設計は
 間違っていなかったんです。

 けれどオープン当初、
 受け入れられなかった理由は?
 豊田さんはどうやって
 酷評を跳ね返していったのか?
 
 そして、
 建築家さんやマエストロたちが
 大仕事の相棒に
 豊田さんを指名するのは、
 なぜ……?

「よみながらァ、どきどきィ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:心臓バクバク!)

 良い音を探して。
 最高の響きを求めて。

 クラシック音楽マニアさんには
 よく知られる数々のエピソードも、
 門外漢の私たちには、
 うわあ!と驚かされることばかり。
 20世紀から21世紀へ、
 今もなお、
 より高みへ羽ばたこうとしている
 音響設計家さんの半生記を、
 皆さま、ぜひ♪
 
 

コメント
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