テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《再生》の神々 ~

2021-05-17 23:21:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きッ、きこえてくるゥ~…?」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!梅雨の足音~!)

 こんにちは、ネーさです。
 関東地方にも梅雨の気配がひたひたと……
 天気図のどこかに
 快適な5月の空が隠れていないかしらと探しながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 週明けの本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



  ―― イラストで読む ルネサンスの巨匠たち ――


 
 著者は杉全美帆子(すぎまた・みほこ)さん、
 画像の新装版は2021年3月に発行されました。

 《ルネサンス》――

 えへん、お恥ずかしい話です。
 私ネーさ、つい最近知りました。

 《ルネサンス》と耳にすれば、
 脳内につらつらと浮かんでくるのは、
 レオナルド・ダ・ヴィンチさんを筆頭とする
 イタリアの芸術家さんたちですが……
 『ルネサンスRenaissance』というのは
 『再生』『復活』を意味する
 フランス語なのだということを。

「ふらんすゥ??」
「ぐるがぅるる?」(←訳:伊語じゃなく?)

 イタリア語で『再生』は『rinascita』。

 しかし、イタリア語でなくフランス語の
 《ルネサンス》が世に広まり、
 定着したのは、
 フランスの人びとの
 ”イタリアへの強い憧れ“があったため、
 かもしれません。

 古代ローマの昔から、
 流行の最先端を引っ張っていたのは、
 常にイタリア――
 ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアなど
 イタリア各地の都市国家でしたから。

「かいがにィ、ちょうこくゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:宝飾品と衣服!)

 “イタリアへの憧れ”を象徴するかのような、
 《ルネサンス》の芸術。

 この御本では《ルネサンス》を、

 プロトルネサンス(前期ルネサンス)、
 初期ルネサンス、
 盛期ルネサンス、

 と3つの時代に分け、
 美の《再生》を担った巨匠さんたちを
 紹介してゆきます。

「やぱりィ、れおなるどォさんッ?」
「ぐるがるるるぐる!」(←訳:ミケおじさんもね!)

 《ルネサンス》をテーマとする多くの研究書では、
 何といっても主流&人気なのは、
 レオナルドさんやミケランジェロさん、
 ラファエロさんあたりですね。

 ところが、この御本では、
 初期ルネサンスの巨匠さんたちを
 ぐいっとクローズアップ!

 彫刻家ドナテッロさん、
 遠近法研究の大家ウッチェロさん、
 画僧フラ・アンジェリコさん、
 美人大好き♪なフィリッポ・リッピさん、
 『春』のボッティチェリさんにも
 スポットライトが当てられています。

 その中でも、
 建築家ブルネレスキさんの章は
 傑作ですよ。

「てんさいィけんちくかさんッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:聖堂の設計者!)

 都市フィレンツェの景観に欠かせぬ
 サンタマリア・デル・フィオーレの
 設計・建築に携わった
 フィリッポ・ブルネレスキさん(1377~1446)。

 ライバルを退け、
 いくつものコンペティションを勝ち抜いて、
 いざ聖堂を築かん!
 
 努力と閃きと執念を注ぎ込み、
 着工から16年を費やして 
 クーポラ完成!

 最後の決め手は、
 ドーム屋根の頂塔(ランタン)の設置!

 いや、ここでもまたコンペティションが?

「むふゥ! ふぃれんつぇのォ、ひとたちはァ~」
「ぐるるがる!」(←訳:コンペ好き!)

 イラスト、図版、解説の文章、
 略伝や年代表を駆使して映し出す
 《再生》の時代の活人劇。

 美術史好きな活字マニアさんに、
 美術史は苦手だわ~という御方にも
 おすすめですよ。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね♫
 
 
 
コメント
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