テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 創ろう、どこででも ~

2021-05-12 23:43:48 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わほゥ! としょかんにィ~へんかがッ!」
「がるる?ぐるがる!」(←訳:虎です!開架した!)

 こんにちは、ネーさです。
 緊急事態宣言は続いていますが、
 今日から図書館のサービス内容は
 ちょっとだけ緩和されたようですね。
 さらに状況が落ち着いて
 医療のひっ迫も解消されますようにと
 心より祈りつつ、
 さあ、元気をチャージする読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― TIMELESS 石岡瑛子とその時代 ――



 著者は川尻亨一(かわじり・こういち)さん、
 2020年11月に発行されました。
 『EIKO ISHIOKA A JOURNEY TO FIND NEVER SEEN BEFORE』
 と英語題名が付されています。

 2020年11月から2021年2月、
 東京都現代美術館では
 『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』展が
 開催されました。

「みたかッたでスゥ!」
「ぐるるるっる!」(←訳:行きたかった!)

 悲しいことに
 展覧会ではお出掛けできず、
 公式図録を眺めては
 溜め息しておりましたが……

 いや、まだまだ!
 ここにもうひとつ、
 否、もう一冊!

 石岡さんの業績を世に伝える
 すばらしい御本があるんです。

「ないようゥ、のうみつゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:濃くて熱い!)

 著者・川尻さんは
 石岡さんのラストインタビューも手掛けた
 ジャーナリストさんです。

 石岡瑛子(いしおか・えいこ)さん(1938~2012)。

 アートディレクターとして
 日本の広告界に、
 そして世界中に名を馳せた石岡さんの、
 若き日に始まり、
 最後の日々までを
 川尻さんはリサーチし、
 追いかけます。

 つまり、この御本は評伝というか、
 伝記作品であるわけなんですけど……
 フィクション(小説)と間違えてしまいそうな
 劇的展開の連続!

「もうゥ~…ことばにィなりませんッ!」
「ぐるるるるるー!」(←訳:アンビリバボー!)

 日本での、
 資生堂でデザインした時代、
 パルコの広告が世を席捲した時代の
 エピソードにも
 瞠目させられますが、
 海外に打って出た当時の
 ”仕事ぶり”がまた、素晴らしい!

 特に、
 マイルス・デイヴィスさんとの出会い、
 アルバムのデザイン制作時のエピソードは、
 この御本最大の山場と言えましょうか。

「じゃずのォ、おうさまァ!」
「がるぐる!」(←訳:真の帝王!)

 ええ、誰もが《ジャズの帝王》と認める
 マイルス・デイヴィスさんは、
 えーと、そのぅ、
 気難し屋さんとしても
 広く知られていました。

 そのマイルスさんの、
 日本限定豪華ボックス盤をデザインするため、
 石岡さんはプランを練ります。

 いえ、プランというより、
 知略、でしょうか。

 気難し屋のマイルスさんに、
 写真界の巨匠アーヴィング・ペンさんをぶつける……!

「わおおゥ!」
「ぐるるっ!」

 『ジャズの帝王と写真の神様のあいだで』
 と題された章は、
 石岡さんにとっての花道であり、
 著者・川尻さんにとっても
 花道であるように思えます。

 そして、
 フランシス・コッポラさんと組んでの
 映画『ドラキュラ』衣装デザイン――

 NEVER SEEN BEFORE(誰もまだ見たことがない)、
 美しいもの、
 こころ奪われるものを、
 いかにして創り出すか。

「いしおかさんにィ、はくしゅゥなのでス!」
「がるぐるる!」(←訳:最高だよう!)

 日本でも、世界でも、
 どこでだって、
 創り続ける。

 石岡さんの超人的なお仕事の数々、
 それを丹念に拾い上げ、
 名文へと転換してゆく川尻さんのお仕事、
 どちらへも拍手を送りたくなる一冊です。
 
 展覧会をご覧になった方々も
 展覧会に行けなかった方々も、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね。
 激おすすめですよ~♪
 


 
コメント
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