テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 億光年の光 ~

2021-05-07 23:30:10 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 みずのォ、わくせいィ……!」
「がるる!ぐるがるぅ!」(←訳:虎です!良い言葉だなぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 宇宙飛行士・野口聡一さんによれば、
 地球は『水の惑星』……!
 漆黒の宇宙にぽつんと浮かぶ
 美しい青い星をあらためて想い浮かべながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 野口さんに敬意を表し、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
   ―― 天体観測に魅せられた人たち ――



 著者はエミリー・レヴェックさん、
 原著は2020年に、
 画像の日本語版は2021年3月に発行されました。
 英語原題は『THE LAST STARGAZERS』、
 天体観測LOVE!な天文学者さんたちの
 ”実態“を掘り起こすノンフィクション作品です。

「てんこうゥ、よしィ!」
「ぐーるるがる!」(←訳:ドームを開け!)
「かんそくゥ~かいしィ!」

 天文学者さん。

 っていうと、
 知力で勝負する
 優秀な頭脳労働者のような
 イメージがありますが。

 著者・レヴェックさんは
 そんなイメージを
 序章でいきなり引っくり返してみせます。

 米国はハワイの山頂に建つ、
 すばる望遠鏡。

 レヴェックさん、
 50億光年先にある銀河を観測するため、
 在籍する大学を通じて、
 一夜、すばる望遠鏡を借り受ける許可を得ました。

「やッたでスねッ!」
「がるるぐる!」(←訳:貴重な一夜!)

 喜び勇んで、観測開始!

 ……のはずが、う~ん?
 機械のどこかがどうかしちゃったようで、
 動かない……?

 レヴェックさん、青ざめます。
 すばる望遠鏡を
 一晩稼働させるのにかかるコストは
 4万7千ドル。

 望遠鏡を壊した、なんてことになったら、
 いったい修理費用は……?
 ど、どうしよう……?

 いや待って、
 壊れたとは限らないよね、
 再起動させて、観測に取り掛からないと!

 望遠鏡のスケジュールは
 何か月も先まで埋まっていて、
 今夜の機会を逃したら、
 論文が書けなくなってしまう……!

「たたたッ、たいへんッ!」
「ぐるがるる!」(←訳:早く観測を!)

 優雅な頭脳労働ではなく、
 あたふた、
 ドタバタ?

 実は、こういったドタバタは
 レヴェックさんに限ったことではありません。

 ずっと昔から、
 観測天文学者さんたちは
 数々のアクシデントと闘いながら
 学問の発展に貢献してきました。

 理想的な天文台というのは、
 殆どが高い山の上にあって。

 つまり、半端なく、寒い。

 凍えるような寒さ&睡魔との闘い。

 そして、ハワイや南米では、
 しばしば地震が……!

「ひえええェッ!」
「がる~!」(←訳:怖い~!)

 星の写真を撮影するのも、
 乾板を使うしかなかった時代には
 苦労が山積み。
 デジタル化された現在でも、
 データからノイズを除く作業があったり、
 それなりの手間がかかります。

 また、
 20世紀以前の天文学会は、
 まったくの男性優先?
 女性は観測所に入れなかった?

「ふァ??」
「ぐるる!」(←訳:無茶だ!)

 観測にいそしむ学者さんたちを
 恐怖に陥れる
 タランチュラの襲来?
 
 写真の現像室には、
 毒蛇コブラも?

「……てんもんがくしゃさんッてェ~…」
「がるるぐるがるる~…」(←訳:スゴイ仕事なんだ~…)

 道のりは険しく、
 困難は尽きず、
 それでもなお、
 レンズの彼方に、
 電波の中に、
 今日も宇宙を探して。

 天体観測や天体写真好きな方々に
 激おすすめのノンフィクションです。
 巻末の『訳者あとがき』も含め、
 皆さま、ぜひ一読を♪
 

 
コメント
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