テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 煙の王国 ~

2021-05-27 23:37:42 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 がんばッてェ、るいィくゥ~んッ!」
「がるる!ぐるがるる~!」(←訳:虎です!突破したい~!)

 こんにちは、ネーさです。
 激戦が続くNBAプレーオフ、
 ウィザーズの八村塁さんの活躍に目をウルウル……
 次戦ではシクサーズを叩きのめせ!
 と祈りつつ、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
      ―― マハラジャの葬列 ――



 著者はアビール・ムカジーさん、
 原著は2017年に、
 画像の日本語版は2021年3月に発行されました。
 英語原題は『A NECESSARY EVIL』、
 1920年代のインドを舞台にした
 歴史ミステリシリーズの第2作目です。

「おかえりィなさァ~いィ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:名コンビ再び!)

 シリーズ第1作『カルカッタの殺人』は、
 英国人のサム・ウィンダム警部と、
 インド人のサレンドラナート・バネルジ―刑事が知合い、
 ともに事件を解決してゆく
 ”相棒(バディ)結成物語”
 が描かれました。

 シリーズ第2作となるこの作品では
 ……んまあっ!

「きらきらァでスッ♫」
「がるるる~!」(←訳:まぶしい~!)

 本文の出だしが、
 とにかくもう魅力的です。
 ちょこっと引用させていただきますと――

   《顎ひげにダイヤモンドをつける男は
    そんなにいない。
    だが、耳や指や衣服のスペースが
    すべてふさがっているとすれば、
    それもアリかもしれない。》

「ぜんしんッ、きらぴかァ!」
「ぐるがるるぐるる!」(←訳:宝石だらけなんだ!)

 そこは、政府庁舎。

 総勢20名のマハラジャ、ニザーブ、
 ナワーブといった称号を持つ
 インド各地の“藩王”諸侯が
 ずらりと勢揃いした様子に、
 ウィンダム警部は
 驚くよりも呆れます。

 シルクのチュニックに、
 金や宝石。
 ダイヤモンドのボタン、
 大粒の真珠、
 エメラルドにサファイア。

 ふう、なんという金満ぶりでしょう。

「しかたァありませんッ!」
「がるっるぐるる!」(←訳:超リッチだもん!)

 ええ、
 “藩王”さんたちは実際に
 世界有数の富豪なのです。
 
 全身ダイヤモンドやら真珠だらけなのも
 当然と申せましょう。

 けれど……
 そのお腹の中は?

 ダイヤモンドのように
 澄んだきらめきを放っているのでしょうか?

「じだいはァ~…」
「ぐるる!」(←訳:風雲急!)

 ”藩王“さんたちと
 英国人の総督が
 記念の集合写真を撮り終えてほどなく、
 事件は起きました。

 ベンガルの南西に位置する
 藩王国サンバルプールの王太子さまが
 襲撃された……!?!

「だッ、だだだッ」
「がるるぐるる!」(←訳:大事件だよう!)

 インドを支配する英国。
 英国の支配に従いつつも
 腹のうちを見せぬ”藩王”たち。
 宮殿で、軍隊で、市井の人びとの間で
 くすぶる火種。

 先が見通せぬ煙の中をゆくように、
 ウィンダム警部とバネルジ―刑事は
 手探りしては、
 一歩また一歩と進んでゆきます。
 “真相”の足元へ。

「いんどのォ、れきしィ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:勉強になります!)

 近代史好きな活字マニアさんにおすすめの、
 読み応えある長編作品は、
 シリーズ前作を読んでいない御方も
 充分に楽しめる一冊です。
 
 インド好きな方々も、
 ミステリ好きな方々も、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫
 
 
コメント
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