「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふゥ~…やぱりィあめェでスかァ~…」
「がるる!ぐるるがる~」(←訳:虎です!今年もだね~)
こんにちは、ネーさです。
七夕といえば、雨、になってしまうのが通例ですね。
今年は台風による雨になりそうで、
どうか災害が起きませんようにと祈りつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― 八王子怪談 逢魔ヶ刻編 ――
著者は川奈まり子さん、2022年5月に発行されました。
2021年に刊行された『八王子怪談』に続く、
八王子市を舞台にした怪談集のシリーズ第2作です。
「あううううゥ~!」
「ぐるる~!」(←訳:怖いよ~!)
ええもう、ホントにけっこう怖いんです、
この《八王子怪談》シリーズ……。
第1作『八王子怪談』を読んだことがある御方なら、
お分かりになるかもしれませんが、
何が怖いって、
住所や地名が明記されていて、
そうすると地元民の私たち、
土地勘があるために見当がついてしまうんですね。
このお話って、ああ、あの辺りのことか、とか、
あの交差点かぁ、あの地区かぁ、とか……。
「りあるゥなのでス!」
「がるぐるるるる!」(←訳:迫真なんだよう!)
第1作の『八王子怪談』がとても好評(!)だったそうで、
こうして第2作『逢魔ヶ刻編』も誕生しました。
当然ながら、
この御本でも迫真性は健在です。
私ネーさも、はい、リアルな怖さに凍りつきました。
だって、ここ、知ってる……
というか、知ってたわ……
本文84ページの
『病院裏の地下一階』
というお話のこの場所……
八王子駅北口の丸井……
地下一階に模型のお店があって、
フィギュアを探しに行ったことがあるわ……
丸井はとうに閉店してしまったけれど、
あのフロア、“出る“ところだったのね……。
「ひいいィ!」
「ぐるる~!」(←訳:やめて~!)
怪談マニアさんにとって
最も有名な八王子の”出る“場所といえば、
本文37ページ
『八王子城奇談(八王子城跡とその周辺)』
で紹介されていますように、
八王子城周辺でしょうか。
戦国時代の武将・北条氏が築いた山城は、
1590年、豊臣方の軍勢に攻められ、落城しました。
この時、城内にいたのは北条の兵卒よりも
女性や子どもを中心とする非戦闘員が多かったと
伝えられています。
そんな出来事のあった城址は、
現在は整備も進んでいます、けれども……
「よるはァ、だめェでスゥ!」
「がるっるぅぐる!」(←訳:近寄っちゃだめ!)
ネーさ弟からの情報によりますと、
あの辺りで夜釣りとか、キャンプとかはね、
もう絶対にあかん、
本当の本当に行かない方がいい、と。
まあとにかく、真偽の程は別にしましても、
夜間、城址の辺りは暗いんです。
真っ暗なんです。
東京から真闇は失せた、なんていう人もいますが、
いえいえ、
多摩の森には残っているんです、まことの暗闇が……。
「きもだめしィ、いけませんッ!」
「ぐるがるるるる!」(←訳:闇を侮るなかれ!)
中世の記憶、
近代の、現代の記憶。
夏の怪談におすすめしたいような、
いえ、実を申しますと、
おすすめするのに躊躇いをも覚えてしまう
“我らが町”の怪談集です。
《怖い話》が好きな御方のみ、
覗いてみてくださいな。