テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 怖いおはなし 八王子編 ~

2022-07-04 21:58:43 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふゥ~…やぱりィあめェでスかァ~…」

「がるる!ぐるるがる~」(←訳:虎です!今年もだね~)

 

 こんにちは、ネーさです。

 七夕といえば、雨、になってしまうのが通例ですね。

 今年は台風による雨になりそうで、

 どうか災害が起きませんようにと祈りつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― 八王子怪談 逢魔ヶ刻編 ――

 

 

 著者は川奈まり子さん、2022年5月に発行されました。

 2021年に刊行された『八王子怪談』に続く、

 八王子市を舞台にした怪談集のシリーズ第2作です。

 

「あううううゥ~!」

「ぐるる~!」(←訳:怖いよ~!)

 

 ええもう、ホントにけっこう怖いんです、

 この《八王子怪談》シリーズ……。

 

 第1作『八王子怪談』を読んだことがある御方なら、

 お分かりになるかもしれませんが、

 何が怖いって、

 住所や地名が明記されていて、

 そうすると地元民の私たち、

 土地勘があるために見当がついてしまうんですね。

 このお話って、ああ、あの辺りのことか、とか、

 あの交差点かぁ、あの地区かぁ、とか……。

 

「りあるゥなのでス!」

「がるぐるるるる!」(←訳:迫真なんだよう!)

 

 第1作の『八王子怪談』がとても好評(!)だったそうで、

 こうして第2作『逢魔ヶ刻編』も誕生しました。

 当然ながら、

 この御本でも迫真性は健在です。

 

 私ネーさも、はい、リアルな怖さに凍りつきました。

 だって、ここ、知ってる……

 というか、知ってたわ……

 

 本文84ページの

 『病院裏の地下一階』

 というお話のこの場所……

 八王子駅北口の丸井……

 地下一階に模型のお店があって、

 フィギュアを探しに行ったことがあるわ……

 丸井はとうに閉店してしまったけれど、

 あのフロア、“出る“ところだったのね……。

 

「ひいいィ!」

「ぐるる~!」(←訳:やめて~!)

 

 怪談マニアさんにとって

 最も有名な八王子の”出る“場所といえば、

 本文37ページ

 『八王子城奇談(八王子城跡とその周辺)』

 で紹介されていますように、

 八王子城周辺でしょうか。

 

 戦国時代の武将・北条氏が築いた山城は、

 1590年、豊臣方の軍勢に攻められ、落城しました。

 この時、城内にいたのは北条の兵卒よりも

 女性や子どもを中心とする非戦闘員が多かったと

 伝えられています。

 

 そんな出来事のあった城址は、

 現在は整備も進んでいます、けれども……

 

「よるはァ、だめェでスゥ!」

「がるっるぅぐる!」(←訳:近寄っちゃだめ!)

 

 ネーさ弟からの情報によりますと、

 あの辺りで夜釣りとか、キャンプとかはね、

 もう絶対にあかん、

 本当の本当に行かない方がいい、と。

 

 まあとにかく、真偽の程は別にしましても、

 夜間、城址の辺りは暗いんです。

 真っ暗なんです。

 東京から真闇は失せた、なんていう人もいますが、

 いえいえ、

 多摩の森には残っているんです、まことの暗闇が……。

 

「きもだめしィ、いけませんッ!」

「ぐるがるるるる!」(←訳:闇を侮るなかれ!)

 

 中世の記憶、

 近代の、現代の記憶。

 

 夏の怪談におすすめしたいような、

 いえ、実を申しますと、

 おすすめするのに躊躇いをも覚えてしまう

 “我らが町”の怪談集です。

 《怖い話》が好きな御方のみ、

 覗いてみてくださいな。

 

 

コメント
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