テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ レンズと目線と、屋根裏と。 ~

2022-07-06 21:37:01 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 わほふゥ! もしかしてェ~??」

「がるる!ぐるがるるぅる?」(←訳:虎です!星空見えちゃう?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 天気予報が変わって、驚いたことに

 明日7月7日・七夕の夜は晴れ……るかもしれない?

 いやぁ~楽しみだわぁ~♪と西の空を眺めながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの写真集を、どうぞ~!

  

 

 

     ―― 写真家 白洲次郎の眼 ――

 

 

 著者は牧山桂子(まきやま・かつらこ)さん、

 2022年5月に発行されました。

 『Jiro's eyes 1930-39』と英語題名が、

 『愛機ライカで切り取った1930年代』と

 日本語副題が付されています。

 

 白洲次郎(しらす・じろう)さん(1902~1985)。

 

 ええ、あらためて説明する必要はありませんよね。

 《武相荘》の主人にして、

 『従順ならざる唯一の日本人』、

 実業家であり、ゴルファーであり、

 この御本に於いては……

 

「きゃめらまんッ!」

「ぐるるがるるるる!」(←訳:世界を撮りました!)

 

 白洲次郎さん&正子さん御夫妻が暮らした

 東京都町田市の、《鶴川の家》。

 現在は『旧白洲邸 武相荘』記念館となっている

 建物の屋根裏で、

 或る日、御夫妻の長女である著者・牧山さんは、

 一冊のフォト・アルバムを発見しました。

 

 アルバムに収められていたのは、

 36枚撮り、14本分のネガ・フィルム。

 

「そこからァ、うまれましたでスゥ!」

「がるぐるるる!」(←訳:この写真集が!)

 

 1931年、29歳になった次郎さんは、

 長男・春正さんの誕生に喜びました。

 また、この年、

 英字新聞社の記者を経た後、

 ケンブリッジ大学時代の友人ジョージ・セールさんとの縁で、

 次郎さんはセール・フレーザー商会の

 取締役に就任します。

 

 以降、第二次世界大戦が勃発するまで、

 2年に3回くらいの割合で

 海外渡航を繰り返し、

 日本で暮らす時間は年に4ヶ月ほどだった、

 といいます。

 

「こすもぽりたんッ、でスねッ!」

「ぐるがる~!」(←訳:旅の日々~!)

 

 この御本に収録されている写真は、

 ちょうどその頃、

 日本と英国、

 フランス、スイス、ドイツなどの欧州各地、

 そして米国へも行き来していた期間に

 撮影されたものでしょう。

 

 殆どは外国の風景や、

 仕事仲間か友人と思われる方々のスナップショット……

 次郎さん御自身と正子さんを

 被写体にした作品はあまり多くはありませんが、

 そこから読み取れるのは。

 

 他人に見せるための写真ではなく、

 ここにいたことを記憶しておきたい、

 忘れぬよう、

 フィルムに留めておきたい、

 そう思って、シャッターを押した……。

 

「だからァ、ひっそりィ?」

「がるるるぐっるる?」(←訳:屋根裏で眠ってた?)

 

 次郎さんが、見たもの。

 目にした情景。

 戦争が始まる前の、束の間の平穏。

 やわらかな安らぎを湛える写真たち。

 

 フィルムの劣化が原因してか、

 ぼやけていたり、

 傷が入ってしまっているものもありますけれど、

 歴史好きな活字マニアさん、

 カメラ好きな方々に、

 おすすめの写真集です。

 解説の文章も素晴らしいので、

 読み逃さないでくださいね~♫

 

 

コメント
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