テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 町々の面差し ~

2022-07-21 21:07:21 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おォ~! みィ~つけたァのでス!」

「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!抜け殻だよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 新しい蝉の抜け殻を庭で発見!

 なので、2022年は蝉がいないという噂は

 やっぱり噂に過ぎなかったんだわ、

 これから騒々しくなるのね~と予感しながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― おとめ長屋 ――

 

 

 著者は鷹井伶(たかい・れい)さん、

 2022年4月に発行されました。

 『女やもめに花が咲く』と副題が付されています。

 

 《おとめ長屋》……といっても、

 えーとですね、

 《おとめ》は《乙女》ではありません。

 

 《おとめ》とは、すなわち

 《おトメ》なる人名でございまして。

 

「ぷふふッ♪」

「ぐるるっ!」

 

 《おとめ長屋》と名乗るからには、

 麗しい乙女ばかりが住み暮らす長屋であろうかと

 想像した方々もおられましょうが、

 まあ、ほんのちょっぴりなら、

 当たっていなくもないんです。なぜなら。

 

 住人さんは、みな女性。

 

「それはァ、かわッてるゥのでスゥ!」

「がるるぐる!」(←訳:珍物件かも!)

 

 物語の主人公、

 千春(ちはる)さんは、

 このところ不運続きです。

 

 小間物問屋に住み込みで働いていたのですが、

 お店が潰れてしまい、

 錺(かざり)職人をしているボーイフレンドの家に

 転がり込んだけれども、

 追い出されてしまって。

 新しい職場でも上手くゆかず、

 もうドン詰まり……。

 

「あァ~…それはァ、つらいィよねェ~…」

「ぐるるるる……」(←訳:涙ぽろぽろ……)

 

 江戸の町はこんなに広いのに、

 どこにも行くところ、

 住むところがない――

 

 涙で顔をぐしゃぐしゃにしている千春さんに

 声を掛けてくれたのは、

 お涼(りょう)という女性。

 

 美人のお涼さんは、

 腹ペコの千春さんにお蕎麦を御馳走し、

 教えてくれたのです。

 《おとめ長屋》の存在を。

 

 住民は女性限定。

 だから、あんたみたいに

 男運の悪い人間には

 向いているかもしれないよ?

 

 これに、千春さんは頷きます。

 《おとめ長屋》……良さそうじゃないの!

 

「そうとォ、決まればァ~」

「がるぐるる!」(←訳:いざ引越し!)

 

 女性ばかりが住む長屋……

 いえ、正確を期すなら、

 “ワケあり?“な女性ばかりが住む

 《おとめ長屋》。

 

 主役は千春さん、ではありますが、

 人々が行き交う江戸の町が主役でもあるような

 ユニークな物語です。

 昔むかしの町々の息遣いを想い浮かべつつ、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♫

 

 

 

コメント
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