テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 空想世界を大銀幕に ~

2022-07-13 21:09:10 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おおきなァ、すくりィ~んッ!」

「がるる!ぐるがーるる!」(←訳:虎です!響くテーマ曲!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 7月も半ばを過ぎると、夏休み映画が続々公開!

 来週は『キングダム2』や《ジュラシック》シリーズ新作も!

 そこで本日の読書タイムは、

 映画をテーマにしたこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 轟く ――

 

 

 著者は小林淳(こばやし・あつし)さん、

 2022年5月に発行されました。

 『東宝空想特撮映画 1954-1984』

 と副題が付されています。

 

 はい! 《空想特撮映画》と聞いただけで、

 心拍数が上がっちゃいますね。

 

「かいじゅうゥはァ、にほんえいがのォ~あいどるゥ!」

「ぐるるがるるぐるるる!」(←訳:いまや世界のアイドル!)

 

 海外でも通用するという単語、KAIJU。

 ただし、この御本では、

 KAIJUの王たるゴジラくんは登場せず、

 ゴジラ作品以外の《空想特撮映画》――

 『透明人間』(1954年)から

 『さよならジュピター』(1984年)

 までが取り上げられています。

 

「ごじらァくんはァ、もうッ!」

「がるぐるるる!」(←訳:別枠なんだね!)

 

 著者・小林さんは、

 1954年を始まりとして、

 30年の間に制作&公開された東宝《空想特撮映画》の

 監督・特技監督・音楽・脚本などスタッフ名、

 主な出演者と粗筋を紹介し、

 映画が公開された当時の社会状況までも

 解説の中に組み込んでゆきます。

 

 たとえば……

 『モスラ』(1961年)。

 

 監督は本多猪四郎さん、特技監督は円谷英二さん、

 音楽は古関裕市さん。

 ゴジラ、ラドンに続く

 東宝怪獣のスターがこの作品で爆誕!となった訳ですが……

 1961年(昭和33年)あたりから

 映画人口の減少が明らかになり始めていました。

 

 それでも、

 “アメリカのコロンビア・ピクチャーズと提携!”

 “世界同時公開!”

 を掲げての『モスラ』上映は、

 古関さんの素晴らしい楽曲に彩られながら、

 《怪獣映画》を大娯楽映画へ、

 老若男女が気楽に楽しめる

 エンターテインメント映画への昇格を成し遂げた、

 と小林さんは解析します。

 

「もすらがァあばれるゥばめんもォ~」

「ぐるがるるるぐっるがるる!」(←訳:円谷特撮史上トップクラス!)

 

 『モスラ』伝説はまだ終わりません。

 2021年には、

 “幻”とされていた序曲つき『モスラ』が

 4Kデジタルリマスター化されて上映に到ったことを

 小林さんは抑えた筆致で熱く記します。

 これが、古関裕而さんの音楽世界に包まれた

 唯一の《空想特撮映画》であると。

 

「ぶらぼォ~!」

「がるるるる!」(←訳:観てみたい!)

 

 『空の大怪獣 ラドン』(1956年)、

 『怪談』(1965年)、

 『クレージーだよ 奇想天外』(1966年)、

 『日本沈没』(1973年)、

 『火の鳥』(1978年)……

 

 数多の作品に刻まれた

 “映画人“さんの思いと、功績。

 

 20世紀後半の日本映画が好き!

 怪獣も!特撮も!SFも好き!

 という映像マニアさんに

 激おすすめの一冊です。

 著者・小林さんに労いの拍手を送りつつ、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

 

コメント
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