「こんにちわッ、テディちゃでス!
うむゥ! おもしろォ~どらまァでしたでス!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!次回も必見!)
こんにちは、ネーさです。
7月に入って新作TVドラマが始まりましたね。
昨日7月16日に放送開始の『初恋の悪魔』、
たいへん笑わせていただきました♫
次回も見るぞぉ~とココロに期しつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!
―― 大江戸猫三昧 ――
編者は澤田瞳子(さわだ・とうこ)さん、
初版は2004年に、
画像の新装版は2017年2月に発行されました。
『時代小説アンソロジー』と副題が付されています。
「しゅやくはァ、もッちろんッ!」
「ぐぅるるがるる!」(←訳:ニャンコだよう!)
大江戸……と聞いて、
地下鉄大江戸線の長~いエスカレーターが
なぜか脳裏に浮かんできた私ネーさですが、
はい、この御本に収録されている作品10篇の舞台は、
東京ではなく、江戸。
著者は、収録順に(せーの!)、
岡本綺堂さん、古川薫さん、
森村誠一さん、池波正太郎さん、
島村洋子さん、光瀬龍さん、
海野弘さん、高橋克彦さん、
小松重男さん、平岩弓枝さん、
という豪華な顔ぶれです。
「あれれッ? めずらしィ!」
「がるぐるるるる!」(←訳:あの作家さんが!)
ええ、これはレアだわね、と思ってしまうのは、
海野弘さん。
近年はアートブック監修で大活躍&大好評!
美術評論、歴史ノンフィクションのジャンルでも
名を馳せている海野さんが紡ぐ
“江戸の猫“のお話は……
本文221ページの
『大工と猫』です。
「おえどのォ、したまちィ?」
「ぐるるがる!」(←訳:長屋の一隅!)
語り手の《私》は、
長屋暮らしの、“貧乏学者“さんです。
木枯らしの吹く寒い日、
破れ戸を修理することさえ覚束ず
あたふたしていたところを、
上手に修理してくれたのは
大工の安五郎さん。
その時以来、
安五郎さんは、
先生、先生、と慕って、
《私》のもとを訪れるようになりました。
「うまがァ、あうのでスゥ!」
「がるるぐるる~♪」(←訳:気軽にお喋り~♪)
人の好い安五郎さん、
隣りの家の棚を作ってやったり、
塀を直したりと、
長屋の人たちに気に入られています。
特に、安五郎さんが彫る木の猫の玩具は
子どもたちに大人気。
てのひらサイズの猫の可愛らしさに、
《私》の頬も緩みますよ。
「いまにもォ、うごきだしそうゥ!」
「ぐるるがるるぐるるる?」(←訳:売りに出せばいいのに?)
商売にしてみれば?
きっと売れるよ!と勧められても、
安五郎さんは首を横に振るだけ。
好きな時に彫って、
子どもの玩具に、と誰かにあげてしまう。
それでいい。
こどもが嬉しがってくれりゃ、それでいい――
それは、何か仔細あってのことなのでしょうか。
話を聞かせておくれとせがむ《私》に、
安五郎さんが語るのは、
ゴンという猫の思い出です。
「ほぼォ、のらねこッ!」
「がるるぐる?」(←訳:迷い猫かも?)
安五郎さんに言わせれば、ゴンは
“こきたねえ“猫。
美味しい魚を買ってきてやっても、
むしゃむしゃ食って、
あとはごろごろ寝ているばかり。
そんなゴンと毎日を過ごすことで
安五郎さんが得たものは……?
「しィ~ッ! そのォさきはァ~」
「ぐるるるがる!」(←訳:ネタバレ厳禁!)
障子ごしの陽の光のような、
ほんわりとあたたかな気配。
揺れる尻尾と、
喉からもれるゴロゴロ音。
かわいいニャンコも、
怖~いニャンコも、
ワケありなニャンコも登場する
時代小説アンソロジーは
ニャンコ好きな方々に、
歴史好きな活字マニアさんにも
おすすめです。
いちばん可愛いのはウチの子よ!
と確信している愛猫家の皆さまも、ぜひ♫