テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ いつだって、いちばん可愛いのは ~

2022-07-17 21:29:24 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うむゥ! おもしろォ~どらまァでしたでス!」

「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!次回も必見!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 7月に入って新作TVドラマが始まりましたね。

 昨日7月16日に放送開始の『初恋の悪魔』、

 たいへん笑わせていただきました♫

 次回も見るぞぉ~とココロに期しつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

  

 

 

        ―― 大江戸猫三昧 ――

 

 

 編者は澤田瞳子(さわだ・とうこ)さん、

 初版は2004年に、

 画像の新装版は2017年2月に発行されました。

 『時代小説アンソロジー』と副題が付されています。

 

「しゅやくはァ、もッちろんッ!」

「ぐぅるるがるる!」(←訳:ニャンコだよう!)

 

 大江戸……と聞いて、

 地下鉄大江戸線の長~いエスカレーターが

 なぜか脳裏に浮かんできた私ネーさですが、

 はい、この御本に収録されている作品10篇の舞台は、

 東京ではなく、江戸。

 

 著者は、収録順に(せーの!)、

   岡本綺堂さん、古川薫さん、

   森村誠一さん、池波正太郎さん、

   島村洋子さん、光瀬龍さん、

   海野弘さん、高橋克彦さん、

   小松重男さん、平岩弓枝さん、

 という豪華な顔ぶれです。

 

「あれれッ? めずらしィ!」

「がるぐるるるる!」(←訳:あの作家さんが!)

 

 ええ、これはレアだわね、と思ってしまうのは、

 海野弘さん。

 

 近年はアートブック監修で大活躍&大好評!

 美術評論、歴史ノンフィクションのジャンルでも

 名を馳せている海野さんが紡ぐ

 “江戸の猫“のお話は……

 本文221ページの

 『大工と猫』です。

 

「おえどのォ、したまちィ?」

「ぐるるがる!」(←訳:長屋の一隅!)

 

 語り手の《私》は、

 長屋暮らしの、“貧乏学者“さんです。

 

 木枯らしの吹く寒い日、

 破れ戸を修理することさえ覚束ず

 あたふたしていたところを、

 上手に修理してくれたのは

 大工の安五郎さん。

 

 その時以来、

 安五郎さんは、

 先生、先生、と慕って、

 《私》のもとを訪れるようになりました。

 

「うまがァ、あうのでスゥ!」

「がるるぐるる~♪」(←訳:気軽にお喋り~♪)

 

 人の好い安五郎さん、

 隣りの家の棚を作ってやったり、

 塀を直したりと、

 長屋の人たちに気に入られています。

 特に、安五郎さんが彫る木の猫の玩具は

 子どもたちに大人気。

 

 てのひらサイズの猫の可愛らしさに、

 《私》の頬も緩みますよ。

 

「いまにもォ、うごきだしそうゥ!」

「ぐるるがるるぐるるる?」(←訳:売りに出せばいいのに?)

 

 商売にしてみれば?

 きっと売れるよ!と勧められても、

 安五郎さんは首を横に振るだけ。

 

   好きな時に彫って、

   子どもの玩具に、と誰かにあげてしまう。

   それでいい。

   こどもが嬉しがってくれりゃ、それでいい――

 

 それは、何か仔細あってのことなのでしょうか。

 話を聞かせておくれとせがむ《私》に、

 安五郎さんが語るのは、

 ゴンという猫の思い出です。

 

「ほぼォ、のらねこッ!」

「がるるぐる?」(←訳:迷い猫かも?)

 

 安五郎さんに言わせれば、ゴンは

 “こきたねえ“猫。

 美味しい魚を買ってきてやっても、

 むしゃむしゃ食って、

 あとはごろごろ寝ているばかり。

 

 そんなゴンと毎日を過ごすことで

 安五郎さんが得たものは……?

 

「しィ~ッ! そのォさきはァ~」

「ぐるるるがる!」(←訳:ネタバレ厳禁!)

 

 障子ごしの陽の光のような、

 ほんわりとあたたかな気配。

 揺れる尻尾と、

 喉からもれるゴロゴロ音。

 

 かわいいニャンコも、

 怖~いニャンコも、

 ワケありなニャンコも登場する

 時代小説アンソロジーは

 ニャンコ好きな方々に、

 歴史好きな活字マニアさんにも

 おすすめです。

 

 いちばん可愛いのはウチの子よ!

 と確信している愛猫家の皆さまも、ぜひ♫

 

 

コメント
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