「こんにちわッ、テディちゃでス!
よりともォさァ~んッ!」
「がるる!ぐる~!」(←訳:虎です!佐殿~!)
こんにちは、ネーさです。
先日放送された大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第26話、
リアタイできなくて、
やっと先ほど拝見いたしました。
頼朝さん&政子さんの名演に涙、涙……の後は、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 鬼哭の剣 ――
著者は進藤玄洋(しんとう・げんよう)さん、
2022年4月に発行されました。
『鬼哭の剣』は『きこくのけん』とお読みくださいね。
ヤマモトマサアキさんによる
表紙のイラストからお分かりのように、
物語の舞台は現代ではありません。
といって、『鎌倉殿の13人』ほどの昔ではなく、
江戸時代――
徳川政権の基礎が固まった頃、
寛文(かんぶん)九年(1669年)のことでした。
「ゆきィ、ふってまスゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:北の国なんです!)
蝦夷地の秋は終り、
冬がやってこようとしています。
折しも雪が舞い始める中、
和人(シャモ)との和議の場へ
赴こうとしているのは、
シベチャリ(静内)のメナシクル族の惣乙名(部族長)
シャクシャイン(沙牟奢充)さん。
五ヶ月にわたる松前家との戦いを、
終わらせるときが来た、のでした。
「うむゥ! へいわがァ、いちばんッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:平和な年越しを!)
松前軍の総大将の陣地での話し合いを終え、
和議が整ったことを祝し、
一同は盃を干します。
が――
シャクシャインさんの手から、
盃が滑り落ちる?
「こッ、これはァ~…」
「ぐる!」(←訳:毒だ!)
毒入りの酒を飲んだ仲間が、愛息が、
次々と倒れ、
松前家の者たちに斬り伏せられてゆくのを、
自身の四肢にも毒が回ってゆくのを感じながら、
シャクシャインさんは目にしました。
謀られた……!
「わなァ、だったのでスゥ!」
「がるる!」(←訳:陰謀だ!)
そして時は巡り、
シャクシャインさんを襲った悲劇より
20年が過ぎた元禄二年(1689年)。
江戸の本所、
或る大名の屋敷の門前で、惨事が起きます。
その大名というのが……弘前(ひろさき)津軽家。
「むむむうゥ! きたぐにのォ、だいみょうゥ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:ということは!)
ふたつの“事件”をつなぐものとは?
北の国を統べる大名は
何かを知っているのか?
ここから先は、ネタバレ回避でお喋り禁止!
なんですけれども、
人気漫画『ゴールデンカムイ』では
明治のアイヌが主人公となったのに対し、
この『鬼哭の剣』では
江戸期のアイヌ民族が大きな役割を果たします。
「おえどのォ、まちにィ~」
「がるるるぐるがる!」(←訳:北からの風が吹く!)
剣劇、ミステリ、サスペンスの要素も兼ねそなえた
エンタな時代小説は、
映像化を期待したくなる快作です。
歴史好きな活字マニアさんには
特におすすめですよ。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪