テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 北からの風が呼ぶ ~

2022-07-05 21:59:15 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 よりともォさァ~んッ!」

「がるる!ぐる~!」(←訳:虎です!佐殿~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 先日放送された大河ドラマ『鎌倉殿の13人』第26話、

 リアタイできなくて、

 やっと先ほど拝見いたしました。

 頼朝さん&政子さんの名演に涙、涙……の後は、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

         ―― 鬼哭の剣 ――

 

 

 著者は進藤玄洋(しんとう・げんよう)さん、

 2022年4月に発行されました。

 『鬼哭の剣』は『きこくのけん』とお読みくださいね。

 

 ヤマモトマサアキさんによる

 表紙のイラストからお分かりのように、

 物語の舞台は現代ではありません。

 といって、『鎌倉殿の13人』ほどの昔ではなく、

 江戸時代――

 

 徳川政権の基礎が固まった頃、

 寛文(かんぶん)九年(1669年)のことでした。

 

「ゆきィ、ふってまスゥ!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:北の国なんです!)

 

 蝦夷地の秋は終り、

 冬がやってこようとしています。

 折しも雪が舞い始める中、

 和人(シャモ)との和議の場へ

 赴こうとしているのは、

 シベチャリ(静内)のメナシクル族の惣乙名(部族長)

 シャクシャイン(沙牟奢充)さん。

 

 五ヶ月にわたる松前家との戦いを、

 終わらせるときが来た、のでした。

 

「うむゥ! へいわがァ、いちばんッ!」

「がるるぐるるる!」(←訳:平和な年越しを!)

 

 松前軍の総大将の陣地での話し合いを終え、

 和議が整ったことを祝し、

 一同は盃を干します。

 が――

 

 シャクシャインさんの手から、

 盃が滑り落ちる?

 

「こッ、これはァ~…」

「ぐる!」(←訳:毒だ!)

 

 毒入りの酒を飲んだ仲間が、愛息が、

 次々と倒れ、

 松前家の者たちに斬り伏せられてゆくのを、

 自身の四肢にも毒が回ってゆくのを感じながら、

 シャクシャインさんは目にしました。

 

 謀られた……!

 

「わなァ、だったのでスゥ!」

「がるる!」(←訳:陰謀だ!)

 

 そして時は巡り、

 シャクシャインさんを襲った悲劇より

 20年が過ぎた元禄二年(1689年)。

 

 江戸の本所、

 或る大名の屋敷の門前で、惨事が起きます。

 

 その大名というのが……弘前(ひろさき)津軽家。

 

「むむむうゥ! きたぐにのォ、だいみょうゥ?」

「ぐるるがるる!」(←訳:ということは!)

 

 ふたつの“事件”をつなぐものとは?

 北の国を統べる大名は

 何かを知っているのか?

 

 ここから先は、ネタバレ回避でお喋り禁止!

 なんですけれども、

 人気漫画『ゴールデンカムイ』では

 明治のアイヌが主人公となったのに対し、

 この『鬼哭の剣』では

 江戸期のアイヌ民族が大きな役割を果たします。

 

「おえどのォ、まちにィ~」

「がるるるぐるがる!」(←訳:北からの風が吹く!)

 

 剣劇、ミステリ、サスペンスの要素も兼ねそなえた

 エンタな時代小説は、

 映像化を期待したくなる快作です。

 歴史好きな活字マニアさんには

 特におすすめですよ。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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