「こんにちわッ、テディちゃでス!
けッせんッ! せきがはらァ~!」
「がるる!ぐるるがるるるる!」(←訳:虎です!今回は西軍勝利で!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『どうする家康』では、天下分け目の合戦の火蓋が!
もしもここで、西軍が勝ってしまったら物語は……?
などとSF的妄想にニヤつきながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 粋な色 野暮な色 ――
著者は坂井希久子(さかい・きくこ)さん、
2023年9月に発行されました。
《江戸彩り見立て帖》シリーズの第3作です。
「わほゥ! おあやさァ~んッ!」
「ぐるるるるが~る!」(←訳:お久しぶりで~す!)
主人公の彩(あや)さんが、
第1作『色にいでにけり』で登場した時は、
腕の良い摺師だった父が火事のために失明し、
仕事場と仕事を失って、
娘の彩さんも縁談話を失くして、と
“失“尽くしのどん底状態でした。
そんなどん底に光が差したのは、
お彩さんの見立てのチカラが、きっかけで。
「いがいなァ~ちからッ!」
「がるるるるぐるっる?」(←訳:ありそうでなかった?)
それは、
現代で謂う、カラーコーディネート。
この色をまとえば、
肌の色にもよく映えて、
目鼻立ちがくっきりするし、
帯にはこの色を合わせれば
全体がしゃっきりして、若々しくなる。
こちらの色は、ああ、似合わない……
顔色がくすんでしまうし、
手持ちの帯の色との相性も悪い。
それよりは、あちらの方が。
というような、色を見立てるチカラ=センスを
お彩さんは備えていたんです。
「ならばァ、さッそくゥ!」
「ぐっるぅるるる!」(←訳:使っちゃおうぜ!)
呉服店『塚田屋』さんは、
京から江戸へ進出してきたばかり。
お店をもっと繁盛させようと、
お彩さんは『塚田屋』店内で
色見立てをすることになりました。
つまりは、
反物をお買い上げしてくれたお客さんに
カラーコーディネートを提案するサービス、
といったところで、
けっこう好評なんですよ。
「ふうゥ、まいちにィ~いそがしィ!」
「がるるぐるるがるる~!」(←訳:そこに年末もプラス~!)
『塚田屋』さんが、いえ、お江戸のあらゆるお店が、
忙しさにキリキリ舞いし始める年の瀬。
お彩さんは新しいミッションに取り組む羽目になって、
眉間にシワを刻んでいます。それは、
色を、売り出す。
或る色を、
これが最新の流行色!
と、売り出さなくてはならないんです。
大いに売り出して、
それにお客さんが乗ってくれればOK!ですけれど、
はたしてそう上手くゆく、んでしょうか。
何か工夫が、
特別な工夫が、要るのでは……?
「かんがえェ~なくちゃッ!」
「ぐるるるがるるぅるる!」(←訳:ナイスなアイディアを!)
カラーコーディネーターに加えて、
お彩さん、宣伝&広報のお仕事にも?
どうか上首尾に行きますように、と
お彩さんの健闘を祈りたくなる
時代小説/お仕事小説は、
歴史好きな活字マニアさんに、
着物好きな方々にもおすすめです。
書店さんの文庫コーナーで、
ぜひ、探してみてくださいね~♪