テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ お城に、平和を ~

2023-11-06 22:08:18 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 くうゥ~! おおさかァ~うらやましィでス!」

「がるる!ぐるがるるるるる!」(←訳:虎です!街は大盛り上がり!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 阪神タイガースが日本一に!

 当然ながら阪神百貨店では特大SALEが!

 羨望しつつも、よいお買い物をしてくださいね~と

 大阪っ子の皆さんにエールを送りつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 美しすぎる夢のお城図鑑 ――

 

 

 編者は世界のお城研究会の皆さん、2023年7月に発行されました。

 御本の帯に『まるでファンタジーみたいなお城100』とある通り、

 世界遺産になっているお城、

 観光スポットになっている人気のお城、

 ディズニーやジブリ映画のモデルになっているお城など、

 100のお城が紹介されています。

 

「おとぎィばなしィのォ、おしろッ?」

「ぐるるるがる~…ぐるるるがる!」(←訳:いやいや実は~…ワケあり多数!)

 

 表紙になっているのは、

 皆さま御存知の、ノイシュヴァンシュタイン城(ドイツ)。

 ディズニー映画『眠れる森の美女』のお城のモデルになった

 ヴィジュアルの点ではまさに無敵!なお城ですが、

 膨大な建築費のため

 バイエルン王国の国庫は破綻の危機に……

 王座を追われたルートヴィヒ2世は湖で不審死……

 ええ、美しいのよ、美しさはピカイチ、なんですけどねえ。

 

「こッちもォ、すごいィでス!」

「がるるるぐるる~!」(←訳:激戦地のお城だ~!)

 

 ドイツ、フランス、イタリアやスペイン、チェコ……と、

 ヨーロッパのお城が取り上げられてゆく中、

 ぽつんとひとつ、浮き上がって見えるのは、

 

 クラック・デ・シュヴァリエ。

 

 中東シリアとレバノンの国境近くの丘陵地、

 標高650mの丘上にそびえるお城です。

 

 そもそもは、この土地にあった砦を

 1099年に攻略した十字軍(聖ヨハネ騎士団)が建て直したもので、

 十字軍に参加した王侯貴族や有力騎士団が駐屯したり、

 敵勢力に奪われたり奪い返したりと、

 “最前線の城“そのものの歴史を辿ってきました。

 いえ、辿っている、と訂正すべきでしょうか……

 

 かつて、

 T・E・ロレンスさんが『世界で最も素晴らしい城』と讃え、

 《世界の名城25選》に選出された城は、

 21世紀の現在、

 武装勢力の拠点となったことで

 シリア空軍による空爆を受け、塔や天井部分が被災、

 その後、ようやく修繕作業が開始されて

 2022年にようやく完了、と思ったら。

 

「いまはァ、いッたいィ~…」

「ぐるるっるがるるる……」(←訳:どうなっているのか……)

 

 王族の住居や、

 政治の場としてのお城はともかく、

 戦地の、紛争地の城に課せられる運命。

 

 美しい、けれど美しいだけでは終わらず、

 深い闇をも抱く城たちの図鑑は、

 お城&建築マニアさんに、

 歴史好きさんにおすすめですよ。

 戦火が一刻一秒も早く止むよう祈りつつ、

 皆さま、ぜひ、一読を。

 

 

コメント
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