「こんにちわッ、テディちゃでス!
むッ? いちごォ、はッけんでスゥ~!」
「がるる!ぐるるがるーる!」(←訳:虎です!果実も冬モード!)
こんにちは、ネーさです。
スーパーマーケットの果物売場では、
真っ赤なイチゴが目立つようになりました。
梨やブドウとはもうお別れなのね~と季節を惜しみつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く ――
著者はポール・ギャリコさん、
原著は1958年に、日本語版は1980年に講談社版が刊行、
画像の角川文庫版は2023年4月に発行されました。
英語原題は『MRS HARRIS GOES TO NEW YORK』、
『ミセス・ハリス パリへ行く』に続くシリーズ第2作です。
2022年、映画化されて話題になった
『ミセス・ハリス、パリへ行く』は、
クリスチャン・ディオール氏のドレスに恋をしたミセス・ハリスが、
パリのディオールのメゾンへ突撃しちゃう
愉快&爽快な物語でした。
ロンドンに戻ってきたハリスさん、
以前と同じに家政婦のお仕事を頑張っておりましたが……。
「あうううゥ! またァきこえるのでスよゥ!」
「ぐるるるるるる!」(←訳:止めさせないと!)
目下、ハリスさんと
親友のバターフィルドさんを悩ませているのは、
怖ろしい物音です。
ハリスさんが住むアパートの一室、
そのお隣りの、ガゼット家から響くのは、
ドスンという音と、
痛そうに泣きじゃくる子どもの泣き声。
子どもの泣き声が何を意味するのか、
長いこと家政婦のお仕事をしている二人には、
もちろん分かっています。
ヘンリー・ブラウン少年は、
両親が離婚したため、
ガゼット家の里子となりました。
ヘンリー少年のための養育費が
米国の父親から送られてきた間は良かったけれど、
そのお金が届かなくなると、
里親たちの態度は一変……!
「むぐぐゥ! ひどいィ~でス!」
「がるぐるるるがるるる!」(←訳:通報できたらいいのに!)
狡猾なガゼット家は、
虐待の証拠をつかませません。
ハリスさんたちは歯噛みしながら、
なんとかヘンリー少年を救い出す方法はないかと
頭をひねっていたところ――
天啓が、新聞紙に!
「えェ~とォ、どれどれッ?」
「ぐるるがるる!」(←訳:社交界消息欄?)
家政婦のお仕事中、
ハリスさんが手にした新聞に載っていたのは、
米国人ジョージ・ブラウン氏の結婚記事。
これは、これはもしや
ヘンリー少年の父親では……!
「ぱぱッ?」
「がるぐるるー!」(←訳:パパですかー!)
少年を救う手段は米国にある、
とハリスさんは察するものの。
大西洋を渡って見知らぬ国へ行くのは、
正直にいうと、怖い。
パリへ行った時と違って、自信がない。
それでも、やっぱり、
じっとしていられないのが“ハリスおばさん”です。
「いざッ、みなとへッ!」
「ぐるるる!」(←訳:新大陸へ!)
海の彼方の国に、
ヘンリー少年の幸福は見つかるのか。
そのために、ハリスさんはどう手を尽くすのか。
ディオールのドレスからつながる
ハリスさんの冒険第2弾を、
皆さま、ぜひ~♪