テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 情報ずっしり!《草双紙》 ~

2023-11-14 22:08:12 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きいろがァ、たりなァ~いィ!」

「がるる!ぐるがるぐる~?」(←訳:虎です!紅葉不足かも~?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今週末(11月18日&19日)は《八王子いちょう祭り》!

 ただ、イチョウの葉がまだ黄金色になっていないような……?

 イベント当日までにきれいな黄色になっていることを期待しつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 江戸の絵本 読解マニュアル ――

 

 

 編者は叢(そう)の会の皆さん、2023年4月に発行されました。

 『子どもから大人まで楽しんだ草双紙の読み方』

 と副題が付されています。

 

 前回記事でご紹介しましたように、

 17世紀の西洋では《ゴシック》美術の華麗な花が咲きました。

 カラヴァッジョさん、ベラスケスさん、フェルメールさん、と

 超々一流アーティストさんが腕を揮った時代――

 日本では?

 

「これェでェ~スゥ!」

「ぐるるるる!」(←訳:可憐なる花!)

 

 慶長8年(1903年)、江戸幕府開府。

 

 江戸の文化が少しずつ成熟してゆくとともに、

 ぽつ、ぽつ、と生まれていったのは、

 《絵双紙》。

 

 木版技術を用いての、

 絵本の形式をもった大衆読み物は、

 18~19世紀の日本で大人気となりました。

 

 この御本では、

 Ⅰ『江戸の絵本=草双紙――本の形と表現方法を知る』

 Ⅱ『絵入り読み物の歴史を知る』

 Ⅲ『草双紙作品の作り方・読み方』

 Ⅳ『草双紙と現在』

 という4部構成で

 《草双紙》の基礎知識と発展の歴史が語られています。

 

「ものくろのォ~せかいィ!」

「がーるるぅるるぐる!」(←訳:オールジャンルだよ!)

 

 版元さんのもと、

 作者さん(文章担当)、

 画工さん(絵を担当)を中心に、

 彫師さん、刷師さんがチームを組んで、

 世に送り出す《草双紙》は、

 歴史エンタあり、

 流行歌の歌詞本あり、

 昔話やホラーや悪人退治、政治ネタ、風刺、

 流行語をふんだんに取り入れたコント風などなど、

 “何でもあり“状態。

 

 ……しかぁ~し。

 躍動感あふれるモノクロームの画を眺めていると、

 どこか既視感が……?

 

「それはァたぶんッ、じゃんぷゥ!」

「ぐるるるるがるるー!」(←訳:マガジンにサンデー!)

 

 私ネーさが想い浮かべたのは、

 水木しげるさんの漫画作品です。

 白と黒で描かれた鬼太郎くんたちの物語世界は、

 ほとんど《草双紙》……!

 

 実際、《草双紙》と現代のマンガの近親性は、

 本文268ページの『マンガから見る草双紙』でも

 詳述されていて、

 《草双紙》の文化は終わったわけではないのだと、

 私たちは思い知らされます。

 

 アクションシーンを描いた画は、

 ゲームの画面に通じるものがありますしね。

 

「いしょうゥにもォ、ちゅうもくゥ!」

「がるるぐるるるがるるるる!」(←訳:当時の流行りが分かります!)

 

 浮世絵とはやや異なっていても、

 言葉遣いから、衣装の形や文様、髪型、調度品など、

 お江戸の時代の最新流行を現代へと伝えてくれる

 《草双紙》の画と文章。

 

 歴史好きさん、

 江戸文化好きな活字マニアさんに、

 おすすめの一冊です。

 中世ファンタジー好きな方々も、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
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