「こんにちわッ、テディちゃでス!
きいろがァ、たりなァ~いィ!」
「がるる!ぐるがるぐる~?」(←訳:虎です!紅葉不足かも~?)
こんにちは、ネーさです。
今週末(11月18日&19日)は《八王子いちょう祭り》!
ただ、イチョウの葉がまだ黄金色になっていないような……?
イベント当日までにきれいな黄色になっていることを期待しつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 江戸の絵本 読解マニュアル ――
編者は叢(そう)の会の皆さん、2023年4月に発行されました。
『子どもから大人まで楽しんだ草双紙の読み方』
と副題が付されています。
前回記事でご紹介しましたように、
17世紀の西洋では《ゴシック》美術の華麗な花が咲きました。
カラヴァッジョさん、ベラスケスさん、フェルメールさん、と
超々一流アーティストさんが腕を揮った時代――
日本では?
「これェでェ~スゥ!」
「ぐるるるる!」(←訳:可憐なる花!)
慶長8年(1903年)、江戸幕府開府。
江戸の文化が少しずつ成熟してゆくとともに、
ぽつ、ぽつ、と生まれていったのは、
《絵双紙》。
木版技術を用いての、
絵本の形式をもった大衆読み物は、
18~19世紀の日本で大人気となりました。
この御本では、
Ⅰ『江戸の絵本=草双紙――本の形と表現方法を知る』
Ⅱ『絵入り読み物の歴史を知る』
Ⅲ『草双紙作品の作り方・読み方』
Ⅳ『草双紙と現在』
という4部構成で
《草双紙》の基礎知識と発展の歴史が語られています。
「ものくろのォ~せかいィ!」
「がーるるぅるるぐる!」(←訳:オールジャンルだよ!)
版元さんのもと、
作者さん(文章担当)、
画工さん(絵を担当)を中心に、
彫師さん、刷師さんがチームを組んで、
世に送り出す《草双紙》は、
歴史エンタあり、
流行歌の歌詞本あり、
昔話やホラーや悪人退治、政治ネタ、風刺、
流行語をふんだんに取り入れたコント風などなど、
“何でもあり“状態。
……しかぁ~し。
躍動感あふれるモノクロームの画を眺めていると、
どこか既視感が……?
「それはァたぶんッ、じゃんぷゥ!」
「ぐるるるるがるるー!」(←訳:マガジンにサンデー!)
私ネーさが想い浮かべたのは、
水木しげるさんの漫画作品です。
白と黒で描かれた鬼太郎くんたちの物語世界は、
ほとんど《草双紙》……!
実際、《草双紙》と現代のマンガの近親性は、
本文268ページの『マンガから見る草双紙』でも
詳述されていて、
《草双紙》の文化は終わったわけではないのだと、
私たちは思い知らされます。
アクションシーンを描いた画は、
ゲームの画面に通じるものがありますしね。
「いしょうゥにもォ、ちゅうもくゥ!」
「がるるぐるるるがるるるる!」(←訳:当時の流行りが分かります!)
浮世絵とはやや異なっていても、
言葉遣いから、衣装の形や文様、髪型、調度品など、
お江戸の時代の最新流行を現代へと伝えてくれる
《草双紙》の画と文章。
歴史好きさん、
江戸文化好きな活字マニアさんに、
おすすめの一冊です。
中世ファンタジー好きな方々も、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪