テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 鎌倉、樹影のアプローチ ~

2023-11-23 22:08:38 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 かんしゃのォ、しゅくじつゥ~でスよゥ!」

「がるる!ぐるるがるるるる~!」(←訳:虎です!いつもありがとう~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日11月23日は《勤労感謝の日》!

 家族に、ちょっぴり自分に、そして

 日本&世界中のエッセンシャルワーカーさんに感謝を送りつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 鎌倉の名建築をめぐる旅 ――

 

 

 著者は内田青蔵(うちだ・せいぞう)さん、

 中島京子(なかじま・きょうこ)さん、2023年10月に発行されました。

 前回記事でご紹介した『日本美術・この一点への旅』は

 “美術館を訪ねる旅の本”でしたが、

 こちらは古都・鎌倉の“名建築を訪ねる旅の本”です。

 

「むかしからァ~だいにんきィ!」

「ぐるがるぐるるるがる!」(←訳:森に海に富士山の絶景!)

 

 将軍・頼朝さんが拓き築いた都市・鎌倉。

 その地理的魅力にいち早く気付いたのは、

 明治初期に来日したドイツ人医師ベルツさん、でしょうか。

 

 温暖な気候、海水浴ができる海岸、

 避暑・避寒のための保養地にぴったりだ!

 

「そこでェ、とんてんかんッ!」

「がるるぐるるる!」(←訳:響くは木槌の音!)

 

 こうして、明治政府の要人さんや大財閥の主さんの別荘が

 鎌倉周辺に陸続と建設されてゆきました。

 ただ残念なことに、

 多くの別荘は関東大震災の際に被災し、

 ほとんど現存していない、といいます。

 

 いや、それでも。

 

 今も美しい外観のまま、

 緑に囲まれてひっそりと、

 静かに佇む洋館、和館、庵がある――

 

 そういった鎌倉の名建築32軒を、

 著者・内田さんはめぐります。

 

「まどがァ、すてきィでスゥ!」

「ぐるがるるぐるるる!」(←訳:海が見える大きな窓!)

 

 《鎌倉の3大洋館》とされるのは、

 『鎌倉文学館(旧加賀前田家別邸)』(1936)、

 『旧華頂宮邸』(1929)、

 『古我邸 邸宅レストラン(旧荘清次郎別邸)』(1916)。

 

 この御本では、

 3館とも丁寧に取材されていて、

 かつては容易に相模湾の海原が、

 富士山の白い峯も望めたであろう大きな窓が

 とても印象に残ります。

 

「でもォ~しんぱいィでス!」

「がるぐるるる……」(←訳:ここ寒そうだ……)

 

 『鎌倉文学館』『古我邸』と違って、

 『旧華頂宮邸』が一般公開されるのは春と秋の年に2回のみ。

 そのせいか、屋内にはどことなく、

 元気がない、ような空気が。

 

 同じく、少々しょんぼりしているように見えるのは、

 F・L・ライトさんの弟子・遠藤新さんが設計した

 葉山の『加地邸』(1928)で、

 これがまあ!

 

 玄関へのアプローチ、石材の使われ方、

 アールデコ風の照明も内装も、

 なんてステキ! 

 さすがはライトさんの高弟とされる遠藤さんの作品だわ!

 と拍手喝采してしまうほどの傑作なんですけど、

 一般の見学は受け付けていない、と……。

 

 建築を完成し維持させるのは、

 やはり、ヒトが行き来し、住まうこと、なのか。

 ヒトが発する熱がないと、

 “家“は冬眠してしまうのか……。

 

「げんきなァおうちもォ、ありまァ~ス!」

「ぐるるがる!」(←訳:現役は強し!)

 

 鎌倉駅すぐ近くの『ホテルニューカマクラ』(1924)、

 若宮大路の『湯浅物産店』(1936)、

 江ノ島駅近くの『星野写真館』(1927)は、

 元気に活動中の建築です。

 壁が呼吸していて、

 窓から射し込む日光は暖色で、

 可愛いらしさが漂いますね。

 

「いきいきィ!」

「がっるるるるぅ~」(←訳:あったかいなぁ~)

 

 森の香と、波の響き。

 鎌倉の人びとに慕われる名建築たち。

 

 中島京子さんのコラム、

 中島さんと内田さんの対談も楽しい一冊は、

 鎌倉散策ガイドとしても活用できますよ。

 特に、F・L・ライトさんのファンの方々は

 必読ですので、ぜひ~♪

 

 

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