「こんにちわッ、テディちゃでス!
かんしゃのォ、しゅくじつゥ~でスよゥ!」
「がるる!ぐるるがるるるる~!」(←訳:虎です!いつもありがとう~!)
こんにちは、ネーさです。
今日11月23日は《勤労感謝の日》!
家族に、ちょっぴり自分に、そして
日本&世界中のエッセンシャルワーカーさんに感謝を送りつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 鎌倉の名建築をめぐる旅 ――
著者は内田青蔵(うちだ・せいぞう)さん、
中島京子(なかじま・きょうこ)さん、2023年10月に発行されました。
前回記事でご紹介した『日本美術・この一点への旅』は
“美術館を訪ねる旅の本”でしたが、
こちらは古都・鎌倉の“名建築を訪ねる旅の本”です。
「むかしからァ~だいにんきィ!」
「ぐるがるぐるるるがる!」(←訳:森に海に富士山の絶景!)
将軍・頼朝さんが拓き築いた都市・鎌倉。
その地理的魅力にいち早く気付いたのは、
明治初期に来日したドイツ人医師ベルツさん、でしょうか。
温暖な気候、海水浴ができる海岸、
避暑・避寒のための保養地にぴったりだ!
「そこでェ、とんてんかんッ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:響くは木槌の音!)
こうして、明治政府の要人さんや大財閥の主さんの別荘が
鎌倉周辺に陸続と建設されてゆきました。
ただ残念なことに、
多くの別荘は関東大震災の際に被災し、
ほとんど現存していない、といいます。
いや、それでも。
今も美しい外観のまま、
緑に囲まれてひっそりと、
静かに佇む洋館、和館、庵がある――
そういった鎌倉の名建築32軒を、
著者・内田さんはめぐります。
「まどがァ、すてきィでスゥ!」
「ぐるがるるぐるるる!」(←訳:海が見える大きな窓!)
《鎌倉の3大洋館》とされるのは、
『鎌倉文学館(旧加賀前田家別邸)』(1936)、
『旧華頂宮邸』(1929)、
『古我邸 邸宅レストラン(旧荘清次郎別邸)』(1916)。
この御本では、
3館とも丁寧に取材されていて、
かつては容易に相模湾の海原が、
富士山の白い峯も望めたであろう大きな窓が
とても印象に残ります。
「でもォ~しんぱいィでス!」
「がるぐるるる……」(←訳:ここ寒そうだ……)
『鎌倉文学館』『古我邸』と違って、
『旧華頂宮邸』が一般公開されるのは春と秋の年に2回のみ。
そのせいか、屋内にはどことなく、
元気がない、ような空気が。
同じく、少々しょんぼりしているように見えるのは、
F・L・ライトさんの弟子・遠藤新さんが設計した
葉山の『加地邸』(1928)で、
これがまあ!
玄関へのアプローチ、石材の使われ方、
アールデコ風の照明も内装も、
なんてステキ!
さすがはライトさんの高弟とされる遠藤さんの作品だわ!
と拍手喝采してしまうほどの傑作なんですけど、
一般の見学は受け付けていない、と……。
建築を完成し維持させるのは、
やはり、ヒトが行き来し、住まうこと、なのか。
ヒトが発する熱がないと、
“家“は冬眠してしまうのか……。
「げんきなァおうちもォ、ありまァ~ス!」
「ぐるるがる!」(←訳:現役は強し!)
鎌倉駅すぐ近くの『ホテルニューカマクラ』(1924)、
若宮大路の『湯浅物産店』(1936)、
江ノ島駅近くの『星野写真館』(1927)は、
元気に活動中の建築です。
壁が呼吸していて、
窓から射し込む日光は暖色で、
可愛いらしさが漂いますね。
「いきいきィ!」
「がっるるるるぅ~」(←訳:あったかいなぁ~)
森の香と、波の響き。
鎌倉の人びとに慕われる名建築たち。
中島京子さんのコラム、
中島さんと内田さんの対談も楽しい一冊は、
鎌倉散策ガイドとしても活用できますよ。
特に、F・L・ライトさんのファンの方々は
必読ですので、ぜひ~♪