「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふァ~…あッというまァ、だッたのでス!」
「がるる!ぐるるがるぐっる……!」(←訳:虎です!今年も高速だった……!)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『どうする家康』第43話《関ヶ原の戦い》は、
日本の運命を決する激戦ですのに、
実質30分足らずで終わってしまいました。
島左近さんの奮闘をもうちょっと見たかったなぁ~と惜しみながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの新書作品を、どうぞ~♪
―― バロック美術 ――
著者は宮下規久朗(みやした・きくろう)さん、
2023年10月に発行されました。
『西洋文化の爛熟』と副題が付されています。
《バロック》の時代とは、いつなのか?
この問いに、著者・宮下さんは御本冒頭の『はじめに』で
答えていわく――
17世紀。
「ふむふむゥ、それッてェ~…」
「ぐるるるがる~!」(←訳:1600年代~!)
関ヶ原の戦いが慶長5年9月15日、
西暦では、ちょうど1600年の10月21日。
つまり、天下分け目の決戦が行われ、
その後、豊臣の血筋と諸将を粉砕した徳川陣営が
江戸に長期政権を確立し……という頃、
はるかな南蛮の地、いえ、西洋諸国では、
こういう美術が花咲いていた、んですね。
カラヴァッジョさんの、光と陰。
ベラスケスさんの、達筆。
ラ・トゥールさんの、光線。
ティエポロさんの、細密。
そして、そう、レンブラントさんもフェルメールさんも、
ルーベンスさんも、造園家ル・ノートルさんも、
17世紀のひと、でした。
「わァおッ! まえすとろォ!」
「がーるぅるぐるぅ!」(←訳:ゴージャスだなぁ!)
ちょっと行ってみたいわ17世紀って♪
なんて思っちゃったりする《バロック》の時代の美術の流れを、
カラー図版を駆使しつつ、
宮下さんは紹介してゆきます。
絵画、彫刻、建築、
庭園(造園)、宮殿装飾……
「しゅびはんいィ、ひろいィ~のでスゥ!」
「ぐるるがるっるぐるる!」(←訳:お庭もバロックなんだ!)
ルネサンスを踏み台にして、
さらに高みを目指すバロックの、雄弁な美。
では、この御本に登場する作家さんに会わせてあげよう、
誰かひとりを選びなさい、と言われたら?
「うッ?」
「がるぅ!(←訳:ううぅ!)
絵画史の《悪の華》カラヴァッジョさんか、
《画家の王》ルーベンスさんか、
《北の画聖》フェルメールさんか。
カラヴァッジョさんについて書かれた章を読んでいると、
著者・宮下さんのカラヴァッジョ愛がひしひしと伝わってきて、
カラヴァ……と即答しかけて、慌てて踏みとどまります。
《王の片腕》ベラスケスさん、
いやぁ、フェルメールさんがいいかなぁ。
「でかけてェみたいィ~でス!」
「ぐるるるるがるるぐる!」(←訳:17世紀へ大時間旅行!)
現代の美術にまでも長く影を引く、
西洋文化のひとつの到達点、
《バロック》の美術。
アート好きさん&歴史好きさんに
激おすすめのノンフィクション作品です。
ぜひ、一読してみてくださいね~♪