テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ころろん、ころん、と海を越えて ~

2023-11-09 22:08:22 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むむッ! ほんきでェ~ころもがえェ!」

「がるる!ぐるるがるぅ?」(←訳:虎です!寒気が来るぅ?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 冬の寒さが数日後にやって来る、と予報が出ていて、

 これは真剣に衣替えしなければ……!

 コートやブーツのお手入れをしながら、

 さあ、空き時間は読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 玉村豊男のポテトブック ――

 

 

 著者は玉村豊男(たまむら・とよお)さん、

 2023年9月に発行されました。

 ポテトだぁ~い好き!という御方は、

 きっと大喜びしちゃう《ポテト本》ですよ。

 

「ほくほくゥ~ぽてとさらだァ!」

「ぐるるるるがるる!」(←訳:シンプルにフライ!)

 

 焼いたり揚げたり蒸したり裏漉ししたり、

 洋食にも和食にも、おつまみにもおやつにも、

 さまざまなシーンでポテンシャルの高さを発揮してくれる

 偉大なる植物――ポテト。

 

 この御本は3つのパートから構成されていて、

 『ポテトをめぐる物語』

 『ジャガイモという不思議な植物』

 『ポテトの調理法』

 のうち、

 レシピを究めたい方々には、もちろん

 『ポテトの調理法』

 がお勧めなんですけれども。

 

 私ネーさが、なるほど~と唸ったのは、

 断然『ジャガイモという不思議な植物』でした。

 

「どこからァ~きたのかッ?」

「がるるぐる?」(←訳:どんな植物?)

 

 ジャガイモくんたちの出身地は、南半球。

 アンデスの山の中の、

 富士山よりも標高が高いチチカカ湖の辺りが生誕の地、でしょうか。

 

 紀元前5世紀、今から7000年くらい前のこと、

 イモをつける草を見つけた住民は、

 それを大切に育て、栽培化に成功した、と思われます。

 

 野生種のジャガイモは、およそ150種。

 そこから、住民たちが栽培化に成功した栽培種は、わずか7種。

 そして、7種のうちのたった1種が、

 16世紀のヨーロッパに伝わりました。

 

「ふァ? たッたァ~ひとつゥ?」

「ぐるがる!」(←訳:1種だけ!)

 

 本文44ページに、著者・玉村さんはこう書いています。

 

    その1種から、

    世界中で5000を超えるともいわれる

    今日のジャガイモ品種が生まれたのだ。

 

 ……ああ、ごく短い文章の向こう側に、

 人類の歴史がぐわーんと起き上がってくるような。

 

「そうだいィ~でス……!」

「がるるるっる!」(←訳:パノラミック!)

 

 おそらく、最初に見つけた野生のジャガイモの実は、

 本当に小さな、小粒な実であったものを、

 選抜と栽培を繰り返し、

 どうにかこうにか“食べられる”実が成るくらいに育て上げ。

 

 そのおイモが大西洋を渡って、

 まったくの異郷で土の違いや天候の違いに苦労して

 やっと受け入れられたところで、

 疫病で全滅しかけたり、

 頑丈な新品種が作られたり、

 気付けば、ジャガイモは

 文字通り“世界中“に。

 

「のォーぽてとォ、のォーらいふゥ!」

「ぐぅるるるがるるるぐるがる!」(←訳:ジャガイモなくして人類なし!)

 

 形は地味でも、

 私たち人間が必要とするもの。

 なくてはならないもの。

 

 エッセイとして、

 歴史ノンフィクションとして、

 レシピ本としても読める

 ユニークなポテトブックです。

 美味しいもの好きな方々も

 歴史マニアな活字マニアさんも、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

コメント
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