「こんにちわッ、テディちゃでス!
むむッ! ほんきでェ~ころもがえェ!」
「がるる!ぐるるがるぅ?」(←訳:虎です!寒気が来るぅ?)
こんにちは、ネーさです。
冬の寒さが数日後にやって来る、と予報が出ていて、
これは真剣に衣替えしなければ……!
コートやブーツのお手入れをしながら、
さあ、空き時間は読書タイムですよ。
本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪
―― 玉村豊男のポテトブック ――
著者は玉村豊男(たまむら・とよお)さん、
2023年9月に発行されました。
ポテトだぁ~い好き!という御方は、
きっと大喜びしちゃう《ポテト本》ですよ。
「ほくほくゥ~ぽてとさらだァ!」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:シンプルにフライ!)
焼いたり揚げたり蒸したり裏漉ししたり、
洋食にも和食にも、おつまみにもおやつにも、
さまざまなシーンでポテンシャルの高さを発揮してくれる
偉大なる植物――ポテト。
この御本は3つのパートから構成されていて、
『ポテトをめぐる物語』
『ジャガイモという不思議な植物』
『ポテトの調理法』
のうち、
レシピを究めたい方々には、もちろん
『ポテトの調理法』
がお勧めなんですけれども。
私ネーさが、なるほど~と唸ったのは、
断然『ジャガイモという不思議な植物』でした。
「どこからァ~きたのかッ?」
「がるるぐる?」(←訳:どんな植物?)
ジャガイモくんたちの出身地は、南半球。
アンデスの山の中の、
富士山よりも標高が高いチチカカ湖の辺りが生誕の地、でしょうか。
紀元前5世紀、今から7000年くらい前のこと、
イモをつける草を見つけた住民は、
それを大切に育て、栽培化に成功した、と思われます。
野生種のジャガイモは、およそ150種。
そこから、住民たちが栽培化に成功した栽培種は、わずか7種。
そして、7種のうちのたった1種が、
16世紀のヨーロッパに伝わりました。
「ふァ? たッたァ~ひとつゥ?」
「ぐるがる!」(←訳:1種だけ!)
本文44ページに、著者・玉村さんはこう書いています。
その1種から、
世界中で5000を超えるともいわれる
今日のジャガイモ品種が生まれたのだ。
……ああ、ごく短い文章の向こう側に、
人類の歴史がぐわーんと起き上がってくるような。
「そうだいィ~でス……!」
「がるるるっる!」(←訳:パノラミック!)
おそらく、最初に見つけた野生のジャガイモの実は、
本当に小さな、小粒な実であったものを、
選抜と栽培を繰り返し、
どうにかこうにか“食べられる”実が成るくらいに育て上げ。
そのおイモが大西洋を渡って、
まったくの異郷で土の違いや天候の違いに苦労して
やっと受け入れられたところで、
疫病で全滅しかけたり、
頑丈な新品種が作られたり、
気付けば、ジャガイモは
文字通り“世界中“に。
「のォーぽてとォ、のォーらいふゥ!」
「ぐぅるるるがるるるぐるがる!」(←訳:ジャガイモなくして人類なし!)
形は地味でも、
私たち人間が必要とするもの。
なくてはならないもの。
エッセイとして、
歴史ノンフィクションとして、
レシピ本としても読める
ユニークなポテトブックです。
美味しいもの好きな方々も
歴史マニアな活字マニアさんも、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪