テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 町々の面差し ~

2022-07-21 21:07:21 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おォ~! みィ~つけたァのでス!」

「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!抜け殻だよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 新しい蝉の抜け殻を庭で発見!

 なので、2022年は蝉がいないという噂は

 やっぱり噂に過ぎなかったんだわ、

 これから騒々しくなるのね~と予感しながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― おとめ長屋 ――

 

 

 著者は鷹井伶(たかい・れい)さん、

 2022年4月に発行されました。

 『女やもめに花が咲く』と副題が付されています。

 

 《おとめ長屋》……といっても、

 えーとですね、

 《おとめ》は《乙女》ではありません。

 

 《おとめ》とは、すなわち

 《おトメ》なる人名でございまして。

 

「ぷふふッ♪」

「ぐるるっ!」

 

 《おとめ長屋》と名乗るからには、

 麗しい乙女ばかりが住み暮らす長屋であろうかと

 想像した方々もおられましょうが、

 まあ、ほんのちょっぴりなら、

 当たっていなくもないんです。なぜなら。

 

 住人さんは、みな女性。

 

「それはァ、かわッてるゥのでスゥ!」

「がるるぐる!」(←訳:珍物件かも!)

 

 物語の主人公、

 千春(ちはる)さんは、

 このところ不運続きです。

 

 小間物問屋に住み込みで働いていたのですが、

 お店が潰れてしまい、

 錺(かざり)職人をしているボーイフレンドの家に

 転がり込んだけれども、

 追い出されてしまって。

 新しい職場でも上手くゆかず、

 もうドン詰まり……。

 

「あァ~…それはァ、つらいィよねェ~…」

「ぐるるるる……」(←訳:涙ぽろぽろ……)

 

 江戸の町はこんなに広いのに、

 どこにも行くところ、

 住むところがない――

 

 涙で顔をぐしゃぐしゃにしている千春さんに

 声を掛けてくれたのは、

 お涼(りょう)という女性。

 

 美人のお涼さんは、

 腹ペコの千春さんにお蕎麦を御馳走し、

 教えてくれたのです。

 《おとめ長屋》の存在を。

 

 住民は女性限定。

 だから、あんたみたいに

 男運の悪い人間には

 向いているかもしれないよ?

 

 これに、千春さんは頷きます。

 《おとめ長屋》……良さそうじゃないの!

 

「そうとォ、決まればァ~」

「がるぐるる!」(←訳:いざ引越し!)

 

 女性ばかりが住む長屋……

 いえ、正確を期すなら、

 “ワケあり?“な女性ばかりが住む

 《おとめ長屋》。

 

 主役は千春さん、ではありますが、

 人々が行き交う江戸の町が主役でもあるような

 ユニークな物語です。

 昔むかしの町々の息遣いを想い浮かべつつ、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♫

 

 

 

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~ 《ざんねん!》を踏み台に ~

2022-07-20 21:25:47 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あうゥ~…ばてばてェでスゥ~…」

「がるる!ぐるがるるるる~…」(←訳:虎です!秋よ来ておくれ~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 猛暑だったり戻り梅雨だったり、

 体力と気力を消耗する7月……

 こんな時は、クスっと笑える御本で読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、さあ、どうぞ~♫

  

 

 

   ―― やっぱり ざんねんないきもの事典 ――

 

 

 監修は今泉忠明(いまいずみ・ただあき)さん、

 2022年4月に発行されました。

 大人気の《ざんねんないきもの事典》シリーズ

 第7作には、『また見つかった!』

 と副題が付されています。

 

「いッしょうゥけんめいィ~なのにィ!」

「ぐるるるがる!」(←訳:どこかが残念!)

 

 1作目から続く

 《ざんねん》系動物&植物の掘り起こしは、

 まだまだこの『やっぱり』編でも続きます。

 つまり、それほど世界は

 《ざんねん》に満ちているってことですね。

 

 この御本でも、

 ええ、《ざんねん》っぷりで

 輝いているいきものたちは数知れず。

 例えば――

 

 『オオミミギツネの歯は

  48本もあるが すべてもろい』

 

 『サメは引っくり返っただけで

  気絶してしまう』

 

 『ホッキョクグマは

  悲しいくらい狩りが下手』

 

「よんじゅうゥ~はッぽんッ?」

「がるるぐるるる?」(←訳:気絶に狩り下手??)

 

 アフリカの砂漠に生息するオオミミギツネは、

 48本もの歯を持っていて、

 これは食肉類(イヌやネコなどの仲間)では最多です。

 が、すべての歯がとても脆いので、

 大きな肉や硬い物は食べられない……。

 

 サメは、仰向けになると

 反射的に意識を失ってしまい、

 擬死状態になると15分ほど動けなくなって、

 溺れて本当に死んでしまうこともある……。

 

 ホッキョクグマの狩りの成功率は、

 50回に1回……って、

 大丈夫なの、それで? マズいんじゃない?

 

「だいじょぶじゃないィでスゥ~!」

「ぐるるがるるるる!」(←訳:成功率上げないと!)

 

 ホッキョクグマさんの“のほほ~ん“な狩りっぷりに

 呆然とさせられましたが、

 ええ、います。

 “のほほ~ん“度では負けず劣らず!な

 いきものが、他にも。

 それは――

 

 シーラカンス。

 

「あはァ! あのッ!」

「がっるるる!」(←訳:でっかい奴!)

 

 硬骨魚類(こうこうつぎょるい)、

 アフリカ南東部の深海に棲み、全長1.8メートル。

 約3億5千万年前から殆ど姿が変わっていないとされる

 《生きた化石》。

 

 そのシーラカンスくん、

 『おとなになるまで55年かかる』

 んですって。

 

 50歳くらいで、ようやく人間なら高校生の年代。

 加えて、

 メスの妊娠期間は、5年。

 そして寿命は、約100年。

 

「なにもかもォ、のんびりィ??」

「ぐるがるぐるるるる!」(←訳:よく生存できたねえ!)

 

 光も差し込まぬ深海だけれど、

 のんびり、のほほんと過ごしていれば、

 長生きが身についてしまう、のでしょうか。

 シーラカンス一族、畏るべし。

 

 と、笑ったりビックリしたりの

 《ざんねんないきもの》たちの最新名簿は、

 小学生さんたちはもちろん、

 大人な活字マニアさんにも

 おすすめですよ。

 

 長所にも短所にもなる

 いきものたちの壮絶華麗な《ざんねん》っぷり、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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~ 世紀の彼方へ 旅をする ~

2022-07-19 21:27:52 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あかとんぼォ~みィつけたッ!」

「がるる!ぐるるるるがる!」(←訳:虎です!ホバリング美技!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 我家のジャングルな庭を周遊しているのは、

 赤トンボ……??

 動きが速過ぎて写真にも撮れぬ彼(彼女?)の

 正体ははたして?と悩みながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの雑誌を、どうぞ~♫

  

 

 

    ―― mr partner 2022年 8月号 ――

 

 

 英国の伝統文化や旅行情報、

 映画やドラマポップカルチャー好きな方々に人気の雑誌

 『ミスター・パートナー 8月号』は

 現在発売中の最新号です。

 この8月号で特集されているのは、

 《ロンドン・ドラマのあるレストラン&カフェ》。

 

「あはァ! さんどいッちにィ、やきがしィ!」

「ぐるるがーる!」(←訳:最先端フード!)

 

 英国料理で美味しいのは朝食だけ、

 なんて言われていたのは過去のことで、

 現在のロンドンは世界各地からやって来た

 腕利き料理人さんのお店で大賑わい♪

 だそうですが、

 えへん、

 それはさておき。

 

 この『mr partner8月号』で

 これは!と私ネーさが感激いたしましたのは、

 巻頭の特集とは別のページの、

 或る記事なんです。

 

「うむッ? これェでスかッ?」

「がるぐーる!」(←訳:36ページ!)

 

 《英国初の日本人貴族 黒川玉の生涯》。

 

 36ページから40ページにかけて、

 肖像写真とともに掲載されているのは、

 黒川玉(くろかわ・たま)さんという、

 日本人女性についての記事です。

 

 外国で貴族になった日本人、

 つまり外国の上流階級の男性と結婚した日本人女性、といえば、

 クーデンホーフ=カレルギー光子さん(1874~1941)が有名ですが、

 黒川玉さんの場合も、

 結婚相手はヴィクトリア女王から《sir》の称号を賜った

 英国人男性でした。

 

 エドウィン・アーノルド卿(1832~1904)、

 デイリー・テレグラフ紙の編集長を務めた

 仏教学者、日本文化研究家さんです。

 

「しんぶんきしゃさんでェ、がくしゃさんッ?」

「ぐるがるるぐる!」(←訳:日本文化の研究!)

 

 エドウイン卿が日本滞在時に出会い、

 結婚した女性が、玉さん、であったわけですが……

 

 玉さんの生い立ちは謎に包まれている、と

 記事は伝えています。

 出身は、仙台?

 父親の名は、モウキチあるいはモキチ?

 落ち着いた上品な英語を話した、

 というのは明治の日本人では珍しいことよね?

 いったい、玉さんは何者だったのか……?

 

「ふしぎなァ、おかたでス!」

「がるるぐる!」(←訳:波乱の人生!)

 

 19世紀末、日本から英国へ。

 そこにはどれほどの困難があったことでしょうか。

 芸術的な衣装のセンスを絶賛され、

 かと思うと嫉妬され、疎外され、

 エドウィン卿が亡くなった後、

 ようやく上流階級で認められるようになって、

 そして20世紀。

 

 第一次世界大戦で日本は英国の同盟国でしたが、

 第二次世界大戦では、敵国……。

 

「たいへんなァじだいィ、だッたのでス!」

「ぐるがるるるぐるる……!」(←訳:想像するのもつらい……!)

 

 1962年、玉さんは英国南部の

 ケント州ブロムリーで永眠に就きました。

 36ページと39ページには

 玉さんのお写真が載っていて、

 とりわけ36ページの盛装姿の美しいこと!

 

 玉さんについて知りたい、

 肖像写真を見てみたい!という御方は、

 『mr partner8月号』を手に取ってみてくださいね。

 近代史好き&明治好きな活字マニアさんも、

 ぜひ、玉さんの記事に注目してみてくださいな。

 おすすめですよ~♪

 

 

 

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~ お江戸のお部屋、拝見しましょ ~

2022-07-18 21:30:31 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふわわァ~…こわかッたでスよゥ!」

「がるる!ぐるーるーるがる!」(←訳:虎です!パワーゲームだね!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 2週間ぶりの放送となった大河ドラマ『鎌倉殿の13人』……

 権力欲って怖いわ……闇だわ……と戦慄いたしました。

 打って変わって本日の読書タイムでは、

 面白い!そうなんだ!

 と楽しくなっちゃう御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

       ―― 江戸で部屋さがし ――

 

 

 著者は菊地ひと美さん、2022年5月に発行されました。

 前回記事に続いての“江戸もの”ですが、

 こちらは、ノンフィクショナルなビジュアルブックです。

 

「ほほゥ? なるほどォ~!」

「ぐるるっるるるる!」(←訳:こうなってるんだ!)

 

 江戸期を時代背景とする小説において、

 頻繁に登場するのは

 長屋、という存在です。

 

 世界有数の大都市であった江戸の町で、

 庶民が暮らすのは、

 一戸建て住宅ではなく、長屋、でした。

 

「どらまでェ、おなじみィ~!」

「がるぐる!」(←訳:映画でも!)

 

 そうですね、映画やドラマで映し出される長屋は、

 大勢の住人さんたちが賑やかに行きかい、

 洗濯物が風にはためき、

 井戸があって、厠があって……

 

 でも、住居部分の内部構造は?

 借りる方法は?

 どんな職種のひとがいるの?

 

 といった数々の疑問に

 著者・菊地さんが答えてくれるのが、この御本です。

 

「これがァ、ひょうじゅんさいずゥ?」

「ぐるっ!」(←訳:狭いっ!)

 

 第一部『町人』で解説されているのは、

 裏長屋(うらながや)の

 九尺二間(四畳半)長屋の室内や、

 職人さんが住む作業場つきの長屋など

 一般的な市民向けの長屋、

 商家さん向けの

 店舗と住居一体型の表店(おもてだな)、

 それに、

 大通りに面した有名なお店の間取り……

 

 ああ、そうかぁ、

 商家は間口に税がかかる、ということで、

 間口の広さ次第で月額の店賃が異なるって

 聞いたことはあったけど、

 実際はこんな造りになっているのね。

 

「うなぎのォ、ねどこォ?」

「がるる~!」(←訳:細長い~!)

 

 庶民さんの家財道具、

 裕福な商家のお嬢さんの嫁入り道具、

 店賃の安い長屋に畳みはなし、

 庭つき&広めの裏長屋もある。

 

 ふうむ、と感心しながらページを捲ってゆけば、

 あら、第二部は『武家』ですって。

 

「こちらもォ、しゅやくゥでス!」

「ぐるるがる!」(←訳:江戸の住民!)

 

 武家のお屋敷、と言っても色々あります。

 上級武士の拝領屋敷。

 下級武士の組屋敷。

 八丁堀の与力や同心の組屋敷。

 締めくくりは、

 尾張藩の下屋敷図をちょっと拝見。

 

「ひッろォ~いィッ!」

「……がるるるる?」(←訳:……広すぎない?)

「まいごにィなりそうゥ~…」

「ぐるがるるる!」(←訳:絶対なりそう!)

 

 四畳半の裏長屋に始まって、

 お殿さまのお屋敷まで。

 ここが、江戸の人々の“暮らす“場所。

 

 イラストや間取り図、長屋側面図、

 庶民の装い等も分かりやすく紹介されていて、

 歴史好きな活字マニアさんに、

 映画&ドラマ好きな方々に

 激おすすめの一冊です。

 本屋さんで目にしたら、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

 

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~ いつだって、いちばん可愛いのは ~

2022-07-17 21:29:24 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 うむゥ! おもしろォ~どらまァでしたでス!」

「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!次回も必見!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 7月に入って新作TVドラマが始まりましたね。

 昨日7月16日に放送開始の『初恋の悪魔』、

 たいへん笑わせていただきました♫

 次回も見るぞぉ~とココロに期しつつ、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

  

 

 

        ―― 大江戸猫三昧 ――

 

 

 編者は澤田瞳子(さわだ・とうこ)さん、

 初版は2004年に、

 画像の新装版は2017年2月に発行されました。

 『時代小説アンソロジー』と副題が付されています。

 

「しゅやくはァ、もッちろんッ!」

「ぐぅるるがるる!」(←訳:ニャンコだよう!)

 

 大江戸……と聞いて、

 地下鉄大江戸線の長~いエスカレーターが

 なぜか脳裏に浮かんできた私ネーさですが、

 はい、この御本に収録されている作品10篇の舞台は、

 東京ではなく、江戸。

 

 著者は、収録順に(せーの!)、

   岡本綺堂さん、古川薫さん、

   森村誠一さん、池波正太郎さん、

   島村洋子さん、光瀬龍さん、

   海野弘さん、高橋克彦さん、

   小松重男さん、平岩弓枝さん、

 という豪華な顔ぶれです。

 

「あれれッ? めずらしィ!」

「がるぐるるるる!」(←訳:あの作家さんが!)

 

 ええ、これはレアだわね、と思ってしまうのは、

 海野弘さん。

 

 近年はアートブック監修で大活躍&大好評!

 美術評論、歴史ノンフィクションのジャンルでも

 名を馳せている海野さんが紡ぐ

 “江戸の猫“のお話は……

 本文221ページの

 『大工と猫』です。

 

「おえどのォ、したまちィ?」

「ぐるるがる!」(←訳:長屋の一隅!)

 

 語り手の《私》は、

 長屋暮らしの、“貧乏学者“さんです。

 

 木枯らしの吹く寒い日、

 破れ戸を修理することさえ覚束ず

 あたふたしていたところを、

 上手に修理してくれたのは

 大工の安五郎さん。

 

 その時以来、

 安五郎さんは、

 先生、先生、と慕って、

 《私》のもとを訪れるようになりました。

 

「うまがァ、あうのでスゥ!」

「がるるぐるる~♪」(←訳:気軽にお喋り~♪)

 

 人の好い安五郎さん、

 隣りの家の棚を作ってやったり、

 塀を直したりと、

 長屋の人たちに気に入られています。

 特に、安五郎さんが彫る木の猫の玩具は

 子どもたちに大人気。

 

 てのひらサイズの猫の可愛らしさに、

 《私》の頬も緩みますよ。

 

「いまにもォ、うごきだしそうゥ!」

「ぐるるがるるぐるるる?」(←訳:売りに出せばいいのに?)

 

 商売にしてみれば?

 きっと売れるよ!と勧められても、

 安五郎さんは首を横に振るだけ。

 

   好きな時に彫って、

   子どもの玩具に、と誰かにあげてしまう。

   それでいい。

   こどもが嬉しがってくれりゃ、それでいい――

 

 それは、何か仔細あってのことなのでしょうか。

 話を聞かせておくれとせがむ《私》に、

 安五郎さんが語るのは、

 ゴンという猫の思い出です。

 

「ほぼォ、のらねこッ!」

「がるるぐる?」(←訳:迷い猫かも?)

 

 安五郎さんに言わせれば、ゴンは

 “こきたねえ“猫。

 美味しい魚を買ってきてやっても、

 むしゃむしゃ食って、

 あとはごろごろ寝ているばかり。

 

 そんなゴンと毎日を過ごすことで

 安五郎さんが得たものは……?

 

「しィ~ッ! そのォさきはァ~」

「ぐるるるがる!」(←訳:ネタバレ厳禁!)

 

 障子ごしの陽の光のような、

 ほんわりとあたたかな気配。

 揺れる尻尾と、

 喉からもれるゴロゴロ音。

 

 かわいいニャンコも、

 怖~いニャンコも、

 ワケありなニャンコも登場する

 時代小説アンソロジーは

 ニャンコ好きな方々に、

 歴史好きな活字マニアさんにも

 おすすめです。

 

 いちばん可愛いのはウチの子よ!

 と確信している愛猫家の皆さまも、ぜひ♫

 

 

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~ あのクマたちが、やって来た♪ ~

2022-07-16 21:21:03 | ミュゼ

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 なつのォ~さんれんきゅうゥ~!」

「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!気分はお出掛け!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 週末と海の日を合わせての三連休は、

 ええもう、読書タイムをちょちょいっとオフにして、

 お出掛けゴコロを刺激する

 展覧会情報をお送りしますよ。

 さあ、↓こちらを、どうぞ~♫

  

 

 

     ―― 《クマのプーさん》展 ――

 

 

 東京・立川市のPLAY!MUSEUMにて、

 会期は2022年7月16日~10月2日(会期中無休)、

 『ようこそ、プーと仲間たちの森へ』

 と副題が付されています。

 

「おおおォ! われらがァあにきィ~!」

「ぐるるるがるる!」(←訳:クマ界の一番星!)

 

 アラン・アレクサンダー・ミルンさん(1882~1956)作

 『クマのプーさん』(1926)、

 『プー横丁にたった家』(1928)

 の挿絵を描いた画家さんといえば――

 

 アーネスト・ハワード・シェパードさん(1879~1976)。

 

 この展覧会では、

 シェパードさんによる原画約100点が展示されますよ。

 どんな作品かといいますと――

  

「あはァ! これはァ~♪」

「がるぐる~♫」(←訳:いい感じ~♫)

 

 チラシ(フライヤー)の内側は、

 はいっ、↓こちら!

  

「ちずゥ~でスねッ!」

「ぐるるる!」(←訳:百町森の!)

 

 プーさんたちが暮らす、百町森。

 展覧会場にはこの森を模した空間が造られ、

 また、百町森のモデルとされる

 イングランド南部のアッシュダウンの森の映像も

 インスタレーション展示されます。

 

 《クマのプーさん》2作品と、

 ミルンさんの詩集『クリストファー・ロビンのうた』

 『クマのプーさんとぼく』の挿絵原画も

 出展されるシェパードさんの展覧会へ、

 児童文学好きな活字マニアさんは、

 ぜひ、お出掛けくださいね♪

 

 (チケットは日時指定制となっていますので、

  購入の詳細については

  ミュージアムのHPをご参照くださいな)

 

 

   では、ここで美味しいオマケ画像も!

   

   「めろんッ??ぱんッ??」

   「がるるぐる!」(←訳:メロンパン!)

   

   『チロルチョコ』さんの新作は……ふふふっ、

   《メロンパン》!

   んもうパッケージデザインを見るだけで、

   なんだか楽しいわ♪

   「おあじはァ~…」

   「ぐるるがる!」(←訳:メロンパン!)

   美味しいおやつお菓子を頬張りながら、

   皆さま、どうか穏やかな連休を♫

 

 

 

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~ ニャンコたちの輪舞とフーガ ~

2022-07-15 21:30:27 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ごろにゃにゃァ~んッ!」

「がるる!ぐるるるるる!」(←訳:虎です!ごろごろろん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 猫が顔を洗ったなら、雨が降る……?

 今日もどこかでニャンコたちが顔を洗ったのでしょうか、

 屋根を叩く雨粒の音を聴きながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日はこちらの御本を、どうぞ~♫

  

 

 

       ―― 猫弁と幽霊屋敷 ――

 

 

 著者は大山淳子(おおやま・じゅんこ)さん、

 2022年5月に発行されました。

 《猫弁》こと

 弁護士の百瀬太郎(ももせ・たろう)さんを主人公とする

 人気シリーズの最新作です。

 

 東京・新宿の、

 傾きかけたビルの1階にある

 『百瀬法律事務所』では――

 

「おおぜいのォ、ごろにゃんッ!」

「ぐるがるるる~!」(←訳:数え切れない~!)

 

 えーと、あっちに1尻尾、そっちに2尻尾、

 こっちにも3尻尾……合計17尻尾、

 つまり猫が17匹。

 

 ここペットホテル?と錯覚しかけますが、

 いえ、本当の本当に法律事務所で、

 所長の百瀬さんは優秀な弁護士さんです。

 ただ、お人好しなのも、本当のことで。

 

 行き場のないニャンコを預かっていたら、

 いつの間にか、17匹……。

 

「ところがッ?」

「がるぐるがる?」(←訳:妙に静かだね?)

 

 強硬手段に出たのは、百瀬さんの友人である

 獣医の 柳まこと さん。

 

 ここは猫密度が高過ぎる!

 と、猫を引き取ってくれる人を探すべく、

 《にんにゃんお見合いパーティー》へと

 ニャンズを連れていってしまったのでした。

 

 という次第で、

 猫たちのいない事務所はいつもより

 広々としていて、静かで。

 

「ふァ~…でもォ、しずかァすぎてェ~…」

「ぐっるがるるるるる~…」(←訳:却って落ち着かない~…)

 

 いえ、静寂な空間に戸惑っている暇はありません。

 依頼人さんがやって来て、

 ただいま百瀬さんと面談中です。

 この依頼人さんという御方がまた、

 ちょっと変わっていて……

 

 幽霊屋敷の持ち主?

 

「うぎゃぎゃッ! やめてェ~!」

「がるるるぐるるるるるがる!」(←訳:そんなの持ちたくないよう!)

 

 知らないうちに

 親から不動産を受け継いでいた依頼人さん。

 

 結果として、

 管理が行き届かなくなったその家屋は、

 幽霊屋敷だ!と

 近隣やSNS上で有名になってしまったのです。

 

 区役所からの通達などもあり、

 問題解決に乗り出した依頼人さんですが、

 幽霊屋敷をなんとかする、って……

 う~ん、どうしたらいいんでしょう?

 

「せんせいィ、でばんッでスよゥ~!」

「ぐるるがるぐる!」(←訳:先ずは検分から!)

 

 幽霊屋敷の実地検分に向かう百瀬さん。

 その一方で、

 里親探しに参加したニャンズの身の上に迫る

 かつてない危機……!

 

 幽霊屋敷や

 新たな飼い主を見つけるパーティー、

 依頼人さんの抱える過去、と

 関係なさそうないくつもの出来事が

 やがて渦となって収斂してゆく長編ミステリは

 ミステリ好きさん&愛猫家さんに

 おすすめですよ。

 連休の読書タイムに、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

 

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~ その時、何が起きたのか ~

2022-07-14 21:29:33 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ううゥ~むゥ! まんげつゥなのにィ~…」

「がるる!ぐるる~…」(←訳:虎です!雨雲が~…)

 

 こんにちは、ネーさです。

 7月13日~14日の満月は今年最大のスーパームーン!

 雨雲のはるか上方をゆく

 まぁるいお月さまを想い描きながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

   ―― 大惨事(カタストロフィ)の人類史 ――

 

 

 著者はニーアル・ファーガソンさん、

 原著は2021年に、

 画像の日本語版は2022年6月に発行されました。

 英語原題は『DOOM THE POLITICS OF CATASTROPHE』、

 “世界で最も著名な歴史家“と評される著者さんの最新刊です。

 

「ずッしりィ~でスゥ!」

「ぐるぅるがる!」(←訳:ヘヴィな大作!)

 

 人類を《存亡の危機》に、

 《破滅》に追い込むものとは、

 いったい何なのか――

 

 この重要な命題に答えるかのように、

 御本冒頭の

 『日本語版刊行に寄せて』(2022年3月記述)に於いて

 著者・ファーガソンさんは

 ロシアのウクライナ侵略に言及し、

 憂慮しています。

 

 戦争がどれほど大きくなり、

 どれほど長引くかは知りようがない――

 

「ふゥ~…いまもォまだァ~…」

「がるるぐるるる~…」(←訳:出口は見えない~…)

 

 現在進行形の《惨事》と、

 かつて人類に襲いかかった数知れぬ《惨事》。

 

 本文で取り上げられるのは、

 地震や津波による巨大な被害、

 火山の噴火が引き起こす地球規模の災害、

 飛行機や宇宙船の墜落事故、

 船舶の沈没、

 食糧不足を端とする飢饉、

 原子力発電所の事故、

 ダムの決壊による洪水・水害など、

 ありとあらゆる《惨事》ですが、

 やはり、

 “これを避けては通れない”のは。

 

 コロナパンデミック。

 

「いつまでェ~つづくゥ?」

「ぐるっるがるるるぅ!」(←訳:終わって欲しいよぅ!)

 

 まだ終わっていない惨事の歴史を書くのは、

 見たところ不可能だ、

 と前置きしつつも、

 ファーガソンさんは情報の収集と分析を止めません。

 

 “それ“は、いつ始まったのか。

 封じ込める機会を逸してしまった理由は。

 コロナの正体とその危険性とは。

 過去に人類を襲った幾多の疫病と、

 今回のパンデミックに違いはあるのか。

 各国の対処法への評価は。

 

 そして、

 病魔はどんな爪痕を

 私たちの上に残してゆくのか……。

 

「かなしいィできごとはァ、もうゥいらないィでス!」

「がるるるぐるる!」(←訳:どこかに希望を!)

 

 有名な絵画作品、

 SFやディストピア小説を引用しつつ、

 ファーガソンさんが描き、掘り起こす

 《惨事》の残像と、現在図。

 

 重厚なノンフィクション作品は、

 内容も充分以上に重量級です。

 全活字マニアさんの皆さま、ぜひ~♪

 

 

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~ 空想世界を大銀幕に ~

2022-07-13 21:09:10 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 おおきなァ、すくりィ~んッ!」

「がるる!ぐるがーるる!」(←訳:虎です!響くテーマ曲!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 7月も半ばを過ぎると、夏休み映画が続々公開!

 来週は『キングダム2』や《ジュラシック》シリーズ新作も!

 そこで本日の読書タイムは、

 映画をテーマにしたこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 轟く ――

 

 

 著者は小林淳(こばやし・あつし)さん、

 2022年5月に発行されました。

 『東宝空想特撮映画 1954-1984』

 と副題が付されています。

 

 はい! 《空想特撮映画》と聞いただけで、

 心拍数が上がっちゃいますね。

 

「かいじゅうゥはァ、にほんえいがのォ~あいどるゥ!」

「ぐるるがるるぐるるる!」(←訳:いまや世界のアイドル!)

 

 海外でも通用するという単語、KAIJU。

 ただし、この御本では、

 KAIJUの王たるゴジラくんは登場せず、

 ゴジラ作品以外の《空想特撮映画》――

 『透明人間』(1954年)から

 『さよならジュピター』(1984年)

 までが取り上げられています。

 

「ごじらァくんはァ、もうッ!」

「がるぐるるる!」(←訳:別枠なんだね!)

 

 著者・小林さんは、

 1954年を始まりとして、

 30年の間に制作&公開された東宝《空想特撮映画》の

 監督・特技監督・音楽・脚本などスタッフ名、

 主な出演者と粗筋を紹介し、

 映画が公開された当時の社会状況までも

 解説の中に組み込んでゆきます。

 

 たとえば……

 『モスラ』(1961年)。

 

 監督は本多猪四郎さん、特技監督は円谷英二さん、

 音楽は古関裕市さん。

 ゴジラ、ラドンに続く

 東宝怪獣のスターがこの作品で爆誕!となった訳ですが……

 1961年(昭和33年)あたりから

 映画人口の減少が明らかになり始めていました。

 

 それでも、

 “アメリカのコロンビア・ピクチャーズと提携!”

 “世界同時公開!”

 を掲げての『モスラ』上映は、

 古関さんの素晴らしい楽曲に彩られながら、

 《怪獣映画》を大娯楽映画へ、

 老若男女が気楽に楽しめる

 エンターテインメント映画への昇格を成し遂げた、

 と小林さんは解析します。

 

「もすらがァあばれるゥばめんもォ~」

「ぐるがるるるぐっるがるる!」(←訳:円谷特撮史上トップクラス!)

 

 『モスラ』伝説はまだ終わりません。

 2021年には、

 “幻”とされていた序曲つき『モスラ』が

 4Kデジタルリマスター化されて上映に到ったことを

 小林さんは抑えた筆致で熱く記します。

 これが、古関裕而さんの音楽世界に包まれた

 唯一の《空想特撮映画》であると。

 

「ぶらぼォ~!」

「がるるるる!」(←訳:観てみたい!)

 

 『空の大怪獣 ラドン』(1956年)、

 『怪談』(1965年)、

 『クレージーだよ 奇想天外』(1966年)、

 『日本沈没』(1973年)、

 『火の鳥』(1978年)……

 

 数多の作品に刻まれた

 “映画人“さんの思いと、功績。

 

 20世紀後半の日本映画が好き!

 怪獣も!特撮も!SFも好き!

 という映像マニアさんに

 激おすすめの一冊です。

 著者・小林さんに労いの拍手を送りつつ、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

 

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~ カムバック その雄姿と叡智 ~

2022-07-12 21:30:26 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 せみくんッ、ゆくえェふめいィ~??」

「がるる!ぐるるるるるるる?」(←訳:虎です!どうしたんだろう?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今年は蝉の声がしない……と噂になっていますね。

 蝉よ、いったいどこに行っちゃったんだ?

 と《?》に悩む日の読書タイムは、

 さあ、↓この御方に謎解きをお願いしてみましょう~♪

  

 

 

    ―― ミステリマガジン 2022年5月号 ――

 

 

 《カムバック、古畑任三郎》特集号は、

 2022年3月に発行されました。

 表紙の古畑さん、いえ、田村正和さんの、

 なぁんて格好よろしいことでしょう♪

 

「おしゃれェ~なのでスゥ!」

「ぐるる!」(←訳:特別感!)

 

 田村正和さんという

 “特別なスター“が演じる“特別な探偵”――

 古畑任三郎(ふるはた・にんざぶろう)警部補。

 

 この号では、

 三谷幸喜さんと石原隆さんによる

 スペシャル対談『《古畑任三郎》とミステリ』

 と、

 三谷幸喜さん著の短編ミステリ『殺意の湯煙』、

 を中心に特集が組まれています。

 

「ふるはたァさんはァ、こうしてェうまれたッ??」

「がるるぐる!」(←訳:偶然と必然!)

 

 現在、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』執筆に

 大忙しの人気脚本家・三谷さんと、

 フジテレビでドラマやバラエティ番組の

 編成に携わっていた石原隆(いしはら・たかし)さん。

 

 《古畑任三郎》シリーズ第1シリーズの第1回

 『死者からの伝言』が放送されたのは、

 1994年4月13日でした。

 

 ドラマが放送される以前の、

 番組を企画していた当時のエピソードを、

 三谷さんと石原さんは

 懐かしそうに語り合ったり、

 別の企画で

 サスペンス映画の傑作『大時計』を

 リメイクする話があったんだよね、と

 頷き合ったり。

 

「むむゥ! じつげんッ、すればァ~」

「ぐるるっるがる!」(←訳:面白かったのに!)

 

 そして、対談を上回る愉しさを

 私たち読み手に与えてくれるのは、

 短編作品『殺意の湯煙』ですね。

 

 朝日新聞夕刊に

 2021年9月から10月にかけて

 4階に分けて連載された短編作品が、

 一部加筆修正されて収録されているのですけれど、

 これは……

 

「どらまはァ、むりィ!」

「がるるるぐる!」(←訳:映像化は無理!)

 

 三谷さんいわく、

 《絶対に映像化出来ない》

 その物語とは……

 人気俳優シャトー二朗さんの

 アドリブ能力をめぐるミステリ?!?

 

「うふふッ♪」

「ぐるるっ♫」

 

 シャトー二朗さん、って……

 それはあの……もちろんあの……

 いえいえ、これ以上はもう喋りませんので、

 ミステリ好きな方々、

 三谷さんのファンの方々、

 物語の続きと《古畑任三郎》関連の資料&解説は、

 ぜひ、ミステリマガジン誌上で!

 

 7月現在、バックナンバー扱いになっている

 ミステリマガジン5月号ですが、

 古書店や図書館で探してみてくださいね~♫

 

 

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