A Glass of Wine, 「グラスのワイン」
c.1658-60, oil on canvas,
Staatliche Museen zu Berlin, Berlin,Germany
この絵と、少し後に描いた「#11/ワイングラスを持つ女」 (1659-60)は、デ・ホーホ(Pieter de Hooch) (1629-84) の1658年の作品「Woman Drinking with Soldiers 」にインスピレーションを得て、広い部屋の隅のシーンに構図上のテーマを借りたものである。
しかしフェルメールは(部屋の建築学的な構造よりも)画面近くに置いた人物を構図の支配的な要素にする一方、デ・ホーホが人物の相互関係の背景を創り出す為に用いたアクセサリー類を無くし単純化することで、構図上の要素をむしろ難解にして織り込んでいる。