年金暮し団塊世代のブログ

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ドイツワイン法概説(#2)

2010年03月29日 | ドイツの白ワイン

(2)ドイツワイン法の成立

1890年代に最初のドイツワイン法が制定された。 10ヶ条からなるこの法律は主として添加物を規制する内容であった。 ほぼ同じ時期に、原産地を規制するフランスワイン法が制定された。

ドイツワイン法は1901年に一部改訂を経て、1910年に大改訂が行われ、34ヶ条からなる旧ドイツワイン法が施行された。 基本的にはこの法律が多くの改正を経て1971年まで存続した。
 同法では、天然純粋ワイン(Naturwein)と補糖改良ワイン(Verbessertwein)の格付けを定めた他に、Naturweinの補糖やブレンドなどに制限を加えている。 さらに、Naturweinは、Naturwein<Originalabfuellungwein<Spaetlese Naturwein<Spaetlese Originalabfuellungwein<Spaetlese Cabinet といった格付けが行われた。

2回の世界大戦を経てヨーロッパ統合の動きが盛んになるにつれ、経済の統合化が進められた。 農産物の規格統合の動きに呼応してEU Wine Order(欧州ワイン共通基本法)の制定作業が行われた。

この制定作業で難航したのがワインに対する考え方の相違であった。 フランスを中心とした大多数の国は畑(テロワール)による格付を主張したのに対して、ドイツはブドウの成熟度による格付を主張した。

調整作業の中で、フランスからStrohwein TrockenbeerenausleseはNaturweinではないのではないかとの指摘がなされ、この製法はドイツワイン法で禁止されるに至っている。

こうした調停を経て、EU Wine Orderを共通基本法とした75ヶ条からなるドイツワイン法が1971年に制定されたが、肩書付上質ワイン(Praedikatswein)には Naturweinの思想が受け継がれ、補糖が禁止されるとともにブレンドにも制限が加えられている。

その後、1987年のワイン市場秩序に関するヨーロッパ共同体指令(Wein MO)を受けて、57ヶ条からなる現行法が1994年に制定され、97年に一部改定されている。 この現行法でもワインの栽培、加工、上質ワイン、名称等のドイツワインの基本規定は引継がれている。


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