サメビタキ (鮫鶲) は、本州中部以北の亜高山に住んでいるのですが、私めの住む中国地方では春と秋の渡りの季節にだけ観察できる旅鳥で、大変珍しい野鳥 です。
よく似たコサメビタキは胸と脇が灰白色ですが、このサメビタキは灰褐色で、胸に粗く不明瞭な縦斑が出ます。 それとコサメビタキは下嘴の根元側半分が燈色なのが大きな特徴ですが、このサメビタキの下嘴は燈色ではなく黒色です。
サメビタキが属するヒタキ科の鳥は、見張り場の枝から飛び立って、空中で昆虫を捕まえてまた元の枝に戻るという、いわゆる「ヒタキ型の採食習性」を持っています。 従って、空中で昆虫を捕まえるのに適した扁平(へんぺい)で基部の広い三角形の嘴(くちばし)を持っています。
ちなみに、ヒタキ類の英語名が「 flycatcher 」というのも納得できますね。
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